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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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ディック・ミネについて、ちょっとだけ書いてみる

ここ最近のヘビーローテーションなアルバムです。
スター★デラックス ディック・ミネ

ディック・ミネについて、ちょっとだけ書いてみる_e0134486_1723653.jpg


廉価なベスト盤だろうと侮ってしまうと大損です。

モノラル時代の音源でのベスト盤です。
モノラル音源で構成された1枚もののベスト盤って以外と少ないんですよね、ディック・ミネ。
1枚ものだと、昭和40年代に入ってからのステレオでの再録音で構成されたものになってしまいがち。

知っている歌、メジャーどころをさらってみたい、ざっと聴いてみたいという人には、2枚組は結構ハードルが高い。値段も含めて。

そういう意味でも、最初の1枚にしやすい、入門編にしやすいアルバムが出たなあ、と。

さらに、これまでの復刻盤CDと比べると歴然とした差があります。
ほとんどの収録曲で、新たにSP盤から音を取り込んだことによって、大幅に音質改善が図られていて、生き生きとした音を楽しめること。

初CD化音源も数曲盛り込まれています。
ディック・ミネのCDを既に他に持っている人にも、アピールポイントがあるのは嬉しいかぎり。

・・・と、まあ、推薦的長所を書き連ねたところで、私の視聴感想をいくつか。

収録曲全20曲のうち、まずピンと琴線を刺激したのが「東京スーベニア」。
戦後間もない昭和21年、テイチクの戦後初の新譜のうちの1曲。
ディックとは名コンビである、大久保徳二郎の作曲による甘く美しいタンゴ。
♪ああ シグナルの 青い光にぬれながら
ディック・ミネの艶のある歌声がたまらないのです。
なお、この曲は大幅な音質改善の対象外。残念

続いて「夜霧のブルース」
これは言わずと知れたディック・ミネの戦後を代表するヒット曲。
松竹映画「地獄の顔」の主題歌で昭和22年の発売。
特に1番なのですが、随分と切々と歌っています。
後年の歌唱は、低音を効かせて、クールに歌っていた印象があるので、歌唱の変遷にハッとしました。

世代交代の波で、昭和30年代に入るとさすがのディック・ミネもヒットが出なくなっていくようですが、今回CDに収められた「ガード下の酒場」「枯葉の中の男」あたりはヒットしてもおかしくないクオリティを持っています。
ミネの歌唱も、三船浩やフランク永井らの低音ブームの歌い手と並べても、まったく遜色ありません。
次々に綺羅星のごとく現れる新時代のスターのまえに、戦前以来旧派の人とひとくくりにされてしまったのでしょうか。時代の流れとはいえ、本当に勿体無いことです。こういう陽の当らぬ時代の作品を発掘して収めたという点でも、このCDの価値・意義は大いにあります。

あまり顧みられる機会がないディック・ミネの戦後の歌というものを、もっとじっくり聴いて、いろいろ考えてみたいものです。

よくディック・ミネの歌唱は戦前と戦後で全然違うといいますが、このCDを聴いていると、もう少し区分けして考える必要があるのではないかという思いが頭をもたげます。
昭和15年発売の「南風の窓」では、既に後年のディック・ミネの歌唱の片鱗が見られますしね。

ディック・ミネの再評価・研究・復刻が進んでいくこと、今後も音質改善の成されたCDアルバムが発売されることを願ってやみません。
by hakodate-no-sito | 2012-11-01 17:12 | CD視聴感想