年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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ディロンに見た池内淳子のうまさ

最近ですね、「ディロン~運命の犬」ってドラマを観ております。
何年か前のドラマなんですが、先月の末からNHKのBSプレミアムで再放送されていましてね。

私、動物ものと闘病もの、あと子役が全面に出て来るものって、あんまり好きじゃないんです。
批判出来ないような空気があって。で、ドラマとしては非常に作りやすい。あざとい、といいますかいやらしいといいますかね。勿論、よく出来たものもあるんですが。

「ディロン」はどうなの、というと、まぁまぁ、というところでしょうかね。
そのぐらいで何で毎週観ているのかというと、池内淳子が出ているからなんですよ。
「女と味噌汁」を偏愛し過ぎて、それ以外の池内淳子について感心するってことは、あまりなかったんですが、この「ディロン」の池内淳子は良い。

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動物問題と、嫁姑等の家族問題がドラマの二大テーマなんですが、性善説に基づいたような、「いいひと」な人物ばかり出て来る(それを体現しているのが主人公夫婦)、ゆるやかな進行のなかで、ひとりドラマの世界観に添いながら、現実的な人物像を作り出しているんです。

池内淳子の役どころは、主人公(演:樋口可南子)の姑。元教師で、しっかりとした性格。ひとり息子(演:大杉漣)の妻とは、距離感を置くことで波風を立てないようにしている。でも老境に差し掛かって、ひとり暮らしの淋しさ、不便さを感じているし、それでいて嫁や息子には遠慮もあるし見栄もある体裁もある、うまく甘えることが出来ない。
あの、親族だからこそのもどかしい距離感。

一見、そつなく人付き合いをしているのだけど、打ち解けて近しい関係を築くまでの友人知人はいない(であろう)って、実にうまい。ちょっと身につまされるところもあって。
池内淳子って、日々の生活にある謙譲の美学を演じさせたら、天下一品のようなところがある女優で、地でもそういうところがあったようですが、それがこのドラマではよく生きている。

後年の池内淳子は、今のようなテレビドラマにはそぐわないように思っていたので、節穴だったなぁ、と己の見識の無さを恥じながら、池内淳子パートを毎週楽しみにしているんです。

もっとも今度の日曜で「ディロン」最終回なので池内さんとも、これで一旦またお別れなんですが。黒柳徹子が「老人ホームを一緒に入る約束をしていた」「アタシ幼稚園一緒だった(注:二人のトモエ学園の在籍期間は被っていません)」と、折に触れて話していますし、また何かのドラマや映画の再放送でお見かけする機会もあるでしょう。思い出すことはまだまだあるはず。どうか名演に出逢えますように。

そうそう、もうじき池内淳子の命日になります。祥月命日、9月は26日。亡くなってもう3年になるんですよね。

2010年秋。あのときは、谷啓さんが階段で足をすべらせて(9月11日)・・・次いで小林桂樹さんが逝って(9月16日)、池内さんが亡くなって、池部の良サマ(10月8日)も…と立て続けに昭和芸能史に残る面々が世を去ったんです。

3年というと、中学または高校を入学から卒業出来る期間。
とすれば、結構長い。でも、ある程度の年齢になるとアッという間でもあるんですよね。

随分遠い人たちになってしまったと思う反面、テレビや本、雑誌等で思いがけず見かける機会が相変わらずあって、何となくまだ生きているような感覚もあります。

歳を重ねると、こういう「半分生きている人」「少し生きている人」の割合がどんどん増えて行くんでしょうねぇ。生きているけど疎遠または没交渉になっている人との違いなんて、有って無いようなもの。関係がこじれて絶対逢えない人になったような人よりはよほど近しい。

私の場合、今まで好きになる人たちは「既に逝った人」が多くて、そこから触れていったので、あまり「看送る」ことって多くなかったんですが、気が付くと、随分看送っている…!

いずれ達観し切ってしまうんでしょうね。そういう面も、確かにあります。
でも、まだし切るまでには至っていない。
それまではね、せいぜい抵抗してやろうと。
時にはちょっと涙ぐみつつ、故人を思い返したいですね。
特に、楽しい思い出をくれた方々に対しては。
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by hakodate-no-sito | 2013-09-18 13:16 | 古今俳優ばなし | Comments(0)