年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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ある歌い手に想う

2012年1月17日、「NHK歌謡コンサート」というテレビの歌番組に、歌手の三條町子が出演していた。

彼女は昭和20年代に「かりそめの恋」「東京悲歌(エレジー)」「想い出のランプに灯を入れて」「君よいずこ」などのヒットを多数飛ばした歌手。
この5~6年は舞台に立つのを止めて退いていたのだが、去年の秋久々にマイクを取った。
その流れで今回のテレビ出演も決まったらしい。

私は、彼女のテレビ出演の話を知っても、素直に喜ぶことは出来なかった。
(昨年の舞台を除き)何年も歌の仕事をしていない、80歳も半ばを過ぎた歌手をテレビの全国生放送に引っ張り出すなんて、狂気の沙汰ではないのか。

彼女の性格
(・・・といっても、テレビで数度チラリと見かけたトークの内容や彼女のエピソード、談話の類から勝手に想像したものだが)
から考えると、去年の舞台といい今回のテレビといい、積極的な想いから動いたとは到底思えない。
義理やしがらみという、私の大嫌いなもののお陰で押し切られ、渋々腰を上げざるを得なくなった、というのが真相ではないのだろうか。

こう書いている私だって、今の彼女の歌声が聴きたくない訳ではない。元気な姿ならば見たい。
彼女なら、昔そのままとはいかなくても、年輪を重ねた歌を聴かせてくれるのではないか、という想いもある。

だが、世の中は好意的に観る人やファンばかりではない。
一歩間違えば、残酷物語だ。
若い頃なら
調子が悪かったんだね、でも
歳を取ると
もうダメだね、となる。

所詮芸能人は見世物じゃないかと言われれば、その通りだ。
だが、彼女は自分の意思で退いている。
それを無理に引っ張り出して、晩節を汚しただの、老醜を晒したとなってはたまらない。

番組のことを考えると、胃が痛くなる日々が過ぎ、いつしか放送日が来た。
やがて晩海の放送時間となり、番組中盤過ぎに、ついに彼女の出番となった。
外見はビシッと決めている。衣装もいい。年齢を感じさせない。

高齢のベテラン芸能人となると、首をかしげたくなるような風貌で出演する人が少なくない。
衣装の使い回しも目立つが、その場合ほぼ確実に、今の本人にはベストとは言えなくなってしまった服を着て来る。歌手では、そういう人に限って、歌も勝負出来ないものになっている。

彼女は、大丈夫かもしれない。
少しホッとした。
だが、ずいぶんと緊張しているように見える。
意味もなく口元を動かすなど、落ち着きのない動作をしている。
常に淡々としている印象のある人が・・・。

(一番大変な想いをしているのは、やはり三條町子その人なのだな)
胸が締め付けられる想いだった。

いよいよ歌の時間となり、ステージ中央へ立った。
イントロが流れる。
鼻をすする音と、入れ歯の金属音が聴こえて来た

(ああ・・・)
音声調整がされて、マイクの入力感度を上げているのだろう。
そういう配慮をするならば、唄い出し直前まで通常通りにして欲しかった。
半端な気配りが仇になったのだ。

しかし、哀しみに浸るのは最初だけで済んだ。
プロフェッショナルとして、仕事をきちんとこなしていた。
肝心の歌は、かなり声量が落ち低音が出にくくなっていたことを除けば、三條町子だった。
声質は殆ど変らず、懐メロ番組やCDで耳馴染みのある、独特の節回しも健在。
マイクの件を除けば、かなり上々の出来ではなかったか。
テレビの生放送で唄うことの緊張を差し引いて考えると、あと2割や3割増しで歌うことはできるように感じた。

(お疲れ様でした・・・貴女は偉い。さすがでした)
唄い終わったとき、心底声をかけたくなった。
こんなに手に汗握って、テレビを観るなんて、久しく無い。

司会者は三條町子の名を改めて紹介。舞台袖へエスコートしようと近寄っている。
だが、歌の後奏が終ると「終わった、終わった」という表情となる三條。
会場の反応へもさして関心を示さず、司会者が差し出した手も(いいわ、いいわ。自分で歩けるわよ)と手を振り、舞台袖へ消えていった。
この、そっけなさに彼女らしいと笑っているうちに、涙はどこかへ消えていた。
これもまた三條町子の魅力なのだ。いい感じでこちらの緊張もほぐしてくれた。

番組を見ていた友人知人からは
「87歳とは到底思えない、素晴らしい」と、おおむね好評だった。
ツイッターを覗いてみても、同じく高評価。
私の危惧は、一部を除き杞憂に終った。

「もっと出て来て、歌って欲しい」「歌えるうちは歌って欲しい」という意見・感想も聞いた。
だが、私はその言葉にうなずくことは出来なかった。
彼女の(私はもういいです、この前のテレビだけで、もう沢山)という声がどこかから聴こえて来る。
年齢を考えると、もう静かに余生を楽しんで欲しいという想いが強い。

だが・・・
「叶うならばレコードコンサートのトークゲストぐらいの仕事で、元気なうちは顔を見せて頂きたい」
という言葉が脳裏をよぎったのも事実だ。
つまり前記の意見・感想と大差ないのだ。

人間とは、何と欲深く、残酷な感情を持ち合わせているのだろうか。
そして、優れた歌い手というものが、いかに魅了された人の心を動かすことをたやすく行えるのか、ということも痛感している。

どう結論を出せばいいのか、放送が終って何日も経つが判らないまま、今も心は揺れている。
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by hakodate-no-sito | 2012-01-24 00:39 | テレビ | Comments(0)