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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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視聴感想「Golden☆Best 平野愛子 港が見える丘~君待てども」

「ゴールデン☆ベスト 平野愛子」というCDが最近発売された。
買おうか買わないか迷ったのだが、思い切って買って聴いてみたところ、想像以上に良くてニンマリしている。
平野愛子の、その「濡れたビロウドの歌声」が心地良く、耳に軽やかに響いてくるだけで充分なのだが作品にも割合恵まれていて、良い歌が多い。
同時に発売された「ゴールデン☆ベスト」のうち、小畑実と曽根史郎については当ブログでも感想を書いているので、この平野愛子についても、感想を綴ってみたいと思う。
選曲についても以前発売されていたベスト盤とは重複する曲は少なく、また初CD化音源や久々にCDに収録される歌、高額CD-BOXにのみ収録されている歌、など容易に聴けなかった歌が多数収録、曲数も21曲と以前のベスト盤よりも多く収められ、そしてリーズナブルな価格・・・など、様々な面からも非常にお得な1枚に仕上がっている。

明朗とは違う、どこか愁いを帯びた歌が聴きたい
ちょっと斜に構えたムードのある歌が聴きたい
そんな人にお薦めしたいアルバムだ。

平野愛子については、以前ブログで記事化しているので、こちらも併せて目を通して頂けるとありがたい。http://hakozsito.exblog.jp/12302759/

視聴感想「Golden☆Best 平野愛子 港が見える丘~君待てども」_e0134486_556599.jpg

「Golden☆Best 平野愛子 港が見える丘~君待てども」
VICL-63731 \2,000(税込) ビクター


01:港が見える丘
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1947

昭和22年4月発売の大ヒット曲。
世に出てから60年を超えた今なお歌われて愛されている
昭和歌謡のスタンダード・ナンバー。
やはり創唱者である平野の歌声は唯一無二。
他の歌手とは違う、独自の世界観があることを今回の聴き直しで再確認させられた。
この歌が好きな人はぜひとも、オリジナル・シンガーの平野も聴いてみて欲しい。
昭和40年代にステレオで再録音されているVer.も、伴奏・編曲・歌声・・・どれも申し分なく
叶うならば、こちらも一聴頂きたいのだが、高額のCD-BOXか中古LPでしか聴く手立てが
現状では無いのが残念でならない。

追記)
私は譜面について、どうと言えるだけの知識は無いのだが、歌本に載っていた楽譜を見ていて気付いたことがある。
歌い出しの
♪あなたと二人で来た丘は港が見える丘・・・
という部分、ここまでブレスなしで一気に歌うことに譜面上はなっている。
だが、譜面どおり歌っている歌手はそう多くない。
区切って歌う方が歌いやすく、またムードを出しやすいからなのだろうか。

02:君待てども
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1948

昭和23年1月発売の大ヒット曲。
映画「君待てども」主題歌。
こちらも「港が見える丘」ほどでは無いものの、今なお愛されている
昭和歌謡のスタンダード・ナンバー。
戦争未亡人の哀しみとその果ての再起を誓った歌としても、恋に破れた女の嘆きとも取れる
詩の普遍性はただただ見事である。
この歌も、昭和40年代にステレオで再録音されているVer.が一聴の価値が有り。
唄いこまれて、そして円熟した平野の歌声も気軽に聴ける日が来ることを願う。

03:白い船のゐる港
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1950

昭和25年1月発売のヒット曲。
平野愛子のヒット曲を挙げていくと「港が見える丘」「君待てども」に次ぐ
3番手に位置するヒット。
大ヒット2曲と比べると、楽曲としての出来や一般知名度という点では劣るものの
平野愛子の魅力に溢れた名曲であることは間違いない。
平野の歌声には安定感すら漂っている。

04:お妙子守唄
作詩:佐伯孝夫 作曲:飯田信夫 1946

東宝映画「斬られの仙太」主題歌。
昭和21年10月発売予定・・・も未発売(発売されてすぐ販売中止になったともいう)
に終った、平野愛子幻のデビュー曲。
この歌が幻になってしまったのは東宝争議で映画の製作が延期になってしまった(映画封切りは昭和24年)からとも、映画がGHQに睨まれたこと(当時GHQはチャンバラ映画を軍国主義的であるとして禁止・取り締まっていた)による自粛とも、いや実は普通に発売されていたとも諸説あり、定かではない。戦後まもなくで混沌としており、真相を知っている人は当事者も含めて、誰もいないというのが本当のところかもしれない。
(もし、御存知の方がおられましたら、ぜひとも御教授の程を)
平野にとっては災難だったろうが、おかげでデビュー曲が「港が見える丘」となり
それが歌謡史、戦後史に名を遺す1曲となったのだから、災い転じて福となったことになる。
この歌はしんみりとさせられる佳作ではあるが、新人のデビュー曲としてはインパクトに欠ける。

05:もう帰らない
作詩:井田誠一 作曲:飯田信夫 1947

昭和22年8月発売。
飯田信夫は映画音楽を多く手掛けた作曲家だが、戦中から戦後にかけて流行歌も手掛けている。
この歌はメロディは良いのだが、歌とはちょっと違うように思う。
やや歌い辛い面もあるこの歌だが、平野はしっかり消化して歌いこなしているのはさすがとしか言いようが無い。
前奏がさすがに凝っていて、この作品の聴きどころの一つになっている。

06:星ひとつわが胸に
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1948

昭和23年9月発売。
A面が竹山逸郎・中村耕造の「異国の丘」。
A面に合わせたのか、こちらも往年の古賀メロディ風な面を持つ歌になっている。
戦後というよりも戦時歌謡だが、ギターをうまく使った編曲でそれとはかろうじて差別化させている。
平野の歌唱は、歌の高音部はやや割れ気味であるものの、よく歌っている。
ただ、この歌は平野向きとはどうにも言い難い。
どちらかといえばコロムビア的な感じがするが、ビクターだと竹山逸郎の歌唱がしっくりくるように思う。

07:さよなら銀座
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1950

昭和25年9月発売。
この年の9月27日、東辰三は仕事中に脳溢血で倒れ、急逝。
この歌の作成中はそんな兆候は無かったのだろうが
運命の不思議さを考えてしまうような詩である。
ただし、これは知っていればの話で、別段妙な歌では無い。
東―平野ラインならではの、メロウでアンニュイなムード溢れる作品で、
佐野雅美(佐野鋤)による編曲が印象的な1曲。

08:なぎさの別れ
作詩:井田誠一 作曲:永井龍二 1950

昭和25年10月発売。
しっとりとした曲調といい、港の別れを唄った詩といい、
まさに平野愛子ワールドといえる作品。
1番だと♪肩を抱かれて 歩いていた
の部分だが、この部分がどうも字余り気味なのが気になる。
もう少し、ここのメロディが締めるなり、もう少しビシッと伸ばすなりが
あれば、もっと良かっただろうと、少々残念に思う。

09:愛の散歩
作詩:井田誠一 作曲:松井八郎 1950

昭和25年10月発売。
明るくシックな曲調の作品。
平野の歌唱は悪くは無いが、この歌にはもう少し爽やかさが欲しい。
灰田勝彦ならばどうだったろう、と、どうしても考えてしまう。
これは贅沢というものなのだろうか。

10:嘆きの踊り子
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1951

昭和26年12月発売。
既にこの時期には、平野はビクターからテイチクへ移籍し新譜も発売していたが
ビクターでも並行して、在籍時代に録音していた歌を発売していた。
この歌は、旅回りのバレリーナの嘆きを唄った作品。
一番だと♪泣いているよな 
の部分は、もう少し溜めて、引っ張って欲しかった。
そこが今ひとつこなしきれていないように感じた。
舞台などでの歌唱では、どうだったのだろうか。

11:踊る虹娘
作詩:小川吉衛 作曲:清水保雄 1950

昭和25年4月発売。
映画「浅草の肌」主題歌。
メロウな曲、ブルース調な歌などのイメージが強い平野だが、この歌は何とブギウギ。
私にはどうにも暁テル子向けの歌のように感じてならない。
スケジュールの都合でレコーディングに間に合わなかった暁の代打で歌ったのでは?
と邪推したくなる。
しかし、これもまた意外なのだが、なかなかどうして、ちゃんと歌いこなしている。
ミスマッチの妙というものとは、ちょっとまた違う。
平野の歌手としての実力の程が伺える、いわば珍作。
作詩の小川吉衛は、映画プロデューサーでこの映画の製作も担当している。往年のスター女優・山根寿子の夫でもある。

12:恋ひとたび
作詩:有江道夫 作曲:吉田矢健治 1952

昭和27年6月発売。
「第3回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。
紅白歌合戦の選曲というのは、今も昔も時折?というものが含まれている。
意外と気付かない人が多いのだが、紅白で歌われた歌=ヒット曲、ではないのだ。
紅白で歌われた歌だから、と探そうとすると
CD化されていなかったり、高額CD-BOXに収録されていて手が伸ばせない、
または収録されたCDが既に廃盤で入手困難状態だったり・・・
と悲惨な状態に出くわすことが、ままある。
この歌もそういう悲惨な状態にある歌のひとつだったが、今回めでたくCD化された。
テイチクに原盤が残ってなく、金沢蓄音機館という施設に所蔵されていたレコードから
復刻されたという。
幻がやっと実体化された喜びは格別だ。
テイチク時代の吉田矢健治の曲はあまり復刻されることが多くないので、そういう意味でも嬉しい。
吉田矢健治もしっかりとした再評価が望まれる大作曲家だ。
ただ、この歌、もう少しキーを上げて歌っても良かったようにも思う。
どうも男声用の作品のように感じるのだが・・・。
いや、これは平野の歌手としてのステップアップを目指した、敢えて、なのだろう。
その試みは、ある程度は成功したように思うがどうだろうか。

13:虹よいつまでも
作詩:清水みのる 作曲:平川浪竜 1951

昭和26年11月発売。
「第2回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。
ビクターからテイチクへ移籍して放ったヒット。
昭和29年にキングへ移籍するまで、多くのレコードを遺したが
ヒットと呼べるものは、他に竹山逸郎と歌った「愛染橋」など、数曲に終っている。
それが災いしたのか、なかなか復刻に恵まれず
1995年発売のCD「再発見・ニッポンの音/芸(6) 節まわしこそ歌の命」(TECR-20176)
でやっと一般向けCDに収められたものの、このCDも既に入手が困難になっている。
今回めでたく、このCDへ収録されたことで再びお目見えが叶った。有り難い。
「白い船のゐる港」の姉妹篇のような歌であるが、個人的にはこちらに軍配を上げたい。
平野の魅力がよく出ているし、長津義司の編曲もなかなか凝っていて良い。
平川浪竜は「岸壁の母」で知られる、なかなか美しい曲を書く作曲家で、この歌でもその才能を
しっかりと発揮している。この人の再評価も望みたい。

14:スペードの女王
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1951

昭和26年1月発売。
盛り場の女を唄ったブルース歌謡。
ブルース歌謡は平野の十八番だが、この歌はどうも男声向けのように思う。

15:ブルースの女
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1948

昭和23年9月発売。
なぜかデジャヴ感を感じるが、見事なブルース歌謡の傑作。
昭和40年代に青江三奈あたりの歌声で発売されていても不思議ではない、
20年ほど時代を先取りした感すらある。佐々木俊一、おそるべし。
佐々木俊一は多作な作曲家ゆえ玉石混合の面はあるが、玉の作品は素晴らしい。
遺した実績に見合うだけのしっかりとしたアンソロジーが組まれることを期待したい。

16:落葉のブルース
作詩:東辰三 作曲:永井龍二 1950

昭和25年1月発売。
ヒット曲「白い船のゐる港」のB面曲。
前奏や間奏に入る女声コーラスのハミングがやや時代を感じさせるものの、
そこを除けば、見事なブルース歌謡であり、A面に勝るとも劣らぬ出来に仕上がっている。
この歌唱ひとつでも、平野が若きブルースの女王と呼ばれたのは納得出来る。

17:雨のタンゴ
作詩:門田ゆたか 作曲:松井八郎 1949

昭和24年8月発売。
タンゴ歌謡の隠れた傑作。
松井八郎の作・編曲ぶりにはただ唸るばかり。
こういう作品を作ることが出来る、音楽への消化力という点が往年の流行歌~歌謡曲の魅力
の一つではないだろうか。
この難曲を歌いこなす平野愛子は見事だが、あと数年後ならばもっと立派な歌唱を
聴くことが出来たようにも思う。


18:雨の日の広告塔
作詩:坂口淳 作曲:中山晋平 1951

昭和26年8月発売。
大正~昭和一ケタにかけて一世を風靡した日本流行歌界の傑物・大作曲家である
中山晋平晩年の作品(昭和27年没)。
中山の戦後作品は戦前までと比べるとさすがに数も減り、またヒット曲が出せなかったこともあり
CD化には恵まれていない。
そういういった意味では貴重な1曲となった。
ただし、曲の出来は良くも悪くも"晋平ぶし"で、デジャヴ感があり、可もなく不可もなくといったところ。この作品の肝は、平野の歌唱だと思う。

19:たそがれの東京
作詩:井田誠一 作曲:清水保雄 1950

昭和25年5月発売。
「ゴールデン☆ベスト」、小畑実、曽根史郎に平野愛子・・・と聴いてきて
清水保雄という作曲家がなかなか良い作品を生み出しているということに気付いた。
清水の名前は勿論知っていたが、こう作品をカチッと聴いたことは無かった。
古賀政男の片腕として長年支え続け、古賀作品の編曲は長年に渡って清水が密かに受け持っていたいたとも、「湯島の白梅」「勘太郎月夜唄」は実は古賀の作品だとも言われている。
その程度しか知らなかったが、今回いろいろと聴いてみて、手堅い作品が多く、関心が湧いた。
この曲も品格と程よい軽やかさがあって、しっくりくる。
清水保雄の再評価も今後なされていくことを期待したいし、私自身も関心を持って清水作品へ当りたい。

20:長崎のオランダ娘
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1951

昭和26年9月発売。
異国情緒あふれる、長崎チャイナ歌謡。
平野とチャイナメロディ、長崎歌謡の組み合わせはぴったり。
オリエンタルなムードを醸し出していて、なかなかの作品へと仕上がっている。
もっとこういう作風をこなす平野も聴いてみたかった。

21:長崎物語
作詩:梅木三郎 作曲:佐々木俊一

昭和14年に由利あけみの歌声でヒットし、昭和15年には桜井潔楽団が取り上げたことでも知られている昭和歌謡のスタンダード・ナンバー的1曲。
ビクター新人オーディションの際、平野愛子が歌ったのがこの曲であったという。
昭和40年代に入り、懐メロブームが興り、戦後まもない時期を代表する歌手である平野へも再び光が当り、代表曲「港が見える丘」「君待てども」などと共に録音したのが、この歌でこの音源。
持ち味はそのままに円熟味を増した歌声によって歌われる名曲は、ひたすら心地良く、至福のひととき。この歌の収録は嬉しい。ボーナストラック的1曲。
by hakodate-no-sito | 2011-06-03 06:17 | CD視聴感想