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視聴感想「ゴールデン☆ベスト 小畑実」(Disk2)

「ゴールデン☆ベスト 小畑実」
2011.04.27 / VICL-63735~6 / \3,000(税込)

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本当に良いアルバムである。
声を大にして叫びたい。
歌好きの人にはぜひ聴いてほしい。

小畑実の魅力を余すところなく収めて、それでいて、もう少し追求したくなるような選曲は、絶妙としか言いようがない。そして充実の解説。

声無き声、かもしれないが、精一杯声を出したい。
当ブログの感想・メモで、少しでも興味を持ってくれる人がいたら嬉しい。

Disk2

01 勘太郎月夜唄 (1952年/再録音盤)
02 湯島の白梅(婦系図の歌) (1952年/再録音盤)
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1943

出世作となった大ヒット曲の再録音。
直接原盤へ吹き込む形式からテープ録音へと変わった頃、多くのヒット曲が改めて再録音されている。円熟期・全盛期の再録音なので、昭和40年代以降のやや歳を重ねた音源とは違う、脂にのった歌声を楽しむことが出来るが、あまり復刻には恵まれていないのが現状。
存分に歌い込まれ、人気全盛期ということもあり、安定感すら漂う。
小畑実の魅力を十二分に味わえる、有り難いトラック。

03 アンジェラスの鐘
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1952

昭和27年11月発売のヒット曲。
アンジェラスの鐘というと長崎・浦上天主堂のそれを思い出すが、関連性はあるのだろうか。
当時、修道院入りという選択肢は割合ポピュラーで、また歌や映画、小説などの題材になっていたことを改めて気付かされる。
修道院×歌の代表作は、やはり二葉あき子の「フランチェスカの鐘」だろうか。

04 ああ高原の夢いづこ
作詩:井田誠一 作曲:加藤光男 1953

昭和28年2月発売。
ビクターオーケストラの演奏が、特に前奏部分が素晴らしい。
当時の伴奏者の演奏技術の高さを示している。

05 ナポリの街から
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1953

昭和28年5月発売。片面は「カプリ島の夜」。
流行歌の(良い意味の)軽さに溢れた吉田メロディ。

06 カプリ島の夜
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1953

昭和28年5月発売。「ナポリの街から」は片面。
イタリアの高級保養地・カプリ島の美しい情景を歌った作品。
どうにもイタリアよりはハワイあたりの南国を思い浮かべそうになるが
凝ったアレンジが心地良く、隠れた名作と言っても差し支えないと思う。
おそらく初復刻となる、吉田メロディ。

07 新太郎街道
作詩:吉川静夫 作曲:佐々木俊一 1953

昭和28年4月発売のヒット曲。
股旅モノだが、和のイメージよりも洋楽テイストが濃い1曲。
片面は榎本美佐江の「お俊恋唄」で、こちらも大ヒットとなり、榎本美佐江の
出世作となった。榎本は今夏、待望のベスト盤発売が予定されているという。
期待したい。

08 アカシアの小径
作詩:杉本襄之 作曲:末吉賢次 1953

昭和28年7月発売。
「星影の小径」路線にある作品。
イントロ~小畑が囁くように歌う出だしが秀逸。
この部分だけでも聴く価値があるように思う。

09 花の三度笠
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1953

昭和28年7月発売のヒット曲。
同名映画の主題歌で、いわゆる股旅モノ。
私は小畑は、日本歌謡界のエトランゼと思っている。
勿論、本人の才能や努力があることは言うまでもないが、
エトランゼ的な感覚があったからこそ、日本調・和事のムード溢れる歌も
ソフトに良い部分を小畑一流にピックアップして歌うことが出来たのではないだろうか。

10 東京ブルー・ムーン
作詩:須賀原照夫 作曲:服部良一 1953

昭和28年9月発売。タンゴのリズムに乗せた服部メロディ。
ストリングスの使われ方がとても良く、思わず聴き惚れてしまう。
小畑実×服部良一の作品では「雨のビギン」が秀逸。
このCDへは未収録だが
「東京の屋根の下~僕の音楽人生 1948-1954」(VICL-61066~7)
へ収められている。興味のある人はぜひ聴いて頂きたい。
この2組のアルバムがあれば、小畑実×服部良一作品はひと通り聴くことが叶う。

11 そよ風のビギン
作詩:鈴木譲二 作曲:利根一郎 1954

昭和29年6月発売のヒット曲。
これまで多くのヒットを出してきた小畑実×利根一郎コンビのヒットの最後尾に属する。
1番と2番の間奏にタンゴの名曲「碧空」が挿入されるなど、凝りに凝った編曲も素晴らしい。
今はやや忘れ去られた感があるのが惜しい。

12 長崎の街角で
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1954

昭和29年10月発売。
弾むような曲調が楽しく、まさに流行歌の楽しさが詰まっているように思う。

13 二十の頃
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1954

昭和29年12月発売。
「雨のダンスパーティー」の姉妹編のような1曲。
おそらく初復刻となる吉田メロディ。

14 涙の築地川
作詩:佐伯孝夫 作曲:大村能章 1955

昭和30年1月発売。
消え行く、かつての東京の情緒ある姿と交わされた人の交情が歌われている。
大村能章、小畑実の十八番の日本調流行歌。

15 霧降る高原の駅で
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1955

昭和30年8月発売。イントロ部分が秀逸。
ビクターオーケストラの演奏と編曲が特に良い。
この時期ならではの良さが詰まっているように思う。

16 船乗りシャンソン
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1955

昭和30年10月発売。当時の流行歌でブームだったマドロスもの。
賑やかな編曲・伴奏は聴いていて楽しいが、小畑の歌唱が力みすぎて今ひとつリズムに乗り切れていない。「勘太郎月夜唄」から10余年、さすがの小畑も世代交代の風に押されていたのかとふと考えてしまった。
この年の夏、小畑は結婚。媒酌人は大野伴睦。

17 ただひとりの人
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1955

同名映画の主題歌。
メロドラマの主題歌らしさに包まれた、当時の普通の流行歌を知る手がかりとなるような1曲。

18 残菊物語
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1956

昭和31年2月発売のヒット曲。同名映画の主題歌。
小畑十八番の和事モノなだけあり、さすがの貫禄。
詩も曲も良く、1次キャリアの末期ということで見逃されてしまい兼ねない位置に出された
こういう歌が気軽に聴けるようになったことは本当に嬉しく、有り難い。

19 りんどう日記
作詩:宮川哲夫 作曲:渡久地政信 1957

渡久地政信と小畑は、戦中時代に歌手仲間として苦楽を共にした仲。
ただしタッグを組んだのは小畑の引退もあり、この歌と「こころにユトリが湧いて来た(昭和32年)」に復帰後の
「湯の町しぐれ/流し唄」「星のない渚/はまゆうの道」「青いたそがれ(昭和52年、誰か夢なきB面)」・・・と多くない。
このアルバムでは2曲を聴くことが出来る。
おそらく、初復刻。

20 星のない渚
作詩:西条直樹 作曲:渡久地政信 1977

作詩の西条直樹は、現・山野楽器会長の山野政光のペンネーム。
歌手活動の行き詰まりと家族と共に過ごす時間を増やしたいという想いなどから
一度は歌の世界から引退し、実業家の道を歩き始めた小畑実だが、アメリカ在住中も教会の合唱隊に加わって歌うなど歌への愛着は持ち続けていた様子。昭和40年代に起こった懐メロブームの頃から徐々に乞われて、歌手業を再開。昭和44年「勘太郎いつ帰る」という新譜も発表し、往年の懐メロだけではなく現役のレコード歌手としても活動をし始めた数年後、夫人の実家の紡績会社が倒産する悲劇が襲う。
このことが影響したのか、昭和50年代に入った頃から「もう一度ヒットを出したい」と、みかん箱の上をステージに、街から街へ自らの新曲を歌って売り歩く「歌の行商」を始めるようになった。
ゆるぎない地位を築いている往年の大歌手が、それらを半ば投げ捨て、出たての新人のようなキャンペーンをするということは
当時多くの波紋を呼んだ。そんな小畑の奮闘の甲斐があってか「湯の町しぐれ」は万枚を売り上げるヒットを記録している。
この歌は「湯の町しぐれ」に次ぐ、昭和52年5月発売のシングル。
上質なムード歌謡であり、小畑の歌唱は、その音楽的感覚が過去のものになっていなかったことを示している。
ベテラン歌手のファン向けな定期シングルというようなものではない。
戦前から戦後にかけての歌手のCDアルバムは、長く歌っていた歌手でも昭和40年代に新録音した音源で構成されたものか、ある一定の年代で切られてしまってそれ以降の年代を聴くのはCD-BOXで聴くか中古市場を漁るより他に無い、ということが大半で、全キャリアを統括したベスト盤はなかなか無いだけに、今回の試みは異例。
今後、こういう形がスタンダードとして定着していくことを強く希望する。

21 悲しい芝居
作詩・作曲:なかにし礼 1978

昭和53年10月発売。アルバム「悲しい芝居 小畑実となかにし礼の出会い」との同時発売。
翌54年4月24日、小畑はゴルフ中に急逝心不全で倒れ、亡くなったため、これが遺作となった。
シャンソンの香り漂うムード歌謡に仕上がっている。
「悲しい芝居 小畑実となかにし礼の出会い」に収められている歌謡曲のカバーも、ベテラン歌手のファン向けカラオケというレベルではなく、ファン向け以外へもしっかりと聴かせるだけの内容のものになっている。
このベスト盤には洩れてしまったが、竹山逸郎・藤原亮子のヒット曲をカバーした「誰か夢なき」(昭和52年9月発売)は曲のモダンさを引き出した、カバーを超えたカバーに仕上がっている。駅やCDラックに置かれている7曲入りのOME商品CDに収録されているのでこのベスト盤を聴いて、晩年の小畑へも関心を抱いた人には、ぜひ探して一聴して頂きたい。
NHKの人気歌謡番組「ビッグショー」でも、最後に『良い歌は古くても良いんです』と熱い想いを語り、歌っている。
立川談志兄弟が、その歌唱の素晴らしさに衝撃を受け、何十年経っても、録画テープを見返しているとエッセイに記しているのを読んだことがある。
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by hakodate-no-sito | 2011-04-30 23:03 | CD視聴感想 | Comments(0)

視聴感想「ゴールデン☆ベスト 小畑実」(Disk1)

「こういうCDを待っていた!」
そんな気分が続いている。

レコード会社各社で、かつての良質音源を適正価格で届ける「ゴールデン☆ベスト」というCDアルバムが出ている。
ヒット曲を収録して歌詞カードをつけた、それまでのベスト盤の値下げ版というものもあれば
解説やディスコグラフィ等などを付記・充実させ、決定版としたものまで多種多彩。

企画当初は昭和40-50年代の一世を風靡した歌手がソフト化されていが、近年は単独ベスト盤発売は有り得ないだろう
と諦めていた歌手へも光が当たりはじめつつある。
そして、時代もさらに下り、昭和30年代、20年代、10年代・・・の歌い手も取り上げられるようになった。
これに応えぬ手は無い。せめての恩返し、ではないが、勝手に感想文を綴ってみることにした。

「ゴールデン☆ベスト 小畑実」
2011.04.27 / VICL-63735~6 / \3,000(税込)
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01 成吉思汗 (共唱:吉沢美穂子)
作詩:秩父重剛 作曲:江口夜詩 ポリドール 1941

昭和16年2月、ポリドールレコードから発売された、小畑実のデビュー曲。
題名でピンと来るだろうが、モンゴルの英雄・ジンギスカン(チンギス=ハン)を歌った作品。
当時叫ばれていた、大東亜共栄圏の影響から生まれたのであろうか。
デビュー作だから、というのもあるのか、曲が小畑向きじゃないからか、後年の小畑実のイメージ
はこの歌からは殆ど感じ取ることが出来ない。
かつて、ダイセル化学工業株式会社から発売されていた「日本の流行歌史大系」なる60枚組(!)
に収録されたことはあるが視聴へのハードルは(都市部の人間を除けば)高く、今回の収録でめでたく
戦中~戦後を代表する大歌手(名歌手)の第1作が、幻では無くなった。英断だ。

なお、共に歌っている吉沢美穂子は翌17年にコロムビアへ移籍し、小畑同様にそこからが事実上のデビューということになっている。結婚して吉沢から谷川。戦後はキングへ移籍し歌った後に引退したという。小畑と同じ、江口夜詩の日本歌謡学校出身である。

02 明日の希望
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1942

昭和17年8月、ビクターレコードからの発売。
小畑実はレコード会社への移籍が多い歌手で、
ポリドール→ビクター→テイチク→キング→コロムビア→ビクター
と当時の主要レコード会社すべてを回っている。
今日の歌手でもこういうタイプは珍しい、専属制度がしっかりしていた戦中・戦後ではなおさら異例。
どうも、契約に関して、割り切ったドライな感覚を持っていたらしい(後日調べてみたい)。
怖ろしいのは最初のポリドールを除き、どこのレコード会社でも、何かしらのヒットや良作を出している点。それは引っ張りだこになる訳である。
伴奏にマンドリン、間奏では口笛・・・そして小畑の軽やかな歌声。
国民服という歌詞が、かろうじて戦時下であることを示しているが、それすら聴き逃してしまいそう
な、とにかく爽やかな1曲。
南の空・・・という歌詞からすると、この歌で歌われた場所はもしかしたら外地なのかもしれない。
いろいろ考えさせられる1曲でもあるが、ここは素直に、爽やかな小畑の歌声と演奏に酔いしれたい。
この歌は初復刻、ということになるらしい。発掘してきた方の慧眼に感服。

03 婦系図の歌(湯島の白梅) (共唱:藤原亮子)
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1943

泉鏡花の小説で、新派劇の代表作「婦系図(おんなけいず)」
これが昭和18年、長谷川一夫・山田五十鈴主演で映画された際の主題歌。
戦後、小畑実が他社へ移籍した際に別歌手で録音・発売された際に「湯島の白梅」と改題され、今日に到っているらしい。
しっとりとした、和の情感漂う名曲で、実は古賀政男が作曲したものという説もあるが真偽は不明。
小畑の大ヒットで、その名唱は言うまでも無いが、共に歌っている藤原亮子の歌唱も見事。

04 勘太郎月夜唄 (共唱:藤原亮子)
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1943

「婦系図の歌(湯島の白梅)」と裏表で発売された。こちらは映画「伊那の勘太郎」の主題歌。
映画の主演はこちらも長谷川一夫・山田五十鈴。
「婦系図の歌(湯島の白梅)」では光っていた藤原亮子だが、こちらの歌唱は今ひとつに思える。
手拍子を交えて、今でも歌われることがある小畑の大ヒット曲。

05 虹の都
作詩:大高ひさを 作曲:利根一郎 1947

昭和22年8月、テイチクレコードからの発売。
NHKラジオ歌謡で、放送では藤山一郎が歌唱していたものの、作曲の利根が当時テイチク所属であった関係で
これまた当時テイチク所属だった小畑へお鉢が回ったもの(後年、藤山も録音)。
新時代の到来を感じさせるような、爽快感溢れる都会派青春ソング。
小畑の歌唱は、やや過分までに藤山一郎を意識しているように思われるが、持ち前の美声が何と言っても快い。
その美声で奏でられる利根のスウィング感たっぷりな、品格がある曲、そして編曲と演奏。
あまりコンピレーション盤に収録される機会も無く、半ば埋もれかかっていたが、今回の収録でめでたく陽のあたる場所
へ置かれたように思う。この「ゴールデンベスト」2枚組全42曲中、私が最も気に入っている曲のひとつはこの歌。
歌い手は、時として自らの適性とややズレた歌をヒットさせる人がいる。
小畑と、この「虹の都」もそう分類できると思う。だが、それは歌い手の度量の広さの証でもある。

06 長崎のザボン売り
作詩:石本美由起 作曲:江口夜詩 1948

昭和23年6月、キングレコードからの発売。ビクターから発売のCDでキング時代のヒット曲がオリジナル音源で聴くことが出来たことをまず喜びたい。このアルバムでは3曲がピックアップされているが、他にもキングにヒット曲や名曲を残していて、CDも発売されている。このアルバムで興味を持った人はそちらへもぜひ手を伸ばして欲しい。
言うまでもない小畑の大ヒットで、大作詩家・石本美由起の歌謡界デビュー作。
架空だった長崎のザボン売りが、歌のヒットで存在するようになったという話もある。
ザボン売りという発想、江口によるアレンジが何といっても光る。

07 小判鮫の唄
作詩:高橋掬太郎 作曲:大村能章 1948

昭和23年10月、キングレコードからの発売。
長谷川一夫主演、映画「小判鮫」の主題歌。
戦前のベストセラー小説にして大人気映画「雪之丞変化」を、GHQの検閲から逃れるために若干改作したもの。
その関係もあるのか、曲自体もどこか「むらさき小唄」を彷彿とさせる日本調。
小畑の歌唱の巧みさにたたただ唸る。大ヒット曲。

08 星影の小径
作詩:矢野亮 作曲:利根一郎 1949

昭和24年11月、キングレコードからの発売。
現在、このアルバムに収録された全42曲中、もっとも知名度がある歌はこの歌だろう。
近年、ちあきなおみが歌唱したものがCMで流れ、リバイバルし、日本のスタンダードと化した感すらある。
ただ、創唱者・本家本元は小畑実であることは忘れて欲しくないものだ。
改めて、利根一郎の美しいメロディと小畑の優雅な歌唱に酔いたい。
叶うならば、もう少し良い状態の音源で聴きたい気もするが、敢えてノイズの中から流れ来る美麗なものを探る、というのも、また乙なことなのかもしれない。

09 高原の駅よ、さようなら
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1951

昭和26年5月、コロムビアから古巣のビクターへ戻って出した大ヒット曲。
この歌にまつわるエピソードは多いが、昭和32年の第8回紅白を以って引退というときに歌った曲ということが頭に浮かぶ。
紅白を進退の場として利用した最初の歌手が小畑実、後年復帰したこともあって忘れがちだが記憶に留めておきたい。
歌われた場所は信州高原ということになっているらしい。

10 山の端に月の出る頃
作詩:哥川欣也 作曲:利根一郎 1951

昭和26年7月の発売で、片面の「雨のダンスパーティー」共々ヒットとなった。
作詩の哥川欣也は矢野亮の別名。当時はキングレコードのディレクター(兼・作詩家)だったため「別人」になった。当時、矢野が所属していたキングで内紛があって流行歌の作詩を出来る状態ではなくなり、親しい利根一郎の伝手でビクターで作品を発表していたらしい。
利根一郎と小畑実の相性は抜群に良い。
利根が紡ぎ出す流麗なメロディを表現するのに、小畑の美声(そして囁くように歌う、クルーン歌唱)はうってつけだった。
両者共に全盛期で、聴いていて安心感もあり、何より心地良い。
月の夜といえば、ロマンチックなムードを強調しがちだが、ここでは心弾む気持ちを出していて面白い。それでいて、洒落た感じがしっかり出ているのだから、見事。

11 雨のダンスパーティー
作詩:哥川欣也 作曲:利根一郎 1951

昭和26年7月の発売で、「山の端に月の出る頃」ともども両面ヒットとなった。
「山の端に月の出る頃」の明るさから一転。雨のしっとりしたムード、闇のムードを醸し出している。
このアルバムを聴いて強く思うことのひとつは、利根一郎の再評価が必要だということ。

12 さすらいの踊子
作詩:坂口淳 作曲:利根一郎 1951

昭和26年8月発売。やや紋切り型のきらいはあるが、旅周りのうら悲しさがよく出ている。
ビクターオーケストラの演奏に酔いたい。
おそらく初復刻。

13 青い流れに
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1951

昭和26年9月発売のヒット曲。
小畑実との名コンビは利根一郎、佐々木俊一、江口夜詩は言うまでもないのだが、吉田正も欠くことは出来ない。
特に、この小畑実のクルーン歌唱を十二分に生かしきった「青い流れに」は吉田メロディの白眉。

14 あゝ高原を馬車は行く 
作詩:上山雅輔 作曲:佐々木俊一 1951

昭和26年10月発売のヒット曲。
編曲、そして伴奏の良さが光っている。ピアノは誰なのだろうか、佐々木俊一その人か。

15 女ごころを誰か知る
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1951

昭和26年12月発売。同名映画の主題歌。
おそらく初復刻。

16 ロンドンの街角で
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1951

昭和26年4月発売のヒット曲。
岡晴夫十八番の花売り娘モノを、ここでは吉田正と組み、小畑が歌唱。
岡とは、一味違う魅力を出すことが出来ているように思う。
ただ残念なのが、マスターテープの状態が極めて悪いということ。
音がかなり歪んでしまっており、その結果小畑の歌の魅力を大分削いでいる。
状態の良いSP盤を使用しての復刻が今後成されることを祈りたい。

17 愛の旅路
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1952

1952年7月発売の作品。映画「母を恋う歌」の主題歌。
前奏が「誰か故郷を想わざる」「三百六十五夜」といった曲を彷彿とさせる。
メロドラマの主題歌だからなのだろう。

18 星のまたたく小径
作詩:坂口淳 作曲:利根一郎 1952

昭和27年9月発売の作品。
「星影の小径」の兄弟篇ともいえる1曲。
作詩は「マロニエの木蔭」などで知られる坂口淳。
詩も歌声も曲も編曲も伴奏(特に1番と2番の間奏のピアノ)も・・・どこをとっても
ただただ美しい。
今回めでたく復刻された、埋もれていた名曲。
単にヒット曲の寄せ集めだけじゃなく、こういう名歌発掘もなされているのは
大事なことだと思う。ありがたく、大切に聴きたい1曲。

19 花の巴里の街角
作詩:井田誠一 作曲:吉田正 1952

昭和27年10月発売。
当時流行の兆しを見せていたシャンソン、そこに目をつけて流行歌に仕立てたのではないか。
軽やかなな曲調が楽しい。

20 セーヌの流れに
作詩:井田誠一 作曲:吉田正 1952

昭和27年10月発売。片面は「花の巴里の街角」
こちらの曲の方が、パリのイメージがよく出ているように思う。
おそらく初復刻。

21 うたかたの恋
作詩:佐伯孝夫 作曲:服部良一 1952

昭和27年11月発売。
美しい服部メロディと小畑実の組み合わせ、となれば否が応にも期待してしまうが、予想に反して
やや一般的な流行歌に仕上がっている。
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by hakodate-no-sito | 2011-04-30 06:53 | CD視聴感想 | Comments(0)

テレビ出演!「徹子の部屋」へ佐良直美

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4月15日放送の「徹子の部屋」に佐良直美さんが出演です。
昨年、まさかの新曲発売で歌謡ファンを驚愕&歓喜させた佐良さん。
「テレビ出演は拘束時間が長いから…」と消極的姿勢で、メディア出演も関東ローカルのラジオ番組が主で、地方ファンの私は複雑な想いでした。

「『徹子の部屋』に出て欲しいなあ」
ずっと思っていました。
「徹子の部屋」ならば約30分、トークが出来ます。
捕って出し、と呼ばれる収録したものを最低限の編集だけをした殆ど生に近いかたちで放送されます。そして全国ネット(一部放送されない県もありますが、BS朝日や朝日ニュースレターでも放送されています)です。
新曲への想い、そして今佐良さんが行っている動物のしつけ方・飼い方の指導の話…。

希望が叶いました。
今の時勢は、大変なことになっています。
こんな状態だからこそ、佐良直美の新曲「いのちの木陰」はより心に響いてくるのではないでしょうか。ひとりでも多く、この歌を知る人が、そして好む人愛する人が増えますように。
http://www.youtube.com/watch?v=EYXIF0719Dw


「徹子の部屋」
2011年4月15日 午後1:20~1:55 放送

(一部地域では放送時間が違います、また放送延期の可能性も無いとは言えません。直前に改めて御確認をお勧めいたします)
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「27年ぶりに愛犬連れ復活」
歌手活動を長く休止し、昨年27年ぶりに新曲を発表して話題の佐良直美さん。現在は生活の基盤を栃木県那須に置き、犬の「しつけインストラクター」として活動している。今回は1967年のデビュー当時に大ヒットした「世界は二人のために」を歌う懐かしい映像も紹介。今日は、スタジオには愛犬3頭も登場。佐良さん指導のもと、黒柳も訓練に参加するが・・・。

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http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/html/110415.html
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by hakodate-no-sito | 2011-04-15 11:52 | テレビ | Comments(0)

笑ふリズム

歴史の彼方へと消え、2度と帰り来ぬものは多い。
しかし、文明の利器というのは有り難いもので、音というものや写真、映像というものによって
それらを少しだけ手繰り寄せることが出来る。

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「笑ふリズム/ナンジャラホワーズ」(OK-2)
というこのアルバムも、そんな歴史の彼方へと消え去ったものの、
残影・幻をつかの間、我々に味逢わせてくれる。

まず、このナンジャラホワーズという演芸グループ自体が謎に包まれている。
・関西で活動していた(しかし殆ど資料が無い)、
・レコードは関西のタイヘイレコードから発売(=このアルバムの基)
…その程度。
かろうじてメンバーの芸名(ミス妙子、ミス洋子、フランク富夫、フランク正夫)は判っているが
この4人の生没年や本名など詳細は一切不明。写真も歌詞カードに掲載された不鮮明なものが1枚残るばかり。
香川登志緒が著書に僅かに記載した程度で、資料等がまったく無く、目撃譚も無い。
(詳しくはこのCDに調査・解説が載っているので参考にされたし)
戦争、大阪大空襲で消えた幻の人々・・・なのだろうか。

彼らが遺した録音はボーイズもの。
様々な楽器を演奏しながら、洋楽のヒット曲に浪花節などの大衆芸能を織り込み、歌い、唸り、喋り、笑わせる。

大衆芸能・・・保存運動云々以前に消えてしまったようなものが多く、2011年の今や大衆のものでは無くなってしまった。
浪花節、新内、都都逸、御詠歌、書生節、義太夫、阿呆陀羅経、歌舞伎、声帯模写、映画説明、民謡、テキヤの口上・・・
だが、これらが、博物館行きに行く前の生きた芸能が、絶滅危惧種になる前の誰でも親しんだ芸能がこのアルバムの中では自然に存在している。
無知になっている我々のために、このCDにはこのネタはどれだ、という解説も丁寧についている。
おかげで私も心置きなく楽しめ、勉強にもなった。

そして、単に大衆芸能と洋楽をミックスして笑いを取るだけではない、社会風刺的笑いも一部収録曲に収められている。
戦争中の日本は闇の時代とされ、この非常時に笑いなぞ不謹慎、と堅苦しい重苦しい時代とされているというのが一般認識だと思います
が、ここではその戦時下の笑いが収められている。何かと考えさせられる。私はこの笑いに気骨の芸人と拍手を送りたい。
こういう点も含め、大衆史の貴重な資料では無いだろうか。

昭和15年から16年に発売されたレコード音源が基だから、2011年現在の基準から見ると音質は悪いかも知れない。
このアルバムの音質はこの時代のレコードをCD化している他のアルバムと比べるとかなり鮮明に聴こえる(特筆したくなる音の良さ!)
が、慣れない人にはSP盤音源はキツイかもしれない。
だが、そのノイズの向こう側に見えてくるものは実に興味深いものがびっしりと詰まっている。

誰に手によるものかは判らないが、解説書やジャケットに載っているイラストもなかなかユニークで味わい深い。
もしかしたらメンバーの手によるものだったのだろうか。夢想が広がる。

何も判らないということはマイナスか、いや今回に関してはそうは思わない。
まったくデータ面のことが判らないからこそ、純粋に遺した録音を楽しめる。
勝手な想像に馳せることも出来る。
私に才覚があるなら、当時の演芸の資料を基にこのナンジャラホワーズで小説を書きたい。
故・香川登志緒や藤本義一、関西畑は得意では無さそうだが故・色川武大・・・
彼らの筆で書かれたらどうだろうか・・・。
など、と考えてしまうし、またそれだけの魅力があると思う。

しかし、こんなことを言っては何だがあとは聴くより仕様が無い。
五感感じろ、脳をフル活用して受けたそのことを考えろ。
なんて教えられる気がする1枚でもある。

新しいものを生み出すのは大事、しかし今はどうも行き止り感が漂っている。改めて過去を振り返り、かつての熱さを感じて
今への新たなエネルギーとするのもアリだろう。
オフノート/華宙舎レーベルは、あきれたぼういずに続いて、また魅力的なものを発掘し、光を当ててくれた。
今度は何を出すのだろうか・・・いま一番熱く、期待される人たちだと思う。

笑ふリズム(OK-2)
制作:オフノート(華宙舎レーベル)
販売:メタカンパニー
監修:瀬川昌久
価格:2500円(税込)


収録曲
01:笑ふリズム(昭和15年)
この寸劇(という表記が正しいのか判らないが・・・)のみ復刻されたことがあるらしい。
勢いがあって、泥臭いのにどこかスマートな部分がある、何とも不思議な、往年の上方演芸ともちょっとはみ出た独得の持ち味があるように感じる。

02:何でショウ(昭和15年)
03:びつくりでショウ(昭和15年)
2は金色夜叉がベース、3はナンセンスワールド。
レコード演芸(という言葉があるのか知らないが)であることを意識したネタ振りも聴いていて楽しい。あきれたぼういずにも同様のネタ振りがあったことを考えるとレコード演芸では常套ネタなのかもしれない。

04:夜店風景(昭和15年)
題名の通り、夜店の出し物をレコードの世界でナンジャラホワーズ流に再現している。
当時の夜店風景が見事に切り取られているように思え、タイムスリップの旅へ誘ってくれる。

05:如何でショウ(昭和15年)
夕べ当地のこの町での世にも不思議な大事件・・・ばかばかしい出来事をこれでもかとナンジャラ流に膨らませている。

06:面白いでショウ(昭和15年)
出だしにテーマソング(「ダイナ」の替え歌)のようなものがある。
ナンジャラホワーズの実演(舞台)では、これで幕開きだったのかもしれない・・・という考察資料にもなる作品。

07:あきれたでショウ(昭和15年)
時節柄がよく出た作品のひとつ。前半はナンセンスぶりが発揮され、後半に突如「買いだめはやめましょう」「無駄を省こう」といった啓蒙活動が謳われているのにはいささか面食らう。
とはいえ、ナンジャラホワーズの手にかかると笑いのネタへと変わっていくのだから面白い。
こういう時事ネタを聞くと、この頃から検閲が煩くなってきたのではないか、とも考えられる。
もっともその割にこの題名、抜け道はいくらでもあったのだろう。

08:ナンジャラ忠臣蔵(昭和16年)
忠臣蔵をデパートにたとえ、四段目、五段目、7段目、11段目・・・とエレベーターで上がっていくように説明するなど、なかなか捻った構成。

09:ナンジャラ時局學(昭和16年)
題名の通り、昭和16年当時の様子が収録作品中、もっとも色濃く出ている。
時の流れを自覚して・・・というラストの東雲節は、検閲用に付け加えたものなのかもしれないが、見事な世相への皮肉になっているのは見事。

10:ナンジャラ時代劇(昭和16年)
国定忠治の寸劇をナンジャラ流に脱線しつつ、披露。
これがナンジャラホワーズ最後のレコード。

11:笑ひのゴー・ストップ(昭和25年)
12:バンジョウO・K(昭和25年)
この2作品のみ戦後の作品でミス妙子とそのグループ名義。
瀬川昌久は戦前の未発表音源の蔵出しではないかと指摘している。
これらは他の作品と違って、SP片面にそれぞれ収録されているため時間数が短い。そのせいかは判らないが、やや面白みが足りない。もっと発展していっておかしくないのだが・・・と感じた。
もしかしたらお蔵になっている間に紛失した続きが存在したのかもしれない。

追記)
http://www.youtube.com/watch?v=8fj1qlPQieI
http://www.youtube.com/watch?v=IzdDqdzVQiw
残念ながらこのCDアルバムにはネットで試聴は出来ないが、1曲「笑ふリズム」がネット上で聴くことが出来る。
ぜひとも御一聴頂き、その凄さを感じて欲しい。
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by hakodate-no-sito | 2011-04-05 03:40 | CD視聴感想 | Comments(0)

ありがとう!ダークダックス

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3月29日夜、NHK-BS2で「ありがとう!ダークダックス」という番組が放送された。

私がダークダックスの存在をある程度キチンと認識出来るようになったのはこの7~8年であり、既にダークダックスは3人。
テレビの歌番組で見た彼らは、衰えを隠せない状態で痛々しく思え、好きになれなかった。
その後、昭和時代に遺した数々の名唱音源を聴くことで認識が改まったものの、やはり現在のダークは正視出来なかった。
不届き者、なのかも知れない。ファンとは言えないだろう。

今年のはじめ、トップテナーだったパクさんが亡くなったときはショックだったが、その一方でホッともしてしまった、 これ以上痛々しい姿を見ないで済むという・・・残酷な想いすら胸に浮かんでしまったのだ。

今回の番組が放送されると知ったときは
90分みっちり4人揃ったダークの道程と歌を観て聴いて楽しめる、と浮かれ気分で放送日を待ち続けた。

いざ、放送日。
テレビの前に座る。
番組が終わった頃には虚脱・放心状態に陥った。
そして、自分の残酷な感情に対し、腹立たしくなり、やるせなくなった。
寂しさをこらえきれなくなった。
一杯あおらなきゃ眠れなかった。


番組―
ダイジェスト形式でも充分に伝わってくるダークダックスの偉大さ。

ソロ歌手>コーラスグループとされる中で独自のポジションを得て、国民的コーラスグループにまでなったこと。
ダークの歌声で親しんだ歌の多さ。
ダークダックスが取り上げたことで知られるようになった歌。
ジャズ、アメリカンポップス、ロシア民謡、俗謡、童謡、唱歌、流行歌・歌謡曲・・・。
本場で認められたロシア民謡。
入国手続が厳しかったソビエト時代から6回の大陸公演。

その上で、マンガさんが病に倒れ(現在は脳梗塞の後遺症で療養中と紹介された)、パクさんが急逝し、残ったゲタさん、ゾウさんの2人から語られる
「何とか3人ででも今年60周年の記念コンサートを開きたかった」
「パクがいなくなることで4人揃ったダークダックスは無くなってしまった」
「この番組を以ってダークダックスとしての(音楽)活動にひと区切り打ちたい」
という言葉。重みは嫌でも認識される。
ひとつの伝説に終止符が打たれる瞬間を目撃することの重みも。

現在の二人の活動の様子も取り上げられた。
スタジオでは泣きそうになるのを必死にこらえながら語ったゲタさんは筆が立つ(日本ペンクラブ会員)ことからダークダックス60年の回顧録を執筆中らしい。
書斎には本が溢れ返っており、小林秀雄らと共に植木等の父親について書かれた本も棚にあったことが個人的に印象深い。
ゲタさんはこれまで「日本の叙情歌」「日本の美しい歌」などと言ったダークの活動と絡めた歌の解説本を出版されているほか、メルダック以降のダークのアルバム解説も載せている。
難しいのかもしれないが、出来るだけ沢山のダークのエピソードを大河小説ばりに綴って欲しい。
「我々もそのうち残念がられるでしょう」と語っていたが、少なくとも完成するまでは元気でいて欲しい。

悔しい、パクも無念だったろうと話すゲタさんを
「今更言っても仕様が無い」といなし、いつもどおり穏やかな表情で大人ぶりを発揮していたゾウさんは女声コーラス(50代以上の高年層)の指導。
椅子を間に挟み、左側に置かれたピアノで作曲(編曲?)し、右側の(70歳を過ぎてから始めたという)PCで譜面を打ちむ姿も放送された。
(注:ゲタさんの書斎にもPCは置かれている)

VTRでコメントを寄せたのは
ダークと多くのヒットを送り出した長田暁二、共通点も多い後輩で親しい歌手のペギー葉山に、コーラスグループの後輩デュークエイセスの谷道夫、ボニージャックスの玉田元康。

長田暁二はダークの元担当ディレクターとして軽く、音楽面での特色などを指摘。
ペギー葉山はあくまで同年代を共に過ごしたファンでもある後輩としての言葉。
デュークの谷はダークとデュークの違いにビートを持ち出したこと(このことはよく話すことなので新鮮さは無い)。
ボニーの玉田(ベース担当で髭の方)は慶応と早稲田ならではの持ち味の違いを語った。
機会があるなら、この4人にはもっとたっぷりとダークの話を語って欲しいし、聴きたい。
ダークゆかりの方々で、パクさん追悼・ダークダックスひと区切りのイベントも行って欲しいが、この時世ではやはり難しいのだろうか・・・。

さらには「花のメルヘン」の台詞を担当した女性がスタジオへ登場するサプライズもあった。
(野球の名監督として知られる故・水原茂の孫娘、このときのエピソードはゲタさんの著書「日本の美しい歌」に詳細が出ている)

流れたVTRは意図的なのか、単に残っていないのか、昭和50年代からへ平成一ケタまでのものが中心。
平成期の映像はハイビジョン収録されたものもあり、それらはおそらく今回初めてハイビジョン形式で流れたのではないか。
そういう意味では映像面、音質面でもしっかりしたものが選択され、放送されたという意味で評価されても良い。
ただ、そのことによってダークの全盛期ともいうべき1960年代の映像が見事にオミットされたことは哀しい。
映像も音質もクリアだが、90年代のダークダックスは歌声などに衰えが見て取れ、歌によっては複雑な気分にさせられる。

ダークダックスはコーラスグループで初めて紅白歌合戦へ出場していることも触れて欲しかった。
グループでの紫綬褒章受章という快挙を頂点とする、受賞歴の多さも触れてよかったのではないか。
民放において長寿ラジオ番組を複数受け持っていたことや、CM曲の雄としての側面もしかり。
選曲も、無理を承知でいえば、オリジナルの楽曲ももう少し欲しかった。
「二十二歳まで」「歌声がきこえる」「青春(Youth)」・・・こういう機会だから観たかった、聴きたかった。
そういう不満も正直に言えばある。

それでも、ダークダックスの素晴らしさ、偉大さは光っていることには変わりは無いし、伝わっても来たのだ。

番組の最後に
パクさん、マンガさんのパートを変わって担当する、と慶応の後輩ワグネルソサエティの現役及びOBメンバーが集った。
そこで1曲、40年来の専属伴奏者白石哲也のピアノ演奏で披露された。
ダークのテーマソングともいうべき曲「銀色の道」だ。
ゲタさんもゾウさんの声も響き渡り、〆に、歌い収めにふさわしい名唱だった。
歌い終わったところにペギー葉山が現れ、二人に花束と頬にキスを贈呈。
VTRのコメント出演は伏線だったのだ。なかなか粋なはからい。

これで終わりか・・・と思ったら画面にテロップが出た。
「2年前、病気療養中のマンガさんが突然3人のライブに参加しました」
映し出されたのは、個人用カメラで撮影されたファン向けイベントの映像。
そこにかぶさるように
「これが4人そろった最後の映像です」という文字。
披露されたのは30周年の記念曲で当時生命保険のCM曲としても流れた、ダークダックスもう一つのテーマ曲「絆」
2番を歌いだすメンバー。パクさんが身体がやや不自由なマンガさんをささえながら歌っている。
マンガさんの声は、長い間の闘病生活や病の後遺症もあって、声量が失われ、僅かに聞き取れる程度。 それでも、やはりマンガさんはマンガさんの歌声でした。
そして歌声及び映像はフェードアウトし、おそらく白石哲也のピアノ演奏による「絆」が流れ、4人揃った写真が映りEND。

すっかり心を持っていかれ、ちょっと涙が出そうに・・・。
一人で見ていたら泣いていたはず。

ひと晩経ち、感想用にもう一度見返すも
ありがとう、とは言えても、さよなら、とは言えない。
私にとってダークダックスはかけがいの無い存在で、今もiPodに100曲は軽く入っている。
歳を重ねても聴くだろうし、また今とは違う部分で感じ入る部分があると信じてもいる。
後年の視聴に耐え得る、キチンとした録音を遺したいと30年間、年に複数のアルバムを制作し、その後も10年近く年1枚のアルバム制作
という世界でも異例なのではないかと思えるほど、音源を遺したグループでもある。
レコードを追い求めることで、知らないダークダックスにはまだまだ逢えるのだから。

フォーエバー、ダークダックス。
キザな台詞だが、この言葉を捧げたい。
個人としての活動はこれからも続けるというゲタさんとゾウさんには、折に触れてまたトークゲストという形ででも、お目見えの機会があることを願っている。
番組を観ていて、話の巧いゲタさんはいうまでもないが、ゾウさんがなかなか鋭いことを話していた。ダークのメディア担当はゲタさんということになっているようだが、叶うならゾウさんの話をもっと伺いたい。
「徹子の部屋」「スタジオパークからこんにちは」「ラジオ深夜便」・・・このあたりの番組で話が聴けたら嬉しい。

そして、この番組が地上波でも放送され、より多くの人の眼にとまることを祈って止まない。
ダークダックスのファン層・支持層は声を上げる術を知らない人が多いだけで、もっともっと潜在していると信じている。
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by hakodate-no-sito | 2011-04-03 00:01 | テレビ | Comments(0)

「暁に C'est A L'aube21」

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―アナログの魅力、スタジオライブの味
そんな言葉が聴いていて、脳裏に浮かんだ。

「暁に C'est A L'aube21」(NMD-2283)
は石井好子のアルバムの中でもひときわ異彩を放っているのではないだろうか。

何しろアルバム制作のコンセプトが
「CDを作るとき、いつも候補に上がりながら入れることが出来なかった曲を中心に
ピアノの伴奏だけで、ひとりごとのようの歌ってみました」

(CD帯の宣伝句+CD収録の石井好子のナレーションから)
なのだ。

ベテラン歌手のアルバムによくある、持ち歌・ヒット曲を"再録音"じゃない。
今まで洩れていたステージナンバーをこの際CDにしてしまおう、というのだからふるっている。

さらには
「12曲の予定が『日本の歌も、ドイツの歌も』と22曲になり、第38回パリ祭のフィナーレを飾った『セタローブ』を加えて23曲、CD未収録曲17曲を含む、74分のCDが出来ました」
(CD帯の宣伝句から)
若手アーティストがアルバムを作っても収録時間ギリギリまで歌を詰め込むなんてことはまず無い。
さすが石井好子だし、石井好子だから出来ることという気もする。
この収録時間だけ取っても、例を見ない意欲的アルバムであることがわかる。

肝心の中身だが、
・スタジオで、高島正明の伴奏による録音およびナレーション
をベースに
・99年頃から2000年までのいくつかのライブの中から選ばれたステージ録音
が加えられている。

スタジオ録音も原稿を読む際にガタゴトとノイズが入っていたり、ライブ音源も資料用録音でキチンとした録音じゃなかったり・・・と、デジタル時代に敢えて逆らうようなことも行われている。
そのことによって、CDなどでは味わえなかった石井好子の良さがくっきり出ているのだ。
石井はベテランになってからも定期的にアルバムを発表し続けているが、おそらくこのアルバムが1番、普段の舞台の石井好子の良さ
を的確に伝えているのではないか、と思えてならない。
大舞台で高らかにうたう石井好子は映像も多数残っているし、実況録音盤も多く出ているが、小じんまりした舞台でじっくりうたう石井好子は熱心なファンや一部のシャンソンファンぐらいしか知らないマイナーな側面。
石井にはいくつもの顔があったが、歌い手としてこういう顔もあるのか、と教えられるのがこの「暁に」だろう。
また、歌手石井好子を手繰っていくとき、必ずぶつかってくる歌が多数収められていて、石井好子探しの旅の羅針盤のような役割を果たしているようにも感じる。

正直に言えば、このCDをはじめて聴いたとき、言葉が見つからなかった。
目の前で石井好子が歌ってくれているような、そんな想いに駆られた。
どの歌も良い、とても良い。でもどう良いのかをうまく説明出来ない。
突き抜けて良いものはかえって説明しにくい、ということをつくづく感じる。

パリ祭などの会場販売か、シャンソン協会系のサイトなどでしか購入出来ない(送料が割高)。
AMAZONなどで取り扱いがあれば、買いやすいし、人に薦めやすいのだが・・・


収録曲
01:聞かせてよ愛の言葉を
このトラックは高島正明のピアノ演奏と石井のナレーションで歌は無し。
アルバムのコンセプトの説明や、この歌の想い出などを語っている。

02:愛していると云って
石井がパリで初めて歌ったシャンソン。
おそらく、初ソフト化だと思われる。
石井の、いくつかのエッセイでパリではじめて歌った際のことが綴られているが、それを読みながら聴くとさらに本や歌から発展した、石井好子のパリの世界がありありと浮かんでくる。

03:夕べ見た夢
04:街
05:港町の居酒屋
06:哀訴

「夕べ見た夢」の前に、歌への軽い解説ナレーション。
これらの歌も、おそらく初ソフト化。石井が生涯敬愛し続けたダミアのナンバー。

07:ジャヴァ・ブルー
08:二人の恋人

「ここ1年に出演で出演したライブハイスでの録音です」と解説。
この2曲は石井のステージナンバーとして御馴染み。
特に「二人の恋人」は石井とは切っても切れないナンバー、屈指の名唱。
明るい調子のアップテンポのナンバーで、シャンソン=陰、のイメージを持っている人には特に一聴を勧めたい。

09:パリ
10:泉のほとり
11:ノスタルジー


12:大地の歌
こちらもライブ録音。
ラジオ番組のパーソナリティをしていた頃に薦められ、惚れ込んだロシアの吟遊詩人ヴィソブツキーのナンバー。
石井が奮戦して作った譜面は後に新井英一へと譲られ、歌い継がれている。
シャンソン=石井、のイメージを覆すような持ち歌。

13:むぎわら帽子
14:海辺のバラード

日本の歌。和製シャンソンということになるのだろうか。
「むぎわら帽子」は「さとうきび畑」などで知られる寺島尚彦の作品。
石井とは歌手・伴奏者の間柄として、長く仕事をして、多くの良作を提供している。
前作『私は私』でも「夜の子守唄」が収められている。
石井晩年のコンサートでは「さとうきび畑」も披露されていたという。
叶うならば、石井の円熟した歌声で、寺島作品だけを歌ったアルバムも聴いてみたかった。

「海辺のバラード」は、日本レコード大賞曲「今日でお別れ」の作曲や歌手として長く活躍した宇井あきらの作品(作詩:津田譲)。
"それは遠い昔のような それはほんの昨日のような"という歌の世界観を見事に歌で表現している石井の歌唱はこのアルバムの中でも
白眉の出来。この歌が埋もれることなく、CD化されたのは喜ばしいことだと断言できる。

15:愛のシャンソン
16:ひまわり


17:フレデ
石井の回想ナレーションつき。
石井好子はこの歌について「じぐざくのフレデ」(「思い出は歌とともに」より)というエッセイを書いているが、それが極上の出来。それも読んで聴くと、歌を聴くときに夢想がさらに広がる。

18:あなただけ
19:一人にさせて


20:嘆きの天使
21:ハバネラ
22:マズルカ

戦前のドイツ映画の主題歌を3曲。
石井好子は、もともとドイツ・リードを勉強していて、戦争が無ければその道へ進んでいたかもしれないと語っている。
そのせいか、長らく「歌が固い、ドイツ楽曲のようだ」という指摘を受け続けている。
「(石井の)シャンソンは好きじゃないけど、ドイツの歌は好きだ」という人も結構いたという。
石井のドイツものは現行のCDでも収録されているので聴くことが容易に出来るが、確かに名唱で、ここでも円熟した歌唱が光っている。

「マズルカ」はポーラ・ネグリのレコードが、ドラマ『傷だらけの天使』で使用されたことで知る人がいるのではないか。
岸田今日子演じる綾部のテーマ曲という形で番組内で流れ、何と岸田自らのアイデア・レコード持込だったという。

23:暁に
2000年『パリ祭』実況録音
この歌については、Bruxelles様が見事な考察を記されているので、そちらを一読頂きたい。

我々は石井好子が遺したものから、まだまだ学ぶことがあるように思えてならない。


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by hakodate-no-sito | 2011-04-02 22:54 | CD視聴感想 | Comments(7)