年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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2011年8月12日のことだった。
暑さで身体が汗びっしょりになり、帰宅早々シャワーを浴び、ようやく一息入れたところで、ネットをチェックすると、ある歌手の訃報が目に入って来た。

-日吉ミミ。

「男と女のお話」を唄う際の、あの投げやりで、退廃的な、捨て鉢な唄い方は、あまりにも有名だ。
だからといって、あの歌唱法しか出来ない人ではなくて、ひたむきに未来を信じるような唄い方も実は出来た人だった。
寺山修司から愛された歌手、中島みゆきを自分の世界へ引き寄せて唄い切ってしまう人だった。

よく一発屋と呼ばれるが、実は一発屋では無いし、百歩譲って、仮にそうだとしても、その1曲で40年芸能界を生き抜いたのだから、やはり確かな才能の持ち主であることは間違いないだろう。

人生八十年・九十年の時代に、64歳の死は惜しい。早すぎる。

私は彼女の生歌を1度だけ聴いたことがある。
過去の日記を確認すると、それは2008年4月1日だったらしい。
その日、新宿で「ちあきなおみ・喝采蘇る」の出版記念イベントがあった。
面白い話が聞けるらしい、何かゲストが豪華らしいと聞いて、ちあきなおみも好きだし・・・と行くと、ゲストとして一番最初に出て来たのが日吉ミミだったのだ。

このイベント、ゲストが日吉ミミ、伊藤咲子、中村中、ギャランディーク和恵。
日吉ミミの友人として、途中まで客席にいたのが倉石功夫妻。
飛行機遅延のため出演は叶わなかったが、すぎもとまさとも出演予定だったという。
蛇足だが、これでお代が1200円。

何だか信じられないような話だが、本当の話だ。
さて、トップバッターの日吉ミミ、長年のキャリアで培ったとっておきのエピソードを、磨きのかかった話術で笑いを交えながらたっぷりと披露してくれた。

----------------------------------
「涙の艶歌船」(こんな題名じゃ売れないわよね、と笑いながら振り返る)でデビューはしたものの全く売れず、日本キャバレー巡りを譜面が入ったトランク片手に行っていた頃にちあきなおみと出逢い仲良くなった。

売れなかった頃、自殺未遂を図るなどギリギリの果てに出たヒットが「男と女のお話」だった。

紅白へは江利チエミの辞退に伴う繰り上げで出場出来て、司会の美空ひばりからラッキーガールと紹介された。

80年代後半、歌番組などで再び歌い始めたちあきなおみが"大きい人"に「てめえ、今更戻ってきてンじゃねえよ」と掴みかかられているところを偶然目撃してしまった。

共通の友人でもある美川憲一と、ちあきさんと私と憲ちゃんで3人ジョイントライブ出来ないかなと、最近話をしている。
----------------------------------

そんなことをひと通り語った後に「男と女のお話」を歌い始めた。
一瞬、わが耳を疑った。
ヒット当時とまったく遜色ない、いや深みと味が出た今の方がよほど良い歌声になっているのではないか、と思うような素晴らしい歌声だった。
「原キーでしっかり歌えるように鍛えてますから」
とサラリと語っていたが、よくありがちな声の出なくなってきた歌手の強がりなどでは全く無く、その言葉に嘘は無い見事なものだった。

あのイベントはゲスト全員が、ちあきなおみへの愛情と敬意を表しながら自分の魅力を出す、良い仕事を見せていたが、何と言ってもトップバッターの日吉ミミの掴みっぷりが、イベントの成功を決めたといってもいい。

記憶がセピア色に褪せるというよりも、既に忘却の彼方へと去りつつあるのだが、ゲストの中で日吉ミミが一番カッコ良かった。話に重みがあったし、またその重みを重みと思わせない軽妙な話術。
イベント終了後、一番興奮したのは中村中であったはずだが、今では何を話していたのか思い出せない。
時間を経て、記憶に残っているのは、日吉ミミなのだ。
----------------------------------

あのイベントから約1年後、彼女は膵臓癌に倒れ手術を受けた。
そのことを公言したのは今から1年半ほど前だったろうか。
「あれだけ歌えたひとが…まさか…」
そう思いながらも、病が病、覚悟をせねばならぬと思ったのも事実。
不安は的中してしまった・・・。

本人は嫌がるかもしれないが、人生経験が歌に生きていた人だと思う。
歌手にしろ役者にしろ、芸人の華やかな世界の裏側、下地には、私には計り知れないようなものがある。

哀しみの中に有っても絶えず希望をどこかに抱いて生きている人を歌える人で、コミカルな歌もイケる人。
そして、どこか影のある、陽の当らぬ場所に居続ける人を唄うことが何より長けていた人。

と彼女のことを思っていたけれど、それはつまり彼女自身のことだったのかもしれない。
彼女自身の体験・経験、見聞し肌で感じて来たこと、それがより生かされる年齢に差し掛かった中での逝去。
我々の損失も大きいが、何より日吉ミミ本人がさぞ悔しかったろうと思う・・・。

何の力も無い私に出来ることは、時折彼女が遺した歌を聴いたり口ずさみ、話の話題で日吉ミミという名を出すこと。そして、心の中の想い出にそっと遺していくこと。

目をつむり、耳を澄ますと、あの歌声がどこからか、聞こえてくるようだ…
そっと歌を口ずさみながら、CDいやレコードを再生しながら、献杯を捧げ、静かに今夜は偲びたい。

サヨナラ、ミミ…。
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by hakodate-no-sito | 2011-11-02 04:03 | 歌・唄・うた | Comments(0)