年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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高英男を聴くには

高英男さんの訃報を知って、高さんの歌声を聴いてみようと思う人は少なからずいたと思います。
哀しいかな、高さんの音源はあまり復刻されておらず、爆発的人気を誇った昭和20年代後半から30年代半ばあたりの音源を聴くのは一部楽曲を除き、大変難しい状態になっています。
また、100曲コンサートなんて企画を立てても余裕でこなせるほど数多くの持ち歌がある方ですが、レコードにすらなっていないもののこれまた数多く…。

無い無いずくし、なのですが、そう言い立てるだけなのは虚しいだけ、キ印ファンの遠吠え程度にしかとらえて頂けないかも…。

そんな訳で一般向けに高さんの歌声をたっぷり聴けるCDアルバムを紹介。

それいゆ~愛しのシャンソン名曲集(KICS-1452 2500円 キングレコード)
中原淳一没後25年記念企画。中原訳詩のシャンソンをまとめたコンピ盤。
なんと19曲中15曲が高さん歌唱のシャンソン。
音源の選択基準が今ひとつ判りませんが、人気絶頂だったころの高さんの歌声が多く収録されています。
初CD化の音源も多数収録。
高さんの歌声/初回吹き込みの音源で全曲選曲していれば・・・とちょっとそのあたりが残念。
「聞かせてよ愛の言葉を(高さんの場合タイトルが「聞かせてよ君が甘き言葉」)」
「セ・シ・ボン」
は極めつけの名唱なだけに、他の歌い手の音源採択が疑問。
ともあれ、今あるCDでは一番高さんを聴くのに適しているかも知れません。


決定版 高英男(KICX-3569 3000円 キングレコード)
タイトルに偽りありなので注意(笑)
とは言ったものの、高さん単体のアルバムで現在入手可能なのはこの1枚だけという…。
収録されている楽曲では「セ・シボン」「バラ色の人生」が出色の出来。
一応押さえてはおいた方が良い1枚。
2003年発売の全曲集(KICX-2938)と同内容。

高英男 全曲集(KICX-2125 3000円 キングレコード)
同じようなタイトルと選曲なのですが、こちらはライブ音源中心の構成。
ただ裏表1枚の歌詞カードだけで、ライブ録音のデータが一切なし。
「枯葉」「ロマンス」「愛の讃歌」に関しては昭和51年・帝国劇場でのリサイタル音源。
高さんのステージングの魅力が伝わってくる分、上の全曲集よりも良し。
ジャケットがなかなかインパクトが強いものなので、手に取るのには勇気がいるかも(汗)
99年発売の全曲集(KICX-2562)は同内容ですが、こちらの方が流通量は上かと。
中古市場を探せば、入手は何とか可能かと。

レコード…に関しては謎も多いので一旦これにて筆をm(__)m

あ…「雪の降る街を」。
こちらのオリジナル音源を聴くには
青春歌年鑑<戦後編>(3)昭和26年~28年(1951年~1953年) (VICL-62734/5 2980円 ビクター)
がもっとも入手しやすアルバム(コンピ盤になります。)
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by hakodate-no-sito | 2009-05-20 01:21 | 歌・唄・うた | Comments(0)

想い出だけが通り過ぎて行く・・・

2009年5月4日、高英男さんの訃報が・・・。

私の心境は、題名の通り
「想い出だけが通り過ぎて行く・・・」といったところ。

私が高英男さんの存在を知ったのは2005年の2月。
テレビ番組「昭和歌謡大全集」(テレビ東京)を見ていたとき。

番組中流れた高さんのVTR。
忘れもしない、ラメ入りで街灯のアップリケが付いた着流しにタカラヅカばりのバッチリメイクで「雪の降る街を」を歌う姿。
もう、衝撃でした。

これだ~!
と、琴線にビンビン触れたのです。
熟慮に熟慮を重ね、財布と相談し、それからしばらくした学校帰り、CDショップへ寄り、高さんのCDを購入。
PCに音楽ファイルとして保存し、MDにも落としガンガン聴き続けました。
「青春歌年鑑50年代総集編」に収録されていた、オリジナル盤「雪の降る街を」には涙し、ヘビーローテーション状態でした。
ある日、MDプレーヤーを携帯し、片耳で歌を聴きながら、ひとり冬道を歩いていたとき、ふと気付くと選曲が高さんの「雪の降る町を」。
思わず聴き惚れて、立ち止まり、空を見上げれば粉雪。
♪この哀しみを この哀しみを いつの日かほぐさん
あの思春期特有の胸のうちと、歌の歌詞が「まさに我が意を得たり」という感じで…気がつくと目からホロホロと涙がこぼれていました。
 
私が初めて高さんのナマのステージを見たのは2006年07月08日。
NHKホールで行われた「第44回パリ祭」でのステージ。
今でもありありと目に浮かびます。

ステージまで自力歩行が出来ない状態で、何人かのスタッフ/若手歌手の介助でステージ上に置かれた譜面台の場所まで移動し、譜面台につかまり、高さんのステージが始まりました。歌は「枯葉」。

ピアノの前奏が始まり、本来ならばここで歌に入る部分。
高さんは黙ったまま、様子を見ながらも弾かれ続けるピアノ。
やがて、聞き取れるかどうかの歌声で歌いだす高さん。

歌詞も即興で仕立て上げた、その場だけのもの。
張るところでは見事に張り、ラストは見事に歌い上げ、終わった。
会場は静寂、一転して満場の拍手、絶妙なタイミングで掛かる「高さ~ん」の声。

再びスタッフ/若手歌手が舞台袖から出てきて、高さんを介助し退場。

司会の永六輔が一言。
「高英男さんは89歳。SPの時代からEP・CD、果てはMDの時代の今日まで歌っている。大変素晴らしいことです。あの方は歌っている事で生きている。歌う事で生きている。歌が命を支えている。そんな場に立ち会えたことを僕は大変誇りに思う。ありがとうございます、もう一度高英男さんに拍手をお送り下さい」

私の胸の中にはあの時は正直申し上げて、感動だけではなく、さまざまな想いがよぎっておりました。
でも、否よりも拍手を送りたい気持ちが大幅に勝りました。
「この人のステージはまた見たい」と思ったのです。

それから何度か、ネットでは乏しいシャンソン公演の情報をキャッチし、高さんの出演が判るや否や見に行きました。

ウィキペディアに項目をこさえたり、ブログにも駄文を書き込むなんてこともしました。

役に立っているのかは判りませんが、訃報記事の一部にはウィキからの引用と思しきものもあり、内心ほくそ笑んでいる自分もいたり…。

幸福な事に
2007年には「ビッグショー」の再放送で、円熟した時代の高さんのステージも見ることが出来、我がライブラリーに収めることが叶いました。
その年の晩秋、勇気を出して、舞台袖に行き、直接高英男さんにお会いして握手して頂き、写真を取らせて頂きました。 そのときの写真は一生の宝物です。

最後に高さんを見たのはその年の11月29日。
本当はもっともっとステージを拝見したかったのですが、その後諸般の事情で関東を去ることになり、それが不本意ながらも私にとって最期になってしまったのです。
(あの時ショックと辛さで、お付き合いさせて頂いたファンの方には何も言わずに行ってしまい、連絡を絶ってしまい、結果的に不義理をすることになってしまったのは心苦しい想い出です)

数える程度しか高さんのステージを見ることが出来なかった私、盛りを過ぎた最晩年のステージ・・・。

哀しいかな、老躯を押してのステージは「否」の意見も耳にしました。
私自身、その「否」を真っ向から否定できるかどうかは未だに自信が無いのです。
ただ「心で歌う」、その姿は素晴らしかったと断言できます。
一世を風靡し、多大なる実績を積み、己に出来る最大限の努力を常に行ってきた歌手だからこその染み入る歌、「こころのうた」だったと。

そう、例えるならそれは歌手生活最晩年あたりの淡谷のり子の域でしょうか。

「もう私も数え年90歳になってしまいました、(会場から拍手)ああありがとうございます。ですから、もう恋の歌しか歌いたくないんです」
―といったことをステージで語り、歌った、あの恋の歌。

私にとって、かけがえのない、こころの財産になりました。
年を重ねれば重ねるほど光ってくる、琥珀のような・・・。

高さん、ありがとうございました!
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by hakodate-no-sito | 2009-05-20 00:29 | 歌・唄・うた | Comments(0)