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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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ダークダックス「花詩集」

我が家にあるダークダックスのオリジナル・アルバムのひとつに「花詩集」がある。
これも愛着のあるアルバムだ。

ダークダックス「花詩集」_e0134486_17145680.jpg


1984年にポリドールレコードから発売されたもので、ダークにとってはこれがポリドール時代実質上最後の作品となった。

題名通り、花にまつわる歌を12曲集めたもので、作品の作詞担当は藤公之介が多い。「絆」以降コンビを組んでいることから、ダークのお気に入りだったのだろうか。放送作家でもあったらしいから、当時ダークのラジオ番組も担当していたのかもしれない。
(ラジオは調べる術がよくわからない。私の課題のひとつだ)

編曲の大半は服部克久が手がけている(作曲家としても1曲作品提供。なお、2曲のみ白石哲也の編曲)。
服部克久はダーク第5のメンバーと紹介されることもあるほど、メンバーとは親しい関係にあり、ダークのソ連公演へも同行したことがあるなど、ダークにとって欠くことの出来ないブレーンのひとりにあたる。

服部アレンジの効果だろうか、全体的に洋画、欧州映画のような雰囲気が全体的に漂っている。このアルバムのダークの歌はリズム感や躍動感の面でやや物足りなさを感じるが、ダークの持ち味であるスマートさと美しいハーモニーは十二分に発揮されている。

「Red Roses for a Blue Lady」や「七つの水仙(Seven Daffodils)」の洋楽、韓国演歌「鳳仙花」、さだまさしの「秋桜」・・・と、センスの良さと時代に応じた革新的な面もしっかり持ち合わせていたことが伺える。韓国演歌もダークが歌うとロシア民謡のような哀感と格調高さがにじみ出てくる。

「Red Roses for a Blue Lady」は、パクさんがリードボーカルを取りつつ、コーラスアレンジの他に、コーラス部分の一部英語詩を自ら追加する活躍を見せている。
アルバムでは他に「七つの水仙」のコーラスアレンジもパクさんが担当。

近年再評価の兆しがある平岡精二作品で、1960年代に書かれた「くちなしの花」も十数年ぶりにリメイク。ダークの歌声と共に、平岡の歌声が聞えてくるようだ。コーラスアレンジ担当でゾウさんがクレジットされている。ゾウさん好みの作品なのだろうか。

「ライラックの丘」は、慶応の後輩でもある小林亜星が提供。3人ダークとなって以降も作品を提供している。
カントリー風の叙情的な良い作品で、この手の曲ならばマンガさんのリードボーカルかと思いきや、パクさんのリード。おかげで美しいメロディが際立つ一方で、大衆性という点でやや弱いように思う。

小粋なワルツ「ポインセチアとロゼ・ワイン」でも、キーからマンガさんの歌声を想定していたら、パクさんがリードボーカルを担当。
ボサノバ風リゾートポップスの「蘭の花の少女」といい、このアルバムで洒落た歌は、パクさんが前面に出ている。このあたりはパクさんの嗜好なのだろうか。

マンガさんは、表題曲の「花詩集」や「七つの水仙」「五月に別れのプラタナス」で(この歌は「花詩集」とともにシングルカットされた)でリードボーカル。
マンガさんの声は、グッと表に出てくる感じがある、売れ線的な歌謡曲がこなせる、掴みのある声。ダークがヒット曲を出せたのはマンガさんの声の魅力も大きいのだろう。
マンガさんが凄いのは、そういうメインの担当ばかりではなく、サブに回ってサポートをするときも光っていて、時にはそれこそ本領ではないかと思うこともある。
「花のメルヘン」、歌い出しでのマンガさんのソロに絡むパクさんのスキャット、サビでパクさんがグッと前に出てのハーモニー。まさにダークの真骨頂のひとつではないだろうか。

シングルカットされた2曲は、春の季節にぴったりな歌。「花詩集」はロマンティズムにあふれ、「五月に別れのプラタナス」は春の終わりのメロウな雰囲気が良く出ている。
シングル盤を持っていることや、「絆」目当てで買ったベスト盤CDにも収録されていたこともあって、この2曲には愛着がある。知られていないのが勿体無い。ダークのオリジナル・シングル曲は、なかなか良い歌がある。
「サンデー・ダークダックス」で若いアーティストとの接触があり、また出演アーティストの持ち歌をカバーするということが、ダークにとって大いにプラスになっていたのだろうと推察している。

「紫陽花の駅」ではゲタさんが、「木瓜のくりごと」ではゾウさんが、それぞれリードボーカル。
ゲタさんは美声だが、多分に一本調子のきらいがある。そのぶっきらぼうさが味でもある。

「木瓜のくりごと」は、服部克久が作曲も担当。
題名通り、木瓜の花の繰り言、愚痴だ。
バラと同じ先祖だが、木瓜は寝ぼけ、ピンボケ、夏ボケ、トボケ、ボケッとするな、ボケナスめ、と使われる。呼ぶならせめて「バラモドキ」と呼んで欲しい、というコミカルな曲で、ゾウさんのキャラクターが発揮されている。一度聴いたら忘れられない曲だ。

ダークダックスが好きな人ぐらいしか、おそらく聴かれることのないアルバムだろうが、なかなか良い歌が詰まっている。
アルバムごとのCD化は望めないだろうが、「蘭の花の少女」ぐらいは、どこかで見出されて欲しい。

本来ダークダックスぐらいの大物ならば、大々的にアルバム復刻大型企画があるのが普通であって欲しいのだが・・・。ダークが何十年に渡ってオリジナル・アルバムの製作に力を入れていたこと自体、あまり知る人がいないのが淋しい。

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ダークダックス「花詩集」(KA-8406 ポリドール 1984年)
A-1:ブルー・レディに紅いバラ(Sid Tepper, 高見沢宏-Roy C. Bennett-服部克久,高見沢宏)
A-2:鳳仙花(金亨俊, 日本詩:藤公之介-洪蘭坡-服部克久)
A-3:秋桜(さだまさし-さだまさし-服部克久)
A-4:くちなしの花(平岡精二-平岡精二-服部克久,コーラスアレンジ:遠山一)
A-5:ポインセチアとロゼ・ワイン(藤公之介-いまなりあきよし-服部克久)
A-6:花詩集(藤公之介-山口順一郎-白石哲也)
B-1:七つの水仙(藤公之介-服部克久,コーラスアレンジ:高見沢宏)
B-2:ライラックの丘(藤公之介-小林亜星-服部克久)
B-3:紫陽花の駅(藤公之介-佐瀬寿一-白石哲也)
B-4:木瓜のくりごと(藤公之介-服部克久-服部克久)
B-5:蘭の花の少女(松代達生-いまなりあきよし-服部克久)
B-6:五月に別れのプラタナス(藤公之介-いまなりあきよし-服部克久)
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by hakodate-no-sito | 2013-05-07 17:23 | 歌・唄・うた