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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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ダミアからDamiaまで

ダミアからDamiaまで_e0134486_18375917.jpg


CDの帯にはこう記されている。
「石井好子、85歳の絶唱」と。

宣伝文句というものは往々にして、誇張が過ぎたり
見る人が見れば「それはちょっと違うのではないか」と
いうものが実に多い。
商売である以上は「売らんかな」という姿勢が求められる。
仕方の無いことではあるが、度の過ぎるのはその商品自体のクオリティすら
疑いたくなってくる。
このアルバムは、そういうものから一線を架して「良い音楽を」と自ら設立した会社
で製作したものだから虚飾は無い。帯のキャッチコピーも的確だ。
アルバム発売後しばらくしてから、まるで置き土産のように病床につき、歌のマイクから
遠ざかってしまった。ひとつの予感や覚悟があったのではないのかと思いたくなる。

聴くのが少し怖かった。
当時、CDの宣伝をする姿にどこか淋しげな顔が一瞬覗いていたのも気になっていた。
でも、彼女の絶唱である。
私にとって石井好子は「良い時代だけ見てそれで御仕舞」とするぐらいの
軽い気持ちで気になっている人では無い。
迫り来る老い、年齢との戦いをどう向き合っていたのか、確かめたくなった。

思い切って聴いてみた。
―朽ちる運命にある大木が、それを受け入れつつも、なお生きんとしている
そんな印象を持った。

衰えが無いといったら嘘になる。
だが、一方でシャンソンの女王というべき格・貫禄・凄みはなお増している。
石井存在そのものがシャンソンと呼ばれているが、さらに一体化している。
誰にも唄えない、石井好子だけの歌がここにある。
「暗い日曜日」の歌唱には恐ろしさすら覚えた。
ダミアの歌声で人が死んだという伝説が残っているが、石井のそれでも有り得る。
この絶唱を遺せただけで、アルバムを作った意義が出たように思う。
彼女は最期にDamiaを超えたのだ。

私の不安は杞憂だった。
石井好子は最期まで石井好子で在り続けていた。
偉人に改めて敬服する。

「ダミアからDamiaまで」
(¥3,000・NMD-2295・2008年)
<収録曲>
1. 港町の居酒屋 C'EST DANS UN CABOULOT
2. 云わないけれど IL NE SAIT RIEN ME DIRE
3. 想い出 UN SOUVENIR ...
4. 哀 訴 COMPLAINTE
5. いつの日か UN JOUR, TU VERRAS ...
6. バルバリ・バルバラ BARBARIE, BARBARA
7. 海辺のバラード UMIBE NO BALLADE
8. 夕映えの二人 WAS ICH DIR SAGEN WILL
9. サン・ザムール ~ ガラスの薔薇 SANS AMOUR
10. 暗い日曜日 SOMBRE DIMANCHE
11. 人の気も知らないで TU NE SAIS PAS AIMER
12. 異国の人 L'ETRANGER
13. かもめ LES GOELANDS


※7曲目のみアルバム「暁に」(2000年)からの収録。ほかの収録曲は新録音。
by hakodate-no-sito | 2012-01-01 18:39 | CD視聴感想