年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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わたしのデュークエイセス

「デュークエイセス CM WORKS」を聴いて、ようやくデュークエイセスへの感情が整理出来つつある。

セカンドテナー吉田一彦がデュークから去ったこと、現体制の歌声がしっくりこないことなどから、私のデュークエイセスに対する感覚は「卒業」状態である。

前者に対しては感情的に肯定し兼ねている。
吉田氏が病気で倒れたのは、先代トップテナー飯野知彦が病魔に襲われた頃だそう。
本人の強い意志で克服し、短期間で復帰したので、このころの病を知る人はそう多くないと思う。
ただ、リアルタイムで見ていて、やつれた吉田氏の姿にあきらかに何かあったのは明白だったし、その後しばらくの間、歌声に不安があった。
その後、調子は取り戻してはいる。

昨年、ふたたび病に倒れた吉田氏。本来ならば絶対安静の容態の中、デュークの仕事を強行したのだそうだ。食事も水分も摂取できないような状態でステージに立ったこと自体が奇跡、その出来不出来など問えるレベルではなかったそうだ。
そのような状態でも入っていた仕事を必死に行い、スケジュールがひと段落したところで、吉田氏は療養生活に入った。
デュークの60周年に間に合わせる、という強い意志のもと、医師からも復帰してもかまわないというお墨付きを得て、さあデュークでまた歌おう・・・と思っていても、事務所側の反応がおかしい。
スケジュールを確認してそろそろ連絡が来てもおかしくないはずなのに、よく見ると自分が出る心づもりであった仕事は代役が立てられている。
自分が出るはず、復帰のつもりだったステージは客席から見ることになって、舞台上から自分が病気で休養すると発表された。それでも最初はそれを受け入れ、いずれは復帰しデュークとして60年、65年歌うことを見据えて療養を続けようと考えていたものの、それがいつかの見込みが一向につかない。それどころか扱いすら・・・もう外堀はすっかり埋められ、もう椅子は残されていなかった。
60年近くあった居場所を失い、結局デュークから退くより選択肢が無くなってしまった。

以上が吉田氏引退の流れだ。
最もこれは吉田氏に近いサイドからの見方である。

デューク側からすると、数年来、吉田氏の体調不安はデュークにとって懸念材料であり、60周年を前に再び体調を崩した事態を重く見て、60周年で全国ツアー等大々的な展開を予定している中で、万一穴をあけるようなことがあってはならない、と吉田氏デューク引退への流れを作っていったのだと思う。
病の影響で、コーラスが今までのようにいかなくなってしまったと、谷リーダーは「徹子の部屋」で話している。そのことこそ、いちばん大きい理由なのだろう。
(ただ、傍目には疑念に思わなくもない。が、この問題は繊細なことゆえ、何とも言えない)

ただ、飯野氏の交代のときもそうだが、この決断は、どうも強引のように、非情のように感じてしまう。
だからこそ、60年歌ってくることができたともいえるし、これぞプロフェッショナルとしての矜持やクオリティを守るため保つことへの執念の賜物なのだろう。それでこそデュークエイセスともいえる。前を向いて進むための、大きな決断なのだろう。

ならば、現体制のデュークエイセスを応援していきたいかというと、私はそう言えずにいる。
谷・槇野のオリジナルメンバーと、大須賀・岩田の後発メンバーとの差が激しく、気持ちよく聴けないのだ。40代、アラカンのふたりと、八十路ふたりでは、節制がどうというレベルではなく、バランスが悪い。吉田氏の引退のことで感情的になっているとはいえ、それはそれとしてあまりにも違和感がある。

あまりにもレベルが高すぎた谷口氏、谷口氏の影に苦しみながら懸命に自分の色も少しづつ出しまろやかなデュークサウンドを模索した飯野氏の時代と比べてしまうと、なおさらに。
同じ面々が徐々に風雪にもまれて、色あせていくならばまだ見方もあるが、ハーフエイセスとなってしまっては、どう見て取ったらいいのか、私にはわからないでいる。

譜面を引き継いで、いっそ総入れ替えで新デュークエイセスをという考えは賛成できない。
デュークサウンドは、谷口(飯野、小保方、和田)・吉田・谷・槇野があってこそ、生まれたものだし、譜面上同じものをやったところで、世代的な音楽のノリもあるだろうし、往年のメンバーとの対比もあるだろうし、広い裾野で支持を受けられるとは思えない。
新たなコーラスグループがデュークに挑戦するという試みとしてならば面白いだろうが、デュークエイセスという看板を背負って歌うには、その荷は重すぎるのではないか。

いろいろ書いてきたが、デュークを「卒業」とはいっても、OBとしての意識はあるので、終焉(谷・槇野両名が去るまで)は見届けるつもりではいる。
素晴らしい歌が聴けたら、もしかしたら「復学」する可能性だってある。ただ、現状ではない。

なお吉田氏は、デュークからは引退した(させられた)もののソロ歌手として歌う道を現在模索している。
「徹子の部屋」等のメディアを見ていると誤解を受けるおそれがあるが、吉田氏は歌が唄えなくなったわけではない。
既に今夏、小さいイベントで歌い、喝采を浴びたそうだ。
ふたたび吉田氏の歌声が聴ける日を待ちたい。「女ひとり」は、デュークエイセスの歌であるが、吉田一彦の歌でもあるのだから。
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by hakodate-no-sito | 2015-09-07 11:17 | つぶやき | Comments(6)
Commented by まさ at 2015-09-08 21:50 x
吉田さんご本人、ご家族、そしてデューク・エイセスというグループを守る谷リーダー それぞれ言い分があると思いますが、60年近く苦楽を共にした仲間の最後にしてはあまりに無慈悲。「もし自分が同じような」と思わないのか理解できませんでした。新興の自己中のロックバンドじゃあるまいし吉田さんのデューク新年会のソロの熱唱、本当に悲しく思いました。デュークに新メンバー加え続けるは無いと思います。
大須賀さん 岩田さんがデュークと心中するとは思えませんし谷リーダーの代で終わらせるでしょう。飯野さんもそれ以前から病状を隠しながら仕事を続けていたと思うと心が張り裂けそうになります。ダークダックスが生命保険のCMソングでもあった「絆」を発表していた頃に両親が新潟県民会館で行われたダークのコンサートで会場のお客さんとゲームをした際に当たって頂いた「絆」のシングルが見つかりました。直筆人のサインもきっとどこかにあると思います。「絆」ダークにはありましたね。デュークと同じ年にデビューした「ハナ肇とクレイジー・キャッツ」ピアノの石橋エータローさんが病気療養時に加入した桜井センリさん、石橋さん復帰後メンバーは皆桜井さんは首になると思ってぃましたが、リーダーのハナさんは「二人でピアノ弾けば良いじゃない」と言い、植木さん他メンバーはハナリーダーの度量の深さに涙したそうです。
Commented by てんてこ舞い at 2015-09-09 13:47 x
函館のシト さま

こんにちは、てんてこ舞いです。ご無沙汰しています。僕のブログのリンクの手直しをしながら、この文章に気が付きました。皆様のそれぞれの主張は貴重です。皆がデュークのことを心配しておられますし、僕の言う「譜面の引き継ぎ」に対する異論も嬉しいです。函館のシトさんは表裏側面から述べられておられます。感情的に相手を誹謗しない限り、全ては正しいと考えています。実は、あのゴタゴタのあと、谷リーダーと電話でお話しをしましたが、心を痛めておられました。内容は個人情報を含みますのでブログには書けません。話は変わりますが、僕には一つだけ皆様とスタンスの違いがありまして、それは、カルテットというコーラスが全てで、音楽的にソロ活動には興味がありません、ごめんなさい。ということで今回、飯野さんの小説のリンク確認と、読み直しをさせて頂きました。では、これからも宜しくお願いいたします。
てんてこ舞い

まさ さま

こんにちは、てんてこ舞いです。ご無沙汰しています。CD 「CM WORKS」 の確認など、ブログで頑張っておられるご様子に安心致しました。では、これからも宜しくお願いいたします。
てんてこ舞い
Commented by hakodate-no-sito at 2015-09-10 19:40
まささま
感情としては「お歳のことを考えたらあと数年。何とかやっていったらいいじゃないか」という思い、私にもあります。
ただ、それだと私が支持してきたデュークエイセス(のプロフェッショナルとしての姿勢)では無くなっちゃうということに気付きました。
残念ながら、今のデュークは私の琴線に触れるような歌では・・・哀しいです。

吉田さんには再起して頂きたいです。デューク更迭のショックは私の想像を超えるものだと思いますが、身体の調子も万全とまでは言えないでしょうが、でも、だからこそそれを乗り越えて良い歌を聴かせて頂けたら・・・と願っています。
Commented by hakodate-no-sito at 2015-09-10 20:04
てんてこ舞いさま
御無沙汰をしております。ブログはちょこちょこ覗かせて頂いています。

>実は、あのゴタゴタのあと、谷リーダーと電話でお話しをしましたが、心を痛めておられました。
>内容は個人情報を含みますのでブログには書けません。

そうでしたか・・・。
吉田さんにしろ、谷リーダーにしろ、デュークの方々は弁の立つ人ではないように見受けられます。
それが、今回の騒動を余計に大きくしてしまったようにも・・・。
本当は表に、口に出した方が良いことも、話されていないのではないでしょうか。

>話は変わりますが、僕には一つだけ皆様とスタンスの違いがありまして、それは、カルテットというコーラスが全てで、音楽的にソロ活動には興味がありません、ごめんなさい。

それは個人のスタンス、嗜好なので一向に構わないと私は思います。
ダメなものはダメ、興味が持てないものは持てない。音楽って、義理で聴くものではないでしょうし、無理に合わせる必要はないですよね。
Commented by あらさん at 2017-05-26 01:56 x
函館のシト さま

数年前に貴ブログ拝見して以来、気になっていました。
大きな決断が発表されましたね。残念でもありますが、ほっと胸をなでおろしてもいます。
Commented by hakodate-no-sito at 2017-06-01 21:52
あらさん さま
コメントありがとうございます。
大きな決断・・・驚きました。
でも、吉田さんの件といい、こうして決断を下されたのは、「選りすぐられた公爵たち」ならではの矜持。今回の決断も、さすがだと感服している次第です。

ほっとされたお気持ち・・・私にもありますね。

谷口・吉田・谷・槇野。
飯野・吉田・谷・槇野。

私にとってのデューク・エイセスは彼ら。
NHKの番組で、癌で痩せた飯野さんが病を押して、歌っている姿を見たとき、本当は自分の中で何かが終わってしまっていたのかもしれません。