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エッセイスト・石井好子

「文藝別冊 石井好子 追悼総特集 シャンソンとオムレツとエッセイと」(KAWADE夢ムック/文藝別冊)
河出書房新社 (2011/3/15) 1260円

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「石井好子 追悼総特集 シャンソンとオムレツとエッセイと(KAWADE夢ムック/ 文藝別冊)」という本を読んだ。作り手や書き手の、石井への愛情・敬意が伝わってくる良書だと思う。

”オムレツの石井”の異名を得る程、食のエッセイへの人気は、自分が思っている以上なのだな、と
改めて感じ入り、また驚かされた。
石井好子がペンを握っていなかったら…たとえどれだけ優れた歌い手であっても、こういう本が出たかというと、哀しいかな、疑問だ。

石井を知らない、石井が書いたエッセイだけで、感じたことを綴る執筆者たち。
本屋の店員が自分の好きな本を並べるコーナーに石井の「巴里の空の下~」を置き、売れ行きがそれ以上なったという話。
「物語のない、あっさりとした読み物」ではなく「物語があった」と思うだろう、という話。
歌手の合間に書かれた、またはその延長線上にあるエッセイという捉え方ではなく
純粋に、一人の優れた書き手としての石井好子を捉え、読んで感じて評価している。
これにはハッとさせられた。
確かに私は石井好子のエッセイの類は気になる存在だったが、やっぱり歌手の石井という前提から見ていたと思う。
歌手でありエッセイスト、というような。
であり、を取っ払った、エッセイスト、だけでは見ていなかったのだ・・・

確かに、石井の食のエッセイは良い。
美食家によくありがちな「××は××じゃなきゃダメ」という押し付けが無い。
「裏ごしは面倒」とハッキリ明言、インスタント食品でも良いものは良いと取り入れる・・・。
読んでいて、肩身が狭くなるようなことは絶対に無い。
その一方で、情景が浮かんでくるような文章。
本当に食べることが好きで、また料理を作ることが好きだ、ということが伝わってくる。
最近、よく耳にする言葉に「ライフスタイル」というものがあるが、まったく石井のエッセイは
憧れのライフスタイルの見本といって差し支えないんじゃないだろうか。
考え方ひとつで、つまらないことも面白くなっていく、ということが説教がましくなく、自然なかたちで伝わってくる。

たかがエッセイ、されどエッセイ。
深い人間性に裏打ちされた、石井好子のエッセイ。
この本に触発され、改めて読み直してみて、唸らされた。
背伸びをしたがる10代の学生から、酸いも甘いも噛み分けた大人まで、それぞれの世代が読むのに耐え得ると思う。

歌はとかく好みだけで判断しがちだが、活字は歌よりはそうじゃないように思える。
石井好子という人の素晴らしさを知るには、活字から入るのもまたアリなのだろうか。
石井好子という素敵な女性がいた、ということを人へ紹介する手だてとして、この本に「巴里の空~」のようなエッセイ集あたりを添えると、判って貰える率が上がるのかもしれない。
いろいろと考えさせられる1冊だ。

この本は、エッセイスト石井好子に重心を置いているので、歌手石井好子としての面はいささか弱い。
だが、石井とつながりのあった人たちのインタビューや寄稿文は、それぞれの石井好子像を窺い知ることが出来て興味深かった。
親しい仲というのと、理解者というのは必ずしも=にはならない。
淡い付き合いで、多少袖すりあった程度の人の方が、かえって的確に捉えていたり、また遠くにいるからこそ見える面があったりするから、人は面白い。

だが・・・やはり、それはそれとして、この人にとっての石井好子とは、とじっくり聴かせて欲しい人はいる。キーマンともいうべき人たち。
ピーコ(対談集「サワコとピーコ」には阿川佐和子と共に石井好子についての話を数多くしていて、これは一読の価値がある)、永六輔、長瀧達治あたりには座談会なりロングインタビューというかたちで、もっと多くの話を聞かせて欲しかった。
石井のエッセイにも度々名前が載っている、今道仁美という長年石井好子の下にいた方の話は、ぜひとも聴きたかった。

もっとも、年表は勿論、ダイジェスト的な(残念ながら完全版では無い)ディスコグラフィーや著作一覧紹介もあり、歌手石井好子を追うための資料として充分価値あるものに仕上がっている。
歌手としての石井好子が知りたい人も資料本として、しっかり保持しておくことを薦めたい。

いつか歌手・石井好子へ重点を置いた本も発売されることを願う。
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by hakodate-no-sito | 2011-05-23 03:15 | 歌・唄・うた | Comments(0)

視聴感想「Golden☆Best 曽根史郎 花のロマンス航路~若いお巡りさん」

昭和30年代のヒット曲に
「若いお巡りさん」という歌がある。
♪もーしもし ベンチでささやくお二人さん・・・
ある程度の年代までの方なら、耳にしたことがあるだろう。

その歌を唄っていた歌手が曽根史郎だ。
現在は名前を一字変えて、曽根史朗という。

いわゆる"懐メロ歌手"の代名詞的な方で、昭和40年代の懐メロ番組で既に出演
していて、近年もそれに時折出演し顔を見せ、やや低音の出が悪くなってはいるものの、歌声は健在だ。
高音など歌声は昭和30年代よりも40年代以降の方が、甘さが出るなどずっと良くなっている。
昭和5年生まれということを考えれば驚異的であり、年齢を無視しても歌の魅力はまだまだある。
それに、昭和30年代に人気を博した歌手は鬼籍に入っている人が多い。
数少ない生き残り(もう少し良い言葉が無いか、と思うが浮かばない・・・)でもある。
色々な意味合いで、貴重な"懐メロ歌手"なのだ。

「若いお巡りさん」のイメージがあまりにも強く、またテレビなどでも歌うのが、ほぼこの歌ということから
曽根史郎=「若いお巡りさん」の一発屋
という印象がある。
が、実際は違って、他にも何曲ものヒットを出している昭和30年代前半の時代を飾る歌手であったりする。
そのことを知ってまもなく、たまたま1980年代に発売されたベスト盤LPを見かけたので買って聴いてみた。
これがなかなか良い歌があって、驚いた。
特に「花のロマンス航路」が気に入って・・・というよりも偏愛に近い状態になった。

しかし、やはり曽根といえば「若いお巡りさん」。他の歌は知らない人が大半。
試しに知り合いの片っ端から聴いても、他の歌を知っている人は皆無に等しい結果に終わった。
そんなことも手伝って、さすがに単独のCDアルバムは出せまい(売れまい)と勝手に諦めていた。
他にも個人的に不快なことがあり、曽根を聴けばそのことを思い出すからと遠ざけていた時期すらある。
いや、いろいろあれど自分の性格を考えれば、つまるところ
「好きな唄はあるけれども、そこまで強いて好きな歌手ではなかった」ということだったのだろう。

ところが、だ。
今回まさかの、曽根史郎のベスト盤の発売だ。
不意打ちにも程がある。
「嘘だァー!」
PCの前で、思わず絶叫してしまうぐらいに驚いた。

不快な出来事も既に遠い過去になっていて、今更どうこうという気持ちは薄れている。
2度はないチャンス、改めて聴き直そうと思って、CDを再生した。

大衆的で明朗なムードの昭和30年代の流行歌の良さが確かに詰まっている。
荒削りだったり拙い部分もあるが、年月を経ることでそれらも味になっているし、知らなかった名曲もいっぱいある。
何より、曽根がこれほどまでのふるさと歌謡の担い手であったことをこれまで気付いていなかった。
聴きながら、自分の不明を恥じた。
曽根史郎はキチンと再評価されるべき人なのだ。
曽根が逝ってしまう前に、元気で歌っている今、このことに気がつけて本当に良かった。
今では知る人ぞ知るとなっている歌の世界が気軽に楽しめて、なおかつその歌によって気付かされることも多い、非常に有意義な復刻盤ベストアルバムだと強く思う。
発売に心から感謝する。

曽根は昭和50年代に発売した「みずえ抄」という唄を最後に、新譜の類は一切出していない。
だが、この昭和30年代に得た数々の名曲を慈しんで、今も大事に歌声を保ちながら、往年のムードそのままに歌っている。
一声上げた瞬間、現代から古き良き昭和30年代にタイムスリップした気分を味あわせる、そんな歌手がいたって良いじゃないか。
懐メロ歌手結構。立派な、現役の懐メロ歌手が曽根史朗なのだ。
どうか身体を大事に、逝くまで、その、昭和へタイムスリップさせる懐メロ歌手の王道ともいえる歌声を保ち続けて頂きたい。
また、そういう運命であることも天に祈りたい。

ゴールデン☆ベスト 花のロマンス航路~若いお巡りさん
2011.04.27 / VICL-63732 / ¥2,000(税込)
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01 花のロマンス航路
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1955

昭和30年4月発売の大ヒット曲。
昭和29年にポリドールからデビュー、ビクター移籍第1作でのヒット。
曾根にとっては幸先の良いスタートとなった。
爽快感溢れるマドロス歌謡で、聴いていて心地良い。
歌唱は後年と比べるとやや拙い部分もあるが、曾根の美声に利根の美しい曲がよく映えている。

02 初めての出航
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1958

昭和33年1月発売。
曽根の得意とするマドロス歌謡。
「花のロマンス航路」と比べると、歌唱に安定感が出ている。
豊田一雄による曲は藤島桓夫の一連の港(初めて来た港、さよなら港)シリーズのそれを彷彿とさせる。
曽根の歌唱は及第以上で聴いていて心地良いが、もしも藤島が歌ったらヒットしたのではないか、と、ふと考えてしまった。

03 マドロス兄弟 (共唱:三浦洸一)
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年9月発売のヒット曲。
曲名からすれば、朗らかなマドロスもののように思うが、演歌調の作品。
一部の、三浦や曽根の好事家からは熱烈に支持されているらしい。
三浦洸一の持ち味が生きているとは私には思えないのだが、ミスマッチの妙、なのだろうか。

04 今晩わ、声色やでござい
作詩:小竹三升雄 作曲:大村能章 1956

昭和31年7月発売。
声色や、とは何だろう。不勉強なのでよくわからない。
声色=声帯模写、のことだから、お座敷を歌舞伎役者などの声真似をして回り、祝儀を得る芸人を声色やと呼んだのだろうかと思ったが、曲を聴くと、どうも新内流しが名乗りを上げる際に自らを「声色や」と称していたのではないかと思う。
かつての一般層はこの言葉の意味を判っていたから歌になっているのであって、このことだけでいわゆる日本の古典芸能の移り変わりが偲べる。
日本情緒溢れる、江戸の華やかな夜にある影がよく出ている。
ただ、折角曲に新内をひと節織り込んでいるのに曾根はその部分が全然こなせておらず普通に歌っている。他の歌でも感じるが、曽根はそういう点ではあまり器用な歌手では無かったらしい。

05 赤胴鈴之助
作詩:藤島信人 作曲:金子三雄 1957

昭和32年4月発売。
ラジオ劇などでは河野ヨシユキなど子どもの歌手が歌っていたが、映画化された際に曾根が担当、レコード発売された。
この時代を知っている人には非常に懐かしい歌で、また東八郎の出鱈目歌唱でも知られる大ヒット曲。
ただ、曽根が歌っていたことを知る人はあまり多くないように思う。
曽根の朗々たる歌声は曲調にあっている。
ところで、これはまるっきり蛇足なのだが。曽根の歌唱、この歌の2番の歌詞
♪散らす火花の一騎打ち の"火"の部分が"シ"にも聴こえる。
曽根が東京下町の生まれ育ちであることが伺える。

06 横丁名物浪曲ぶろ
作詩:吉田弘 作曲:渡久地政信 1958

昭和33年1月発売。
鼻歌ソングとでもいうような軽い曲調で、
どこかコミカルさの中にペーソスが漂う、ほのぼのとした作品。
曲の一部に浪曲の節回しが取り入れられているが、残念ながら曽根の歌唱は
その浪曲の節を生かしているとは言い難い。

07 看板娘の花子さん
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1957
 
昭和32年11月発売のヒット曲。
民謡調の呼びかけソングで、曽根ならではの魅力に溢れた1曲に仕上がっている。
素朴さがよく表現されていて、古き良さ昭和に溢れている。

08 夕焼け地蔵さん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1956

昭和31年9月発売の大ヒット曲。
「若いお巡りさん」による人気の波に乗って、売れた歌だが曲調は所謂ふるさと歌謡、望郷ソングで
「若い~」とは別の曲調。
ふるさと演歌といえば、キングレコードの三橋美智也や春日八郎の十八番だが、曽根の歌唱も捨て難い。それだけの魅力を出すことに成功している。
どちらかといえばモダンな曲調で知られている吉田正だが、こういう曲も書いてヒットさせている点はさすがだ。

09 夕月船頭さん
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1958
 
昭和33年9月発売。
曽根史郎御得意の望郷歌謡。
B面ということもあり、あまり知られることなく終わってしまったが、なかなかの名作。
こういう歌が過去の闇から掘り出され復刻されたことを喜びたい。

10 若い職長さん
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1956

昭和31年9月発売。
「若いお巡りさん」のヒットで、お巡りさんモノに加え、の若い●●という職業歌謡路線
も曽根史郎には出来て、その中の1作。
「若いお巡りさん」でのコミカルさは抑え、こちらはペーソスを全面に押し出している。
今回は惜しくも洩れたが、同じ若いシリーズの「若いサラリーマン」も面白い曲で
若い三部作(お巡りさん、職長さん、サラリーマン)の中では、最も曽根の歌唱がしっかりしていて
なおかつ編曲も凝りに凝っている。もし今後チャンスがあるならこの歌もCD化を希望する。
かつて発売されていたLP(カセット)でのベスト盤には収録いるので興味のある人は中古市場を探して欲しい。

11 若いお巡りさん
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1956

昭和31年3月発売の大ヒット曲にして代表曲。
この年の流行歌の中でもトップクラスに入るまでのヒットを記録。
さらにはその勢いで「夕焼け地蔵さん」「天城悲歌」も共にヒットさせたという。
全国警察官友の会推薦曲、ステージでは警察官の格好で歌うことでも知られている。
今更、どうこう付け加える必要の無い歌だが、レコードは後年の歌唱と比べると
若干伴奏のテンポが早く、曽根の歌唱にもどう対処していいのかという、迷いのようなものが見える。
おそらくステージで歌い込んで行くうちに、この呼びかけソングを消化して自家薬籠のものにしていったのだろう。
間奏などは特にそうだが、なかなか凝った編曲・演奏が成されていて楽しい。

12 東京のお巡りさん
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1962

昭和37年7月発売。
世代交代の風もあり、人気が低迷しヒットが出なくなっていた中で
「夢よもう一度」と、再び十八番のお巡りさん歌謡を歌う。
前奏・間奏・後奏・・・と到るところに「若いお巡りさん」の一部が組み込まれた心憎い編曲がなされているが残念ながらヒットとはいかなかったらしい。
曾根の歌唱は円熟味を増した堂々たるもので、安心して楽しむことが出来る。

13 僕の東京地図
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1959
 
昭和34年4月発売のヒット曲。
曽根のヒットでは最後尾のものとなる。
爽やかな青春讃歌で、後に吉永小百合らが歌う青春歌謡
のプロト・タイプに位置づけられる吉田メロディ。
昭和34年の第10回紅白歌合戦でも披露。
この回は音声が現存しており、客席から大声援が飛ぶなど、当時の曽根の人気を感じ取れる貴重な資料となっている。
曾根の歌唱は颯爽としていて好唱だが、作品を考えると、多少拙くも、もっと若い人(曽根は当時29歳)の爽やかな歌声でも聴いてみたいという考えが頭をもたげる。

14 東京ムード
作詩:清水みのる 作曲:利根一郎 1958

昭和33年9月発売のヒット曲。
曽根史郎自身が最も気に入っている持ち歌なのだという。
編曲が都会のムードを巧く表現していて、特にイントロは、車が走り交すような様子が目に浮かんでくるようである。
利根一郎は、曽根の特性をよく理解していたのだろうと思う。曽根の美声をうまく生かしている。

15 グッド・バイ東京
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1960

昭和35年7月発売。
吉田正十八番の都会派ムード歌謡。
三浦洸一、いやフランク永井の世界だが曽根もよく歌いこなしている。
ただ、サビの♪グッドバイ、グッドバイ の歌い方が硬くやや下世話に感じる。
もっと甘く囁くように歌うべきではないかと思ったが、一方でその部分こそ歌の肝であるようにも感じる。つまり、これは歌い手のセンス・色でなのだろう。
長らく忘れ去られていた曲だったが、2000年に大沢可直が手掛けた「吉田正交響組曲」で
取り上げられ、知られるようになり、それが縁で再び曽根も歌うようなった。
吉田正記念オーケストラの演奏ではタンゴにも編曲されたりしているが、オリジナルはビギンのリズムで奏でられている。

16 雨とひとり者
作詩:佐伯孝夫 作曲:渡久地政信 1955

昭和30年10月発売のヒット曲。
かつて貴島正一の名前でビクター専属の歌手だった、作曲家の渡久地政信。
昭和26年に歌手へ転向し「上海帰りのリル」「お富さん」「吹けば飛ぶよな」など大ヒット曲を
生み出し、人気作曲家の仲間入りを果たしたが、かつての古巣へ恩返しがしたいという想いから
「東京アンナ」と大津美子を置き土産に、キングレコードからビクターへ帰参する。
その渡久地の復帰第1作がこの歌。
パチンコ屋で雨宿りをしているうちに曲名を思いつき、パッと出来上がったという。
そして、1番の歌詞は佐伯ではなく、その際に渡久地が作ったもの。
♪チョンガ、チョンガ という囃子言葉が楽しい、どこかペーソスあふれるユーモラスな歌で
曽根ならではの持ち味がよく生きている。

17 小雨の終着駅
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1955

昭和30年7月発売のヒット曲。
特にイントロ部分はそうだが、春日八郎の「赤いランプの終列車」を彷彿とさせるような曲調。
春日・三橋への対抗馬がビクターでは曽根だったのだろうか。
吉田正の貪欲なチャレンジ精神を感じると同時にビクターのふるさと歌謡について、改めて見直す必要があるのではないかということを思わずにはいられなかった。

18 天城悲歌
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1956

昭和31年5月発売のヒット曲。
悲歌と書いてエレジーと読む。
「湯の町悲歌」「江の島悲歌」などへ続くような、演歌調の作品。
曽根の歌唱はただただ見事。
おそらく当時は本人は呼びかけソングや職業歌謡というコミカルなものより
この歌などのような望郷歌謡の方に、より心が動いていたのではないだろうか。
勝手に邪推している。

19 淡路の千鳥
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年8月発売。片面は三浦洸一の大ヒット曲「踊子」。
このアルバムに収められた、曽根の演歌調の望郷歌謡はいずれも名唱である。
またそれらの歌が吉田正によって書かれている事実。
今回のCDアルバムの功績のひとつは、この大作曲家・吉田正の忘れ去られた顔にスポットを当てたことにあると思う。

20 帰る故郷もない俺さ
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1957

昭和32年3月発売。
キングはふるさと歌謡路線、ビクターは都会派ムード歌謡路線
というのが、一般的な昭和30年代前半の歌謡界の認識だろう。
ところが、実はそうではなく、キングでも松島詩子らが和製シャンソンの名曲を歌うなどモダンな曲作りがなされていて(三橋や春日のヒットも巧みに当時流行の洋楽のリズムを取り入れるなど単なる演歌調の枠に収まっていない)、またビクターも吉田正らの専属作曲家によって、しっかりとふるさと歌謡・望郷歌謡が作られている。
曽根史郎は一発屋どころか、ビクターの演歌路線を成功させた数少ない(?)歌手でもあった事実。
私は、後者について、皆無に近い程キチンと認識していなかったことをこのアルバムを聴き、強く実感すると共に自分の不勉強・無知ぶりに恥ずかしくなった。

21 キャラバン哀歌
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1956

昭和31年1月発売。
利根一郎による美しいメロディが光るオリエンタル歌謡。
曲によって、曽根の美声が映えている。
利根一郎という人はあまり話題になることが今はないが、いま一度再評価が必要だ。

22 カンボジヤの水祭り
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐野雅美 1958

昭和33年2月発売。
作曲の佐野雅美は佐野鋤(たすく)の名前でも知られている編曲家。
本名が鋤でペンネームが雅美である。
佐野は戦中から昭和30年代にかけてビクターの多くの流行歌の編曲を担当。
「君待てども」「おばこマドロス」「有楽町で逢いましょう」「東京午前三時」
「落葉しぐれ」「グッドナイト」「弁天小僧」「ハワイの夜」などのヒット作の編曲を行っている一方で作曲家としても「ジャワのマンゴ売り」「東京シューシャインボーイ」やナショナルキッドの主題歌などのヒットを生んでいる。
一般向けの流行歌(歌謡曲)の作曲は多い人ではなく、この歌はその中での後期にあたる。
オリエンタルなムードに溢れており、かつて南方慰問へ行った際に関心を抱いて調べていたというだけあって編曲が特に凝った作りに仕上がっていて、パーカッションがとにかく耳に残る。
曽根の歌唱は及第点だが、もしも灰田勝彦が歌ったらどうだったろう、という考えも脳裏をよぎる。

23 夢の中のパーティー
作詩:佐伯孝夫 作曲:服部良一 1955

昭和30年11月発売。
タンゴのリズムに乗った服部メロディの名作。
だが、残念ながら曽根の歌唱はただ歌っているだけで、リズムに乗り切れていない。
デビューまもなく、まだ歌いこなせる実力が無かったということなのだろう。
もっとも、曽根の魅力は良い意味での大衆的なところにあるように思う。
これが別の歌い手が歌っていたら、また違うかたちになったろうと惜しい。
新人ということで方向性がまだ定まっていなかったのか、キャリアアップの冒険だったのだろうか。
小畑実や灰田勝彦だったらどうだったろう、と考えずにいられない。

24 白いジープのパトロール
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1958

昭和33年3月発売のヒット曲。
「若いお巡りさん」の兄弟篇ともいうべき作品。
「若いお巡りさん」同様に曾根の歌唱は出来上がっていないように感じるのは、この歌がレコードよりもステージで歌う方がいっそう映えるであろう歌だからか、曽根がこの路線にあまり乗り気ではなかったらなのか、後年の堂々たる歌唱を知っているからだろうか。
編曲が絶妙で、歌の題材をうまく表現している。

25 ジョッキで乾杯
作詩:井田誠一 作曲:利根一郎 1957

昭和32年4月発売のヒット曲。
聴いていて楽しくなってくるような軽快な曲調。
曽根十八番の呼びかけソング。
こういう歌が映えるのは曽根と若原一郎が双璧だろう。
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by hakodate-no-sito | 2011-05-01 06:38 | CD視聴感想 | Comments(4)