年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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お喋りについて、ちょっとだけ考えてみた

私は、ハキハキした喋りが好きだ。
歯切れの良い喋り、立て板に水が流れるように話す人が大好きだ。

全盛期の黒柳徹子は憧れなのだが、この前モノマネをしてみようと実験したところ、息継ぎ無しであれだけの言葉を短時間で打ち込むのは、なかなか困難で結構なスキルがいることを痛感した。

『「徹子の部屋」の時間でございます。今日のお客様は私が大変ご尊敬申し上げている方。「若い季節」というドラマで競演して以来かあさんとお呼びしていて、この「徹子の部屋」へも毎年のようにお越し頂いて、今回で14回目のご出演になります。エッセイストとしても「私の浅草」「私の台所」「私の茶の間」と数多くのベストセラーをお持ちの、女優の沢村貞子さん、今日のお客様です。まあ、どうもしばらくでございました。かあさんも、ホントお元気そうで・・・』

これを18秒から20秒ぐらいのスピードで、明瞭かつ一息で、噛まずに読んでみて欲しい。
読めた人は徹子になれます。

だが、私はボソボソとした喋りがキライかというとそうでもない。
八代目三笑亭可楽という噺家(落語家)のボソボソとした喋りは大好きだ。
半魂香という落語での「ちょいと、アタシは隣りのおさきだけどね」というフレーズがなぜか好きだ。
別に面白くも何ともないはずのだが、あの舌足らずの早口で再生すると何ともクセになる。

こんな何でもない言葉の文句を面白がるクセが、自分にはある。
そして、クセになると、ご丁寧にモノマネ付きで覚えたくなる。
最近は瀬戸内寂聴の『アタシ、不良が好き♡』という言葉と、富司純子(伊藤蘭ではダメなのだ)の『お肌は、まだ、間に合う・・・サントリー、エファージュ』というキャッチコピーである。

話は戻るが、往年の女優に一の宮あつ子という女優がいる。
彼女と可楽が落語で演じる下町女の喋り方が実によく似ているのだ。
もっとも、一の宮の口跡は可楽よりは随分と明瞭である。

確か東宝劇団の1期生で、昭和20-30年代の映画に脇役でぼつぼつ見かけたことがある。
本領は舞台女優だが、さすがにそれは知らない。
私にとって、一の宮あつ子はテレビドラマ「女と味噌汁」。
彼女演じる、主人に先立たれ子供との折り合いが悪く、帰り新参となった年増芸者"金とき"と、金ときとは芸者時代三羽ガラスの仲だった芸者屋のおかみ"おすが"の遣り取りがとにかく楽しかった。

山岡久乃演じるおすがさんの無駄遣いに目を光らせ、御小言をいう金とき。
『ちょいと、おすがさ~ん』『金ときちゃ~ん』
この二人に限らず、「女と味噌汁」は東京ことばの小気味いい言葉の応酬をよく耳にすることが出来た。
原作・脚本の平岩弓枝、プロデューサーの石井ふく子、主演の池内淳子、メイン出演者の山岡久乃、一の宮あつ子と多くが東京出身というのが大きかったのだろう。

私の話し方の中には、そういう憧れの人からの影響は・・・あるのかないのか自分ではわからない。
だが、東京ことばへの憧れは今なお強い。
おかげで落語家口調と、ずっと言われている。当時落語を全く聴いていないのにも関わらず。
別に噺家的な言い回しは取り入れていないはずだし、影響を受けるほど落語は聞いていないはずなのだけど。それに、今の落語家さんでも「女と味噌汁」の山岡・一の宮のような聞いているだけでワクワクするような口吻の持ち主なんて今のところ知らない。

私が新派に肩入れしたくなる理由のひとつは、そういう死語に近い言葉を生きた言葉として伝えることが出来る人たちがまだ少し残っているから、でもある。
でも、正直に言って、それもカウントダウンが始まっている気がしないでもない。

いずれにしても、ネイティブ東京弁というのは、早晩アーカイブでのみ見出すことのできるものになってしまいそうだ。無念でならない。
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by hakodate-no-sito | 2013-12-17 20:33 | つぶやき | Comments(0)