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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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視聴感想「Golden☆Best 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」(その1)

視聴感想「Golden☆Best 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」(その1)_e0134486_428373.jpg

「ゴールデン☆ベスト 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」
VICL-63733~4 3,000円(税込)


昔、野村雪子という歌い手がいた。
今、この名前を聞いて、反応できる人はそう多くないと思う。
昭和20年代後半から30年代半ばにかけて人気歌手の座にあり、引退が39年。
もう半世紀近く前の話になる。
以後カムバック等も一切なく、平成12年、久々にその名を見かけたと思ったらそれは訃報だった。

ヒット曲等もLPやCDで復刻されることが少なく、時折1~2曲、コンピレーション盤の類に入る程度。これでは、知ろうにも知られない。
当時を知る人、または余程の好事家でもない限り、知る人がいなくなってしまったのは当然といえば当然。

そんな幻の歌手だった野村雪子のベスト盤が出ると知って、驚いた。しかも2枚組だという。
知る人も少なくなった歌手にそんな根強い需要が未だ残っているのか、という驚きと疑問がいっぺんに襲ってきた。
しかし、これだけ長い間、半ば黙殺に近い扱い・冷遇されてきたのだから、2枚組ぐらい当然の措置か、と思い直した。
ファンにとっては、待って待って待ちわびた、待望のベスト盤であるのには違いない。
一種のコレクターズ・アイテムなのだから。

そして、何とも形容しがたい気持ちの中で、この2枚組アルバムを聴いてみた。
正直に申し上げると「2枚組は多い、1枚組でよかった」というのが私の感想だ。
昭和のSP盤時代の戦後流行歌ファンや野村雪子ファンならば、また違う想いを抱くだろうが、一般向けには厳しいのではないか。
あの時代の歌の良さは確かに詰まっているが、その分古い歌のマイナス面もしっかりくっついてきたという気がする。
野村の歌唱は個性的でアクが強い上、歌によっては荒削りな作品もある。
(これは多忙な中でのレコーディングで曲を満足に消化しきれなかったということであり、当時として珍しいことは無い)
その辺りの粗も、流行歌好きなどには良いのだが、さして興味の無い人が飛び越えて楽しむには、いささかハードルが高いように思う。
権利関係の複雑化でCD収録が難しくなっているマーキュリー時代の音源の不在もマイナスになっていないまでは言い切れない(ただし、これはインディーズ等ではCD化されている)。
他にもいろいろ思うことがあるのだが、2枚組はやはり難しいという考えを捨て去ることは出来なかった。

勿論、良い歌はいっぱい収録されている。
何より、これまで幻の歌手だった野村雪子の音源が全45曲とというボリュームで復刻されたのは快挙というべきことだ。
だが、果たしてそれが本当に正しかったのか。
もう少し違うかたちで、玄人状態のファン以外でも、気軽にとっつきやすい形で出すことは出来なかったのだろうか。
こういう復刻の仕方だと、野村雪子の復刻は今後進むことは無いのでは、という不安も胸中に覆っている。勇み足過ぎたのではないのか。
本来、絶賛・歓迎すべきはずの復刻盤なのだが、複雑な想いにとらわれたままだ。

ただ、野村雪子に少しでも興味のある人は絶対抑えておくべき、と断言する。
確かに好きな人なら嬉しいアルバムになる。
マイナー好み・稀少品好みの人にも、たまらないと思う。
昭和の流行歌~歌謡曲を知るには良い材料に間違いなくなるはず。
ノスタルジーを誘うものもみっちり詰まっている。
演歌調・民謡調の歌が好きなら、すんなり耳に入ってくるのではないだろうか。
今日の演歌歌手のルーツというべき一面があり、歴史資料としての価値・・・。

初心者でも、ヒット曲から聴いていくうちにステップアップして他の歌も…というときに、この曲数の多さは有利。
多ジャンルに渡っていて玉石混合、このアルバムの中で様々な体験が可能になっている。
もし、迷っているならば先行投資と考えるなり、積ん読ならぬ積聴にしてでも、まず手許に確保するべし。
45曲3000円、収録曲数も内容も含めて、この価格はお買い得と言っていい。
私は今後野村の復刻はしばらく無い、と睨んでいる。これを逃してはいけないと思う。きっと後悔するだろう。

辛いことを書いてしまったが、野村雪子という歌手は忘れ去られるには惜しい人であり、また歌謡史においても重要な位置にある人だ。
今回のアルバム発売が期に、しっかり見返すべきだと思う。
様々な意味合いでハードルが高いアルバムではあるが、越えた先には得難いものが待っている。
前にも書いたが、少しでも興味を持たれた方はぜひとも手に取って聴いてみて欲しい。
by hakodate-no-sito | 2011-06-07 04:28 | CD視聴感想