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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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朝ドラ見聞録(3)「おんなは度胸」と橋田ドラマ

3本目は「おんなは度胸」。
橋田壽賀子脚本、主演泉ピン子。平成4年放送の作品。
「渡る世間は鬼ばかり」臭が立ち込めていることは言うまでもない。

橋田壽賀子ドラマというのは、型というのか一種のマンネリズムを持って、それをカタルシスにさせるところがある。基本的には同じことしか言っていない。橋田様式美。ただ、美というには下世話だなのだが。

劇中の、藤岡琢也、藤山直美に園佳也子の掛け合いと、「渡鬼」での赤木春恵、沢田雅美(東てる美でも可)、角野卓造のやり取りは、方言(「おんなは度胸」は関西弁)と商売(「おんなは~」は旅館業)を替えるだけで基本的に同じだ。

じゃあ、誰がやっても同じではないかというとそれは違う。
マンネリズムを快感に持って行くには、演じ手にある程度の腕が必要。
腕のない人がやると、橋田様式が操り切れず、演じ手の未熟さと様式の不自然さが浮かび上がり、失笑を買うばかりになってしまう。

その点、藤岡琢也、藤山直美、園佳也子の三者は良い。

もっとも橋田ドラマの男性はあまり重みがない。
おろおろ振り回される中高年か、やたらに物分かりの良い若者か、一見強気だがいざとなると弱いか。
藤岡の役どころは最初のそれ。「岡倉のお父さん」とさして変わらない。その点で安心して見られる。

ドラマの悪役にあたる、藤山、園。
これでもかと、勝手放題に言い放つ。
ここでこう出て来るだろうという御約束通りに動き、予想の動きをさらに膨らませてゆく。
役の好評ぶりが、脚本にも還元されていたのではないだろうか。

「おとうちゃーん、本館と新館、どっちが大事なの。本館あってこその新館やないの」
「旦さん、とうさんの仰る通りだっせ」

悪役が魅力的じゃないとドラマは面白くならない。
藤山、園。
園は脇の人と思う人も多いが、二人とも舞台で主役を演じた人である。手腕という点では申し分ない。
ドラマの肝は、この二人にあったことは間違いなさそうである。
二人が主役といっても良いし、いま放送されたら、ツイッターあたりで大盛り上がりになるに違いないし、スピンオフ・ドラマが出来ていたかもしれない。

今日、藤山直美は押しも押されぬ商業演劇の雄であり、大物と目される女優のひとりだが、一方で園佳也子は忘れられつつある。後年は母親の介護に追われ、仕事を抑えざるを得なくなったり、晩年の数年は膝を痛めるなどして仕事から離れていたこともあるのだろう。
ただ、私にとっては「ありがとう」の熊取乙美役を見て以来、忘れられない女優だ。
今回「おんなは度胸」を見て、さらにその名が胸に刻み込まれている。

------------

なお泉ピン子だが、科白を噛んだり滑舌に怪しいところが度々見られる。
この現象は近年起きたものではなく、昔からだったらしい。

橋田壽賀子ドラマの本質は喜劇と看破したのは鴨下信一だったと思う。
喜劇とは切っても切れないサラブレッド藤山直美。
花登筺とも縁があり浪花千栄子を崇めていたという園佳也子。
この両名が悪役としてキャスティングされた時点で成功は約束されたものだったのだろう。
by hakodate-no-sito | 2014-04-29 14:48 | テレビ