年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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「三人のスリの唄」のはなし

高英男の代表的な持ち歌に「落葉の巷」がある。
通称を「三人のスリの唄」という。

♪ラッシュアワーの人混みをスリが三人歩いてた・・・
という歌い出しで、3人がなぜスリの道へと入り込んだかを、可笑しさと哀しさを交えながら描いた作品だ。

戦後まもない頃、勝承夫(作詞家)が中央線に乗っているとき、スリに財布を掏られてしまった。
そのときの話を服部良一にしたところ、服部が『面白いね』とノり、そこから一つの歌にすることとなった。
「落葉の巷」と名付けられて、この歌は世に出た。

創唱歌手は誰なのか、今のところよくわかっていない。
だが、昭和22年公開の東宝映画「春の饗宴」で、宝塚出身のシャンソン歌手の草分け・橘薫が歌っていることから、おそらく彼女なのではないかと思われる。

レコード発売は当時されなかったらしい。
当時の流行歌として書かれたと考えるには、あまりにも斬新かつ実験的な曲調である。
おそらく舞台用と割り切った上で作られたのだろう。
だからこそ、こういう歌が出来上がったとも言える。

そういう経緯で生まれた歌ゆえ、知る人ぞ知る歌、いや当の服部良一自身すら半ば忘れている状態にあった。

曲が生まれて、5年以上は経ってから、服部良一の耳に思わぬかたちで耳に入ってきた。
「落葉の巷」は「三人のスリの歌」という通称まで付いていた。
シャンソン歌手と名乗り、フランスの歌を唄って、当時大いに売り出していた高英男が歌っているという。
同業者でも評判となり、古賀政男までも『高君が唄ってるあの歌、いいね』と服部に伝えてきた。

高英男の話によれば、日劇へ出演した際、『グランドレビューの幕間に、この歌を唄って一人で客を惹きつけてみろ』と、演出家の山本紫朗から薦められたのが歌との出会いだという。
服部良一の公式サイトによると、この歌が高によって唄われたのは昭和27年とされている。
昭和27年9月に、巴里の唄と題されたシャンソン・グランドレビューが日劇で開催されている。
昭和32年5月に日比谷公会堂で行われた高のリサイタルのプログラムには「三人のスリの唄」の名があるので、昭和27年からこの時期までの話であるのは間違いない。

拍子木をカチカチ鳴らし、『あ、スリだ』と叫ぶ声、そしてステージへ見得を切りつつ、舞台へ出て・・・という演出も含めて、大いにウケた。
その余波で、高はスリを題材にした歌をその後も手がけて行き、一時期はスリの歌だけでリサイタルの1コーナーが出来るまでになった。
柳の下に泥鰌はそうそういないものだが、三木鶏郎によって「一人のスリの唄」という「落葉の巷」に勝るとも劣らぬ歌が生み出されている。 こちらも「落葉の巷」共々後年まで唄われ続けることとなった。 平成8年開催の、高英男60周年リサイタルでは2曲続けて歌われている。またテレビでのスタジオ収録だがワンマンショー形式ではキャリア最晩年になっていたであろう平成12年放送「あの歌この芸」(NHK-BS2)でも「落葉の巷」は歌われている。

「落葉の巷」は一般人気も去ることながら、玄人筋からの人気が高い曲だった。
前述の古賀政男のほかに、芦田伸介、殿山泰司、花柳章太郎・・・と層々たる面子も好んだ。

当時、新橋に芸能関係者ばかりが多数集う、蟻屋という御汁粉屋があった。
高も常連のひとりであり、芦田や殿山はそこの常連仲間だった。
他の常連の演劇人の中からは、一時期本気で『この歌を元に劇化しようじゃないか』という声もあがっていたという。

高の生涯のプロデューサーであり、師であり、パートナーであり、親友であった中原淳一も、この歌に惹かれた一人だ。
体調を崩して、千葉・館山で療養生活を送っていた晩年、三人のスリという人形を製作している。
そして、それを模した衣装も、高のために製作している。

花柳章太郎と高英男の出会いによって「落葉の巷」はさらに進化を遂げてゆく。
新派の大御所と、シャンソン歌手。
一見まったく接点がなさそうな二人だが、何と親交があったのである。

昭和28年9月、高英男は、初代水谷八重子の相手役に抜擢されピンカートン役で新派合同公演の演目のうち「お蝶夫人」(新橋演舞場)に出演している。そこからの縁だという。

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「落葉の巷」を歌うとき、唐桟柄(縦縞柄)の着物で唄うようになったのは、花柳章太郎の薦めによる。
立ち居振る舞い、裾や袂のさばき方を、楽屋で直に指導して貰った。

「お蝶夫人」での競演から親しくなった初代水谷八重子からもアドバイスを貰った。
高が唄う姿を観て、袂から胸に入れる手の位置が気になったという。
『あなたね、粋に見せたいなら、もっとこう上の方に入れて、キリリと揉みあげてごらんなさい。言っちゃ悪いけど、あなたの今の手つきは在郷の肥桶かつぎよ』

のちに花柳からは煙草入れ、初代八重子から財布入れが、それぞれ高へと贈られた。
それから、「落葉の巷」を着物で唄う際には、小道具兼縁起担ぎで、必ず袂に入れたという。
これら二つの品は現存しており、2009年7月23日に帝国ホテル・孔雀の間で行われた高のお別れの会でも展示された。

高の極め付けの1曲とされていながら、この「落葉の巷」、レコードとは縁が無かった。
レコード会社間の権利関係の問題もあったのだろうか、ステージでこそ映える歌だからという考えがあったのだろうか、高による正式なレコード吹き込みが行われることはとうとう無かった。
僅かに昭和51年発売の歌手生活30周年記念盤「高英男・歌のアラカルト」(SKD-398~9)と、昭和54年発売の自主制作版のライブアルバム「高英男リサイタル'79 NO.2」(MAS-983~4)に収められたのみである。

前者は帝国劇場、後者は博品館劇場でのリサイタルの模様を収められている。
また前者はモノラル、参考資料用に録音したとおぼしきライブ音源である。
後者もまた、ステレオでの録音ではあるものの自主制作だからか、一般的なライブ録音のレコードと比べると音質は落ちるものである。

CD化はまだ成されていない。

高英男は「世界の名曲にもひけを取らない名曲中の名曲」「こうして今、私ひとりだけが歌っておりますが、ほかの人も歌えばいいのになあ、と思っております」と、ライブで発言している。

高の想いは空しく、「落葉の巷」をカバーして歌っているという人の話は、私は殆ど聴かない。
服部良一の孫である服部吉次が、2006年に、祖父・良一の作品を収めた自主制作のミニアルバム「ハット」で歌っている・・・というのが私が唯一知っている話だ。未聴なのだが・・・。

シャンソンとして歌うには日本的過ぎるということなのだろうか。

それとも、独自の演劇性、仕草、目のはこび、衣装・・・あらゆる面で磨き抜かれた、高英男のステージングを
知るものには、とても手出しが出来ないと思っているからなのか。

ただ、聴くこと(観ること)が難しくなり、知るものが減ったからなのか。
高英男自体が、きちんと評価されていないからなのか。

私には、全盛期の高を知るものにとっては2番目の説、そうじゃない人には3・4番の説なのだろうと思う。

まずは一日も早く、高英男が歌う「落葉の巷(三人のスリの唄)」のCD化を望みたい。

・・・いや、この歌は、歌っている姿を知っているか否かで、かなり印象が違ってくる。
否の場合で、音だけでめぐり逢って、気にいるかどうか・・・私には自信が持てない。

さいわいNHKには、歌番組『ビッグショー』の高のワンマン出演回・ゲスト出演回で、それぞれ
洋装姿・着物姿でこの歌を唄った映像が残っている。
既にCSやBSで再放送は実現しているし、youtubeにも一時映像が有った。
叶うならば、その映像を、ぜひソフト化して頂きたい。
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by hakodate-no-sito | 2012-05-22 02:30 | 歌・唄・うた | Comments(2)
Commented at 2013-01-20 05:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hakodate-no-sito at 2013-03-22 18:07
清水さま
こちらにまで情報頂戴して、恐れ入ります。