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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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桜新町の女帝

「『サザエさん』のないしょ話」(著・大橋義輝、刊・データハウス)という本を読んだ。

アニメの元スタッフが製作の裏話を書いた1冊。裏方にスポットをあてて書いた本は、(雑誌等の特集はあっても)今までに殆ど無かったと思う。

ただ、掲載されているエピソードは面白いのだが、一部製作スタッフの人名が明らかにならないままだったり、遺族に取材までしているのに祥月命日が書かれていなかったり、データ面では不満が多い。

その不足を補って余りあるのが、サザエさん製作スタッフと、通称"桜新町"こと姉妹社(長谷川町子作品権利管理会社)・社長で作者の実姉・長谷川毬子との軋轢エピソードになる。

サザエさん(=長谷川町子作品)が、日本のディズニーと呼ばれるぐらいに、2次使用権に対し、うるさいことは一般にも、比較的知られていると思う。

本を読んでいると、日本のディズニーと化したのは、長谷川町子その人よりも"桜新町"の手腕によるものが大きいことがわかってくる。

「サザエさん」とは直接関係ないが、朝の連続テレビ小説「マー姉ちゃん」の製作も、許可が下りずにスタッフが"桜新町"詣でに日参し、やっとのことでこぎつけたという話も出て来る。
ドラマの際には、長谷川町子はオープニングで使用する漫画イラストを書き下ろしたという。ラスボスではないのだ。

桜新町の機嫌を損ねると、いかに怖いかというエピソードの最右翼は何といってもアニメの製作会社交代・新設計画だ。さすがにこれは実行されなかったが、昭和の時代に財団法人を設立出来た女性。会社のひとつやふたつ平気で作るぐらい何でもないだろう。半端じゃない策士、ゆすぶり方だ。

あとがきを読んでいると、この本は今年6月に、"桜新町"が亡くなった(亡くなったのはツイッター情報によると今年1月に94歳での逝去らしい)と聞いたことが、この本が出る要因になったらしい。
準備期間の無さが、データ面での不備を招いたのだろう。
この本の作者(=大橋)は5年間、サザエさんのスタッフとして製作に携わったそうなのだが、この5年は"たった"ではなく"されど"のクチのようで、いろいろ溜め込むことの多い日々だったことは容易に推察出来る。

もう少し増補した上で、読んでみたい気がするが、それでもなかなか興味深い1冊だった。

※長谷川町子および毬子に興味をお持ちの方は
●長谷川洋子「サザエさんの東京物語」(晩年絶縁状態にあった町子の実妹による回想)
●長谷川町子「サザエさんうちあけ話」
●長谷川町子「サザエさん旅あるき」
を、「『サザエさん』のないしょ話」と併せて読むことを推薦。色々見えてくるものがあるはず。
by hakodate-no-sito | 2012-08-01 17:28 | つぶやき