年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


by hakodate-no-sito

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

最新のコメント

とんかつ女将さま コメ..
by hakodate-no-sito at 15:22
こんばんは。初めてコメン..
by とんかつ女将 at 23:16
if194552さま ..
by hakodate-no-sito at 20:30
if194552さま ..
by hakodate-no-sito at 21:54
てんてこ舞いさま お返..
by hakodate-no-sito at 21:35
こんにちは、てんてこ舞い..
by てんてこ舞い at 08:28
はじめまして 私はシャ..
by ゆう at 17:04
てんてこ舞いさま 御無..
by hakodate-no-sito at 20:04
まささま 感情としては..
by hakodate-no-sito at 19:40
函館のシト さま ..
by てんてこ舞い at 13:47

最新の記事

低音の魅力を映像でもどうぞ
at 2016-02-24 12:52
わたしのデュークエイセス
at 2015-09-07 11:17
「父・川内康範を語る」飯沼春樹
at 2015-06-08 23:58
川内康範は函館生まれ
at 2015-06-08 23:56
徹子の部屋 京塚昌子さんをし..
at 2015-05-04 00:34

記事ランキング

フォロー中のブログ

ないしょばなし
ブック・ダイバー(探求者...

リンク

検索

カテゴリ

全体
つぶやき
歌・唄・うた
テレビ
菊池章子
デュークエイセス
古今俳優ばなし
読書感想
CD視聴感想
未分類

タグ

以前の記事

2016年 02月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 05月
2008年 08月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月

ブログパーツ

最新のトラックバック

venusgood.com
from venusgood.com
www.whilelim..
from www.whilelimit..
http://while..
from http://whileli..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
http://en.wi..
from http://en.wiki..
boom beach c..
from boom beach che..
石井好子 (20) 文藝..
from CORRESPONDANCES
NHKドラマにもなった「..
from 劇団新芸座ブログ

<   2011年 06月 ( 5 )   > この月の画像一覧

石坂洋次郎をちょっと読んでみた

石坂洋次郎が苦手だ。
もともと青春ドラマ自体が苦手だが、石坂洋次郎の道徳教科書的な価値観が加わると裸足で逃げ出したくなる。
私は古い映像作品でも、いや古い方だとなおさら楽しんで観るクチだが、原作・石坂洋次郎と知るとストップ。
古臭い、と一刀両断、脳内で視聴拒否信号が出る。

・・・と、ずっと石坂洋次郎から逃げ回っていたのだが「もしかして、これは思い込みで原作を読めば面白いとなるのではないか」
と、ふと思い立って、いくつか読んでみたが・・・結論から言うと未だに好きにはなれないままだ。

ただ、以前は食わず嫌い的な拒否反応だったのが、明確にどうして嫌なのかが自分の中でハッキリわかった。
それと同時に今まで見えていなかった石坂洋次郎の凄さや暗黒面も知ることが出来たし、石坂作品でも作品次第では愛好できる作品があるということも知った。
そういう意味では収穫はあったのだ。

そんな発見、というものでもないのだろうが、いくつか書いてみたい。
ただ、私は活字とは慣れ親しんでいるが、そう深く考えて読む性質では無かったし、小説を読むのは実は苦手で、決して読巧者では無い。
残念ながら、全部の作品に目を通した訳では無い。
だから、見識のある人からすれば見当違い、見方の甘さを感じるかも知れないが、その辺は御容赦頂きたい。
あくまで、パラパラめくって感じた、(今どきの)ひとりの若者の独断と偏見による私見である。

----------------------------------

さて、私が石坂作品の特徴、だなと思ったこと。
箇条書きで上げていこうか。その方が見よいと思う。
・セックス
・糞尿譚
・自己主張
・ユーモア
この4つが目に付いた。
そう多くは読んでいないが、氏の作品からこの4つを除いたらおそらく何も残らない。
石坂作品はこの4つの要素から作られていると言っても過言ではないと思う。


まず、セックス。
もっとも、作家と呼ばれる人たちでセックスに興味の無い人はそう多くない、と呼べるほど、皆さん好き者だ。
・・・失礼。人間最大の謎にして、もっとも追いかけ甲斐のあるテーマなのだから、執心して当たり前なのだ。
舟橋聖一、丹羽文雄・・・石坂と同時代に活躍した作家でも愛欲、官能を描かせれば天下一品と呼ぶべき大家が多くいた。
彼らと石坂の違いは何か。
石坂のそれは、どこか子供じみた執着なのだ。
いや、間違いなく好き者なのは断言できる。実際石坂も自身の性生活について赤裸々に告白した随筆を残している。
ただ、石坂が書くと、どこかユーモラスなのだ。
例えば舟橋・丹羽だと耽美・愛欲の世界になるものが、石坂だと小学生が「××××(女性性器の名前)」と叫んでニヤニヤしている
ような感じになる。
勿論そういう世界が書けない人では無いのだが、それでもシリアスに徹しきれないというのか、どこか笑ってしまうような面が顔を出してくる。
そして、氏が書くセックス描写となると、図抜けてインパクトがあるのが、女性性器か陰毛か乳房か、について。実にストレート。
うなじがどう、とか、脚がどう、瞳がどう、黒髪がどう・・・ではない。せいぜい、あとは、ほくろがどう、ぐらいだろう。
異性描写に定評のある男性作家は女性性器を見ると吐き気がする、汚い、と思っている人が多いと吉行淳之介が随筆でさりげなく漏らしていたが、
石坂洋次郎に関してはその流れとはまるで無縁らしい。これほど女性性器を愛でているいる人はそうはいまい。
確かに健康的といえば健康的、なのだろうか。
未婚で異性関係の少なく、草食系と呼ばれる世代に属する男の私にはよくわからない。


次は、糞尿譚。
字の通り、糞と尿にまつわる話だ。
これに関する描写も、石坂作品では御馴染みどころではないぐらいに御馴染みだ。何故にそこまで執心するかと言いたくなるまでに出てくる。
女性の屋外での放尿、肥溜めに落ちた、人糞を練って遊びたくなった・・・列挙すればきりが無いので止める。
意外と作家で糞尿に固執する人は多い。
安岡章太郎はそれらのエピソードをまとめたアンソロジー随筆集を編纂しているし、遠藤周作の狐狸案シリーズ・エッセイでも定番ネタだ。
ただ、石坂のように小説に欠かさず描く人はそう多くは無いと思う。
石坂の随筆に、幼少時に野良仕事の合間に原っぱでかがんで放尿するおばさんたちの姿をよく見た、と書いているものがある。
そういう光景を日常茶飯事で育ってきたことが、糞尿にまつわる話に抵抗が無く、よくあることとして書ける理由なのだろう。
ただ、それだけで解決するには難しいぐらいの描写の多さである。
やはりそれに加えて、糞尿への性的興奮があったのだろう、と私は考えている。
実際、特に子供はそうなのだが、糞尿への関心が並々ならぬものが少なくない。
犬などは自分の尿をなめることは決して珍しくない。
おそらく、動物的な本能の行動なのだろう。
それにしても、この石坂の執着ぶり。
これを認めぬ世間へのささやかなレジスタンス的意味合いもどこかにあったのでは、と考えるのは深読みしすぎなのだろう。
ただただ、好きだから、強いこだわりがあるから書いていたのだろう。

正直に言って、私はかなり引いている。


3番目は自己主張。
石坂作品に登場する人物は、とかく自己主張がハッキリしていて、自分の考え、物の見方をキチンと持っている。
生真面目だったり熱かったりちょっと斜めからの見方だったり・・・よく、まあ・・・というまでに自分の意見をしっかり述べる。
特に若者の主張、能弁ぶりは大学弁論部も真っ青である。
この年齢のときには、こんなに物を話せるだけの知識も経験も勇気も無いのではないか、と思うのだが、石坂は
「うまくまとめて話すことは出来ないだろうが、心の中ではきっとこう思っているはずだ」として、敢えて作中人物に話させているという。
小説ならではの嘘であり、また真でもある。
これこそがかつて絶大な人気を博した理由であり、また石坂作品を今日敬遠させている理由だと思っている。
ただ、歴史は繰り返されるもので、ファッションのように案外今の若者には新鮮に写るということも考えられなくは無い。

ただ、私はここが苦手で、共感し難い。
(これは私の性格も絡んでくることだから必ずしも石坂がどうだからというものではないと思うが・・・)


ラストはユーモア。
これはもはや天性のものとしか思えないように見せて、一種サービス精神的なものも感じる。
セックスにまつわる話を書いても、エロス、官能というより艶笑譚に仕上げてしまう。
石坂作品はどこか、人生は喜劇である、という言葉がしっくる来る一面を持っているのではないか。
シリアスな、敬遠してしまいそうなテーマの作品であっても、その要素がしっかり含まれている(含まずにはいられない)から、安心して読める。
緊張と緩和が巧みなのだろう。
このユーモリスト精神は、シリアスな悲劇の主人公に走りたがるものが多い中で、まさに特色すべき点だろう。
昔はユーモア作家は一段も二段も低く見られたそうだが、小品な短編を生むより、ユーモア作品を書く方がよほど難しいと私は思う。
(もっとも、あまりに下らないお粗末な作品もあるだろうが、それについては話は別だ)
人間には向き不向きというものもある。シリアスな作品が合う人もいればコメディが合う人もいる。どちらも良ければそれでいい。

----------------------------------

こう書いていると、石坂洋次郎という人は傑物だ、とやはり思わずにはいられない。
でも、その一方で嫌悪感も拭いきれないのも事実だ。もう、これは生理的な問題なのだろうと思う。
そんな私でも、これは良いという短編は確かにある。
どこかの文庫本で構わないから、そういう石坂の光る短編の選集でも組んで貰えれば有り難いのだが・・・。

More
[PR]
by hakodate-no-sito | 2011-06-25 22:26 | 読書感想 | Comments(0)

視聴感想「Golden☆Best 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」(Disk2)

e0134486_4365412.jpg


01:ジャパニーズ・マンボ
作詩:宮川哲夫 作曲:多忠修 1955

昭和30年6月発売。
マンボブームの最中に発売された怪作。
野村、半ばヤケクソになって歌っているいるように感じるのは気のせいだろうか。
こういう歌は野村雪子よりも雪村いづみの方がうってつけなのだが・・・。
多忠修の曲は、一連のトニー谷へ書いた曲の延長線にあるように思う。
何といっても宮川哲夫の見事に世相を斬っている詩が凄まじい。
レコード会社まで槍玉に上げているのはドキリとさせられる。
(なお、三味線マンボはビクターから市丸、マドロスマンボはコロムビアから青木光一の歌で実際に発売された実在の曲)

02:ポッポーとあの汽車で
作詩:吉川静夫 作曲:島田逸平 1960

昭和35年4月発売。
演歌調の流行歌。
♪ポッポー
というフレーズが強調されていて、それが非常に耳に残る。
それによってヒットを狙おうという考えがあったのだろうか。

03:潮来通いのポンポン蒸気
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1958

昭和33年4月発売。
潮来を舞台にした演歌調の作品。
昔ながらの渡し舟ではなく、蒸気船という発想が面白いように感じる。

04:ジンタ船
作詩:清水みのる 作曲:清水保雄 1958

昭和33年年12月発売。
「つんつん津軽の雪娘」のB面曲。
詩が清水みのるだからなのか、田端義夫の一連の○○船歌謡を彷彿させる1曲。

05:娘船長さん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年2月発売。
野村お得意のマドロス歌謡。
パンチの効いた野村ぶしで軽やかにそれでいて力強く歌っている。

06:娘舟方さん
作詩:清水みのる 作曲:島田逸平 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
日本調の叙情的な流行歌。
野村は、現在の演歌歌手のルーツとでもいうような歌唱で歌い切っている。
こぶしを交えつつ、しっとりとした情感を醸し出すそれには歌手としての成熟ぶりを感じる。

07:燈台舟唄
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1957

昭和32年1月発売。
日本調、演歌テイスト溢れる作品。
この手の歌は田端義夫が知られているが、野村の歌唱も決して負けてはいない。

08:佐渡だより
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1959

昭和34年2月発売。
民謡をベースにした、日本調演歌。
野村の日本調演歌路線も、また独自の味わいがあって魅力がある。
そして、そこには現在の演歌歌手のルーツというべき歌唱があるように思う。

09:名月黒田節
作詩:柴田幸昌 作曲:清水保雄 1956

昭和31年10月発売。
股旅歌謡だが、曲間に黒田節が挿入されるなどの工夫がある。
野村の黒田節の歌唱はいささか荒っぽく、あまり感心しないが、歌が一本調子にならないという点では成功している。

10:真室川音頭 
山形県民謡 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
林伊佐緒が洋楽調にアレンジした「ブギウギ真室川音頭」や、久保幸江の歌で知られる「ヤットン節」の原曲。
民謡歌手独得の臭みがなく、それでいて、適度にこぶしが効いていて、耳なじみの良い歌唱。
野村の才能が如何なく発揮されている。野村の民謡は一聴に値する、
CDに選曲されたことは有り難いし、慧眼。このアルバムの目玉だと思う。
贅沢を敢えて言うならば、全曲収録・・・またはアルバムごと単体でCD化すべきではないだろうか。

11:花笠踊り
山形県民謡 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
昭和31年に三橋美智也の歌声で大ヒットし、一躍全国区となった山形県民謡。
「花笠音頭」という題名でも知られている。
三橋のイメージがどうしても強いが、野村の歌唱もなかなか良い。

12:飛騨の村祭り
作詩:伊吹とおる 作曲:黒野義勝 1959

昭和34年10月発売。
故郷・飛騨を想うこころを歌った望郷歌謡。
編曲も凝った面があり、なかなか聴かせる1曲。

13:おんな講道館
作詩:吉川静夫 作曲:竹村次郎 1964

昭和39年11月発売。
この歌が野村雪子のラストレコーディング曲。
39年いっぱいで歌手活動を止め、翌40年春に結婚、完全に市井の人となった。
最後を飾るに相応しい、柔道を題材とした求道演歌で、野村の歌唱も艶と力強さがあって素晴らしい。このジャンルの中では名曲の類に位置するといっても大袈裟ではないと思う。
本人はやり尽くしたという想いだったのだろうが
私には歌い手として余力を残した中の引退で、未完の大器に終ったように思える。
まだまだ歌えただろう、これからだったろう・・・と残念でならない。
余談だが、前奏途中に野村と思しき咳払いの音が入っている。

14:東京のお雪ちゃん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年7月発売。
津軽から上京して今は東京で歌い手に・・・と野村雪子本人をモデルにしたような望郷歌謡。
野村のキャッチフレーズのおばこも盛り込まれていて、ファン向けに作られたのでは、と感じる。

15:つんつん津軽の雪娘
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1958

昭和33年12月発売。
「ジンタ船」はB面にあたる。
手拍子を交えたくなる、軽快な演歌調の作品。
この歌に限らず、野村は自分をモデルにしたような歌がまま見受けられる。
自叙伝歌謡のさきがけのひとりでもあったのだろうか。

16:青森発最終連絡船
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1959

昭和34年6月発売。
連絡船が舞台の、悲恋・別離の歌。
まるで松山恵子の歌の世界に近いものを感じるが、野村の歌唱もしっくりと来る。
曲中に奏でられるピアノ演奏も印象的。

17:すずらん馬車
作詩:吉川静夫 作曲:平川浪竜 1956

昭和31年10月発売。
実に、菅原都々子の「憧れは馬車に乗って」によく似た曲であり、柳の下の泥鰌を狙ったのではと勘ぐりたくなる。
聴いていて、その類似ぶりには苦笑しつつも、なかなか耳なじみ良く、さらりと聴ける作品でもある。
菅原のそれと聴き比べをしてみるのも一興ではないだろうか。
こういう歌を笑って楽しむのも、流行歌堪能法のひとつなのは間違いない。

18:アイヌの踊子
作詩:吉川静夫 作曲:豊田一雄 1958

昭和33年2月発売。
野村雪子のヒットとしては最後尾に属する作品。
北海道のアイヌ民族の娘ごごろを歌った歌だが、曲自体には特別な工夫は無い普通の流行歌。
野村の歌唱は他の歌にあまり見受けられない艶っぽさがあり、新たな魅力を引き出すことに成功している。

19:コタンの花嫁さん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年9月発売。
アイヌ民族の嫁入りを歌った、童謡的世界観の幻想的なムードの歌である。
吉田正の曲および編曲は北海道というよりも、東南アジアのオリエンタルムードに近いもので
当時の認識がどの程度だったのかも知ることが出来る。
野村の歌唱は作り手の意図をよく掴んでいて、的確に歌い切っているように感じる。

20:アラ、どういうふう
作詩:佐伯孝夫 作曲:利根一郎 1955

昭和30年3月発売。
「初恋シャンソン」のB面曲。
美ち奴の「あゝそれなのに」の系統に属する日本調コミックソング。

21:ねんねこお月さん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1958

昭和33年10月発売。
津軽を舞台にした望郷歌謡で野村にはうってつけの1曲。
ピアノの前奏・間奏が印象的。

22:また来いよ、学生さん
作詩:宮川哲夫 作曲:島田逸平 1959

昭和34年10月発売。
「飛騨の村祭り」のB面曲。
軽快な曲調が楽しい1曲で、野村の歌唱もカラッとした陽性で聴いていて心地良い。
ただこの歌、本来は男声で歌うほうが向いているような気がする。
藤島桓夫あたりが歌ったらどうだったろう。

23:よさこいあばよ
作詩:吉川静夫 作曲:渡久地政信 1956

昭和31年4月発売。
南の明るさを感じさせる、陽性の失恋ソング。
きっぷのいい野村の歌唱が曲とよく合っていて、
後の水前寺清子らが得意とした援歌のルーツにつながってくるのではないだろうか。
ただ・・・この歌、本来は男声で歌うほうが向いているような気がする。
[PR]
by hakodate-no-sito | 2011-06-07 04:48 | CD視聴感想 | Comments(0)

視聴感想「Golden☆Best 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」(Disk1)

e0134486_436626.jpg


01:初恋シャンソン
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1955

昭和30年3月発売。
ブンチャッチャ・・・のリズムで手拍子を入れたくなる演歌調の作品。
マーキュリーからビクターへの移籍第1弾シングル。
人気は上り坂であり、大ヒットという幸先の良いスタートを切ることが出来た。
吉田メロディのヒット曲のひとつだが、あまりコンピレーション盤に収録されることは多くない。

野村雪子の歌声は、今のいわゆる演歌にカテゴリされる人たちのルーツ、元祖といっていいのではないか。
こぶし、うなり、ビブラート・・・たまらない郷愁を誘う親しみやすい大衆的な歌声。
流行歌(歌謡曲)と演歌の間にいる人に感じる。
彼女がいて、その後松山恵子が出て、島倉千代子が出て、畠山みどりが出て、都はるみが出て、現在の演歌歌手的なものの下地が形成された
ように思う。演歌の女王扱いされる美空ひばりは、元来演歌のカテゴリの人ではない。
演歌歌手のルーツの一人としても、野村雪子は抑えておきたい。

02:相惚れワルツ
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1955

昭和30年6月発売。
マーキュリー時代のヒット曲「初恋ワルツ」(昭和29年/1954)の続編といえる作品。
柳の下に泥鰌は2匹いたらしく、この歌もヒットとなった
ワルツという題名だが、曲も歌声も多分に陽性な演歌調である。

03:ちょい惚れ月夜
作詩:井田誠一 作曲:清水保雄 1955

昭和30年10月発売。
歌詞ではボカしているが、曲調からいって、マドロス歌謡に位置づけできる作品。
明るく楽しい軽快な1曲。

04:りんご月夜
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1958

昭和33年3月発売。
「あんこマドロス」のB面曲。
藤島桓夫や松山恵子のマーキュリー時代の作品を彷彿とさせるが、ビクターの演歌調吉田メロディ。
野村の歌唱は曲をよく消化していて、パンチばかりが能ではないことをしっかりと示した好唱。

05:椿咲く島、恋の島
作詩:吉川静夫 作曲:平川浪竜 1957

昭和32年3月発売。
流行歌では御馴染みの大島アンコ歌謡。
野村はパンチの効いた明るい曲調の歌が売りということになっているらしいが、本領はむしろ、静かな望郷演歌や
民謡調にこそあるのではないのか、という気がする。

06:島の娘は純情よ
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年11月発売。
ブンチャッチャのリズムに乗せた、手拍子ソング系の演歌調流行歌。
曲調といい題名といい、初代コロムビア・ローズの「娘19はまだ純情よ」を思い浮かべずにはいられない。
野村は、ビクター入社の頃と違い、既に歌唱に安定感が出てきている。

07:あんこ悲歌
作詩:豊田一雄 作曲:豊田一雄 1958

昭和33年7月発売。
大島アンコ歌謡。
離島ならではの牧歌的ムードが良く出た作品。
野村の歌もそのムードを見事に醸し出している。

08:あんこマドロス
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1958

昭和33年3月発売。
マドロス歌謡の王道的作品。
「おばこマドロス」に並ぶ野村のマドロス歌謡の代表曲。
軽やかさの中に、どこかしっとりとしたムードがある作品。

09:花の港のマドロスさん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年10月発売。
パンチとこぶしにうなり…これぞ、野村ぶしの決定版というような歌唱が印象的なマドロス歌謡。

10:江戸っ子マドロス
作詩:板倉文雄 作曲:平川浪竜 1959

昭和34年3月発売。
日本調マドロス歌謡という、変り種の流行歌。
さすがにマドロス歌謡もこの時期には頭打ちになっていたということなのだろうか
考え・工夫は面白い。

11:おばこマドロス
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1955

昭和30年11月発売。
野村雪子の大ヒット曲であり、コンピレーション盤で収録される機会がある数少ない曲。
この当時人気だったマドロス歌謡で、野村も軽やかに唄っていて、聴いていて楽しく、心地良い。
この歌のヒットで、野村=おばこ、という結びつきで捉えられることが多くなった。
おばこは東北地方の方言(野村は青森出身)。
いくつか意味を持つ言葉だが、野村に対しては娘っ子という使われ方がなされている。

12:おばこ船頭さん
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1956

昭和31年4月発売のヒット曲。
三橋美智也の「おんな船頭唄」にアイデアを得た、柳の下の泥鰌的な1曲。
だが、さすがは吉田正で、二番煎じと馬鹿に出来ない。
なかなかよく出来た唄で、野村の歌唱も良い。
船頭ものを野村ぶしで、の試みは成功している。
この唄の成功で以後も、おばこシリーズとして、おばこ××は野村のメイン路線となっていく。

13:おばこなぜ泣く
作詩:清水みのる 作曲:島田逸平 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
叙情的香りのする新民謡的な作品。
清水みのるの詩の素朴さが、素晴らしい。
野村のしっとりとした歌唱は歌の良さを引き出すことに成功している。
一聴の価値がある1曲だと思う。

14:おばこと信号(シグナル)
作詩:伊吹とおる 作曲:清水保雄 1959

昭和34年5月発売。
ブンチャッチャ・・・のリズムにビッグバンドのサウンドを絡ませた変り種的作品。
演奏だけ聴くと、ビッグバンドジャズ調に耳を引くが、中身はおなじみの野村ぶし。
同工異曲にならないように、という工夫は買いたい。
案外、クセになる歌ではないだろうか。

15:おばこ山唄
作詩:横山賢一 作曲:豊田一雄 1961

昭和36年1月発売。
しっとりとした味わいのある民謡調の作品。
昭和35年頃から野村雪子の歌唱は変わったように感じられる。
それまでのパンチを効かせ、こぶしと唸りを多用した独自の歌唱から脱却し、一段上になった。
題名におばことあるが、既におばこイメージを野村からは感じ取れない。
成熟した大人の女性の魅力だ。

16:おばこ馬子唄
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1956

昭和31年6月発売。
野村の代名詞おばこを冠にした曲のひとつ。
パンチの効かせた野村ぶしと民謡調の曲のバランスがうまく取れている。

17:三吉馬子唄
作詩:杉本襄之 作曲:大村能章 1955

昭和30年8月発売。
ベテラン作曲家である大村能章による民謡調の流行歌。
良い歌ではあるが「博多夜船」の曲調が多分に混ざっている。
ハイハイドウドウの掛け声は、島倉千代子の「りんどう峠」が浮かんでくる。
聴き比べもまた一興ではないだろうか。
野村の歌唱は荒削りで拙い面があるも、やはり光るものがある。

18:三里馬子唄
作詩:清水みのる 作曲:島田逸平 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
民謡調というより、新民謡といった方がしっくる来る。
野村の美声がよく映え、情景が浮かんでくる。
以前のように無駄にパンチを効かさず、引くところは引いていて、
歌手としての技量が上がっていることがわかる。
隠れた名曲、といっても差し支えないと思う。

19:お鶴ひとり旅
作詩:高木勉 作曲:大村能章

昭和31年11月発売。
大村能章は多作な作家の宿命なのだが、デジャヴ感満載な歌をよく発表している。
特に後年はその傾向が強く、この歌も東海林太郎の日本調流行歌を彷彿とさせるものがある。
が、野村の歌唱によって、かろうじて差別化は成功している。

20:母恋い浪曲
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1957

昭和32年6月発売。
当時流行していた望郷歌謡、ふるさと歌謡の要素を取り入れた、流れ旅の人々を唄った演歌調の作品。
都会派ムード歌謡の印象が強い吉田正だが、実際にはその傍らで多くの望郷演歌・ふるさと歌謡も手掛けている。その面での再評価も今後行われていくべきではないだろうか。

21:相馬盆唄
福島県民謡 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
野村雪子の歌唱のルーツは民謡であることを確認させられる1曲。
艶があり、また堂々たる歌唱で、一聴の価値がある。
年齢を重ね、歌に磨きをかけてきたことがわかる。

22:大漁唄い込み
宮城県民謡 1961

昭和36年発売のLP「野村雪子の民謡」収録曲。
10代の頃の歌声にはあまり感じないが、20代を迎えた頃の歌声には若かりし頃の金沢明子に近しいものを感じる。
金沢は硬質で尖ったしびれが来る高音だったが、野村は抜けがある高音のように感じる。
流行歌手の余芸ではなく、本芸のような歌唱。それでいて、民謡歌手よりも親しみやすい歌唱。
もっと長く唄っていたら、演歌と民謡をつなぐ人になり得たのでは、と思えてならない。
[PR]
by hakodate-no-sito | 2011-06-07 04:36 | CD視聴感想 | Comments(0)

視聴感想「Golden☆Best 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」(その1)

e0134486_428373.jpg

「ゴールデン☆ベスト 野村雪子 初恋シャンソン~おばこマドロス」
VICL-63733~4 3,000円(税込)


昔、野村雪子という歌い手がいた。
今、この名前を聞いて、反応できる人はそう多くないと思う。
昭和20年代後半から30年代半ばにかけて人気歌手の座にあり、引退が39年。
もう半世紀近く前の話になる。
以後カムバック等も一切なく、平成12年、久々にその名を見かけたと思ったらそれは訃報だった。

ヒット曲等もLPやCDで復刻されることが少なく、時折1~2曲、コンピレーション盤の類に入る程度。これでは、知ろうにも知られない。
当時を知る人、または余程の好事家でもない限り、知る人がいなくなってしまったのは当然といえば当然。

そんな幻の歌手だった野村雪子のベスト盤が出ると知って、驚いた。しかも2枚組だという。
知る人も少なくなった歌手にそんな根強い需要が未だ残っているのか、という驚きと疑問がいっぺんに襲ってきた。
しかし、これだけ長い間、半ば黙殺に近い扱い・冷遇されてきたのだから、2枚組ぐらい当然の措置か、と思い直した。
ファンにとっては、待って待って待ちわびた、待望のベスト盤であるのには違いない。
一種のコレクターズ・アイテムなのだから。

そして、何とも形容しがたい気持ちの中で、この2枚組アルバムを聴いてみた。
正直に申し上げると「2枚組は多い、1枚組でよかった」というのが私の感想だ。
昭和のSP盤時代の戦後流行歌ファンや野村雪子ファンならば、また違う想いを抱くだろうが、一般向けには厳しいのではないか。
あの時代の歌の良さは確かに詰まっているが、その分古い歌のマイナス面もしっかりくっついてきたという気がする。
野村の歌唱は個性的でアクが強い上、歌によっては荒削りな作品もある。
(これは多忙な中でのレコーディングで曲を満足に消化しきれなかったということであり、当時として珍しいことは無い)
その辺りの粗も、流行歌好きなどには良いのだが、さして興味の無い人が飛び越えて楽しむには、いささかハードルが高いように思う。
権利関係の複雑化でCD収録が難しくなっているマーキュリー時代の音源の不在もマイナスになっていないまでは言い切れない(ただし、これはインディーズ等ではCD化されている)。
他にもいろいろ思うことがあるのだが、2枚組はやはり難しいという考えを捨て去ることは出来なかった。

勿論、良い歌はいっぱい収録されている。
何より、これまで幻の歌手だった野村雪子の音源が全45曲とというボリュームで復刻されたのは快挙というべきことだ。
だが、果たしてそれが本当に正しかったのか。
もう少し違うかたちで、玄人状態のファン以外でも、気軽にとっつきやすい形で出すことは出来なかったのだろうか。
こういう復刻の仕方だと、野村雪子の復刻は今後進むことは無いのでは、という不安も胸中に覆っている。勇み足過ぎたのではないのか。
本来、絶賛・歓迎すべきはずの復刻盤なのだが、複雑な想いにとらわれたままだ。

ただ、野村雪子に少しでも興味のある人は絶対抑えておくべき、と断言する。
確かに好きな人なら嬉しいアルバムになる。
マイナー好み・稀少品好みの人にも、たまらないと思う。
昭和の流行歌~歌謡曲を知るには良い材料に間違いなくなるはず。
ノスタルジーを誘うものもみっちり詰まっている。
演歌調・民謡調の歌が好きなら、すんなり耳に入ってくるのではないだろうか。
今日の演歌歌手のルーツというべき一面があり、歴史資料としての価値・・・。

初心者でも、ヒット曲から聴いていくうちにステップアップして他の歌も…というときに、この曲数の多さは有利。
多ジャンルに渡っていて玉石混合、このアルバムの中で様々な体験が可能になっている。
もし、迷っているならば先行投資と考えるなり、積ん読ならぬ積聴にしてでも、まず手許に確保するべし。
45曲3000円、収録曲数も内容も含めて、この価格はお買い得と言っていい。
私は今後野村の復刻はしばらく無い、と睨んでいる。これを逃してはいけないと思う。きっと後悔するだろう。

辛いことを書いてしまったが、野村雪子という歌手は忘れ去られるには惜しい人であり、また歌謡史においても重要な位置にある人だ。
今回のアルバム発売が期に、しっかり見返すべきだと思う。
様々な意味合いでハードルが高いアルバムではあるが、越えた先には得難いものが待っている。
前にも書いたが、少しでも興味を持たれた方はぜひとも手に取って聴いてみて欲しい。
[PR]
by hakodate-no-sito | 2011-06-07 04:28 | CD視聴感想 | Comments(0)

視聴感想「Golden☆Best 平野愛子 港が見える丘~君待てども」

「ゴールデン☆ベスト 平野愛子」というCDが最近発売された。
買おうか買わないか迷ったのだが、思い切って買って聴いてみたところ、想像以上に良くてニンマリしている。
平野愛子の、その「濡れたビロウドの歌声」が心地良く、耳に軽やかに響いてくるだけで充分なのだが作品にも割合恵まれていて、良い歌が多い。
同時に発売された「ゴールデン☆ベスト」のうち、小畑実と曽根史郎については当ブログでも感想を書いているので、この平野愛子についても、感想を綴ってみたいと思う。
選曲についても以前発売されていたベスト盤とは重複する曲は少なく、また初CD化音源や久々にCDに収録される歌、高額CD-BOXにのみ収録されている歌、など容易に聴けなかった歌が多数収録、曲数も21曲と以前のベスト盤よりも多く収められ、そしてリーズナブルな価格・・・など、様々な面からも非常にお得な1枚に仕上がっている。

明朗とは違う、どこか愁いを帯びた歌が聴きたい
ちょっと斜に構えたムードのある歌が聴きたい
そんな人にお薦めしたいアルバムだ。

平野愛子については、以前ブログで記事化しているので、こちらも併せて目を通して頂けるとありがたい。http://hakozsito.exblog.jp/12302759/

e0134486_556599.jpg

「Golden☆Best 平野愛子 港が見える丘~君待てども」
VICL-63731 \2,000(税込) ビクター


01:港が見える丘
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1947

昭和22年4月発売の大ヒット曲。
世に出てから60年を超えた今なお歌われて愛されている
昭和歌謡のスタンダード・ナンバー。
やはり創唱者である平野の歌声は唯一無二。
他の歌手とは違う、独自の世界観があることを今回の聴き直しで再確認させられた。
この歌が好きな人はぜひとも、オリジナル・シンガーの平野も聴いてみて欲しい。
昭和40年代にステレオで再録音されているVer.も、伴奏・編曲・歌声・・・どれも申し分なく
叶うならば、こちらも一聴頂きたいのだが、高額のCD-BOXか中古LPでしか聴く手立てが
現状では無いのが残念でならない。

追記)
私は譜面について、どうと言えるだけの知識は無いのだが、歌本に載っていた楽譜を見ていて気付いたことがある。
歌い出しの
♪あなたと二人で来た丘は港が見える丘・・・
という部分、ここまでブレスなしで一気に歌うことに譜面上はなっている。
だが、譜面どおり歌っている歌手はそう多くない。
区切って歌う方が歌いやすく、またムードを出しやすいからなのだろうか。

02:君待てども
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1948

昭和23年1月発売の大ヒット曲。
映画「君待てども」主題歌。
こちらも「港が見える丘」ほどでは無いものの、今なお愛されている
昭和歌謡のスタンダード・ナンバー。
戦争未亡人の哀しみとその果ての再起を誓った歌としても、恋に破れた女の嘆きとも取れる
詩の普遍性はただただ見事である。
この歌も、昭和40年代にステレオで再録音されているVer.が一聴の価値が有り。
唄いこまれて、そして円熟した平野の歌声も気軽に聴ける日が来ることを願う。

03:白い船のゐる港
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1950

昭和25年1月発売のヒット曲。
平野愛子のヒット曲を挙げていくと「港が見える丘」「君待てども」に次ぐ
3番手に位置するヒット。
大ヒット2曲と比べると、楽曲としての出来や一般知名度という点では劣るものの
平野愛子の魅力に溢れた名曲であることは間違いない。
平野の歌声には安定感すら漂っている。

04:お妙子守唄
作詩:佐伯孝夫 作曲:飯田信夫 1946

東宝映画「斬られの仙太」主題歌。
昭和21年10月発売予定・・・も未発売(発売されてすぐ販売中止になったともいう)
に終った、平野愛子幻のデビュー曲。
この歌が幻になってしまったのは東宝争議で映画の製作が延期になってしまった(映画封切りは昭和24年)からとも、映画がGHQに睨まれたこと(当時GHQはチャンバラ映画を軍国主義的であるとして禁止・取り締まっていた)による自粛とも、いや実は普通に発売されていたとも諸説あり、定かではない。戦後まもなくで混沌としており、真相を知っている人は当事者も含めて、誰もいないというのが本当のところかもしれない。
(もし、御存知の方がおられましたら、ぜひとも御教授の程を)
平野にとっては災難だったろうが、おかげでデビュー曲が「港が見える丘」となり
それが歌謡史、戦後史に名を遺す1曲となったのだから、災い転じて福となったことになる。
この歌はしんみりとさせられる佳作ではあるが、新人のデビュー曲としてはインパクトに欠ける。

05:もう帰らない
作詩:井田誠一 作曲:飯田信夫 1947

昭和22年8月発売。
飯田信夫は映画音楽を多く手掛けた作曲家だが、戦中から戦後にかけて流行歌も手掛けている。
この歌はメロディは良いのだが、歌とはちょっと違うように思う。
やや歌い辛い面もあるこの歌だが、平野はしっかり消化して歌いこなしているのはさすがとしか言いようが無い。
前奏がさすがに凝っていて、この作品の聴きどころの一つになっている。

06:星ひとつわが胸に
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1948

昭和23年9月発売。
A面が竹山逸郎・中村耕造の「異国の丘」。
A面に合わせたのか、こちらも往年の古賀メロディ風な面を持つ歌になっている。
戦後というよりも戦時歌謡だが、ギターをうまく使った編曲でそれとはかろうじて差別化させている。
平野の歌唱は、歌の高音部はやや割れ気味であるものの、よく歌っている。
ただ、この歌は平野向きとはどうにも言い難い。
どちらかといえばコロムビア的な感じがするが、ビクターだと竹山逸郎の歌唱がしっくりくるように思う。

07:さよなら銀座
作詩:東辰三 作曲:東辰三 1950

昭和25年9月発売。
この年の9月27日、東辰三は仕事中に脳溢血で倒れ、急逝。
この歌の作成中はそんな兆候は無かったのだろうが
運命の不思議さを考えてしまうような詩である。
ただし、これは知っていればの話で、別段妙な歌では無い。
東―平野ラインならではの、メロウでアンニュイなムード溢れる作品で、
佐野雅美(佐野鋤)による編曲が印象的な1曲。

08:なぎさの別れ
作詩:井田誠一 作曲:永井龍二 1950

昭和25年10月発売。
しっとりとした曲調といい、港の別れを唄った詩といい、
まさに平野愛子ワールドといえる作品。
1番だと♪肩を抱かれて 歩いていた
の部分だが、この部分がどうも字余り気味なのが気になる。
もう少し、ここのメロディが締めるなり、もう少しビシッと伸ばすなりが
あれば、もっと良かっただろうと、少々残念に思う。

09:愛の散歩
作詩:井田誠一 作曲:松井八郎 1950

昭和25年10月発売。
明るくシックな曲調の作品。
平野の歌唱は悪くは無いが、この歌にはもう少し爽やかさが欲しい。
灰田勝彦ならばどうだったろう、と、どうしても考えてしまう。
これは贅沢というものなのだろうか。

10:嘆きの踊り子
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1951

昭和26年12月発売。
既にこの時期には、平野はビクターからテイチクへ移籍し新譜も発売していたが
ビクターでも並行して、在籍時代に録音していた歌を発売していた。
この歌は、旅回りのバレリーナの嘆きを唄った作品。
一番だと♪泣いているよな 
の部分は、もう少し溜めて、引っ張って欲しかった。
そこが今ひとつこなしきれていないように感じた。
舞台などでの歌唱では、どうだったのだろうか。

11:踊る虹娘
作詩:小川吉衛 作曲:清水保雄 1950

昭和25年4月発売。
映画「浅草の肌」主題歌。
メロウな曲、ブルース調な歌などのイメージが強い平野だが、この歌は何とブギウギ。
私にはどうにも暁テル子向けの歌のように感じてならない。
スケジュールの都合でレコーディングに間に合わなかった暁の代打で歌ったのでは?
と邪推したくなる。
しかし、これもまた意外なのだが、なかなかどうして、ちゃんと歌いこなしている。
ミスマッチの妙というものとは、ちょっとまた違う。
平野の歌手としての実力の程が伺える、いわば珍作。
作詩の小川吉衛は、映画プロデューサーでこの映画の製作も担当している。往年のスター女優・山根寿子の夫でもある。

12:恋ひとたび
作詩:有江道夫 作曲:吉田矢健治 1952

昭和27年6月発売。
「第3回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。
紅白歌合戦の選曲というのは、今も昔も時折?というものが含まれている。
意外と気付かない人が多いのだが、紅白で歌われた歌=ヒット曲、ではないのだ。
紅白で歌われた歌だから、と探そうとすると
CD化されていなかったり、高額CD-BOXに収録されていて手が伸ばせない、
または収録されたCDが既に廃盤で入手困難状態だったり・・・
と悲惨な状態に出くわすことが、ままある。
この歌もそういう悲惨な状態にある歌のひとつだったが、今回めでたくCD化された。
テイチクに原盤が残ってなく、金沢蓄音機館という施設に所蔵されていたレコードから
復刻されたという。
幻がやっと実体化された喜びは格別だ。
テイチク時代の吉田矢健治の曲はあまり復刻されることが多くないので、そういう意味でも嬉しい。
吉田矢健治もしっかりとした再評価が望まれる大作曲家だ。
ただ、この歌、もう少しキーを上げて歌っても良かったようにも思う。
どうも男声用の作品のように感じるのだが・・・。
いや、これは平野の歌手としてのステップアップを目指した、敢えて、なのだろう。
その試みは、ある程度は成功したように思うがどうだろうか。

13:虹よいつまでも
作詩:清水みのる 作曲:平川浪竜 1951

昭和26年11月発売。
「第2回NHK紅白歌合戦」歌唱曲。
ビクターからテイチクへ移籍して放ったヒット。
昭和29年にキングへ移籍するまで、多くのレコードを遺したが
ヒットと呼べるものは、他に竹山逸郎と歌った「愛染橋」など、数曲に終っている。
それが災いしたのか、なかなか復刻に恵まれず
1995年発売のCD「再発見・ニッポンの音/芸(6) 節まわしこそ歌の命」(TECR-20176)
でやっと一般向けCDに収められたものの、このCDも既に入手が困難になっている。
今回めでたく、このCDへ収録されたことで再びお目見えが叶った。有り難い。
「白い船のゐる港」の姉妹篇のような歌であるが、個人的にはこちらに軍配を上げたい。
平野の魅力がよく出ているし、長津義司の編曲もなかなか凝っていて良い。
平川浪竜は「岸壁の母」で知られる、なかなか美しい曲を書く作曲家で、この歌でもその才能を
しっかりと発揮している。この人の再評価も望みたい。

14:スペードの女王
作詩:吉川静夫 作曲:清水保雄 1951

昭和26年1月発売。
盛り場の女を唄ったブルース歌謡。
ブルース歌謡は平野の十八番だが、この歌はどうも男声向けのように思う。

15:ブルースの女
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1948

昭和23年9月発売。
なぜかデジャヴ感を感じるが、見事なブルース歌謡の傑作。
昭和40年代に青江三奈あたりの歌声で発売されていても不思議ではない、
20年ほど時代を先取りした感すらある。佐々木俊一、おそるべし。
佐々木俊一は多作な作曲家ゆえ玉石混合の面はあるが、玉の作品は素晴らしい。
遺した実績に見合うだけのしっかりとしたアンソロジーが組まれることを期待したい。

16:落葉のブルース
作詩:東辰三 作曲:永井龍二 1950

昭和25年1月発売。
ヒット曲「白い船のゐる港」のB面曲。
前奏や間奏に入る女声コーラスのハミングがやや時代を感じさせるものの、
そこを除けば、見事なブルース歌謡であり、A面に勝るとも劣らぬ出来に仕上がっている。
この歌唱ひとつでも、平野が若きブルースの女王と呼ばれたのは納得出来る。

17:雨のタンゴ
作詩:門田ゆたか 作曲:松井八郎 1949

昭和24年8月発売。
タンゴ歌謡の隠れた傑作。
松井八郎の作・編曲ぶりにはただ唸るばかり。
こういう作品を作ることが出来る、音楽への消化力という点が往年の流行歌~歌謡曲の魅力
の一つではないだろうか。
この難曲を歌いこなす平野愛子は見事だが、あと数年後ならばもっと立派な歌唱を
聴くことが出来たようにも思う。


18:雨の日の広告塔
作詩:坂口淳 作曲:中山晋平 1951

昭和26年8月発売。
大正~昭和一ケタにかけて一世を風靡した日本流行歌界の傑物・大作曲家である
中山晋平晩年の作品(昭和27年没)。
中山の戦後作品は戦前までと比べるとさすがに数も減り、またヒット曲が出せなかったこともあり
CD化には恵まれていない。
そういういった意味では貴重な1曲となった。
ただし、曲の出来は良くも悪くも"晋平ぶし"で、デジャヴ感があり、可もなく不可もなくといったところ。この作品の肝は、平野の歌唱だと思う。

19:たそがれの東京
作詩:井田誠一 作曲:清水保雄 1950

昭和25年5月発売。
「ゴールデン☆ベスト」、小畑実、曽根史郎に平野愛子・・・と聴いてきて
清水保雄という作曲家がなかなか良い作品を生み出しているということに気付いた。
清水の名前は勿論知っていたが、こう作品をカチッと聴いたことは無かった。
古賀政男の片腕として長年支え続け、古賀作品の編曲は長年に渡って清水が密かに受け持っていたいたとも、「湯島の白梅」「勘太郎月夜唄」は実は古賀の作品だとも言われている。
その程度しか知らなかったが、今回いろいろと聴いてみて、手堅い作品が多く、関心が湧いた。
この曲も品格と程よい軽やかさがあって、しっくりくる。
清水保雄の再評価も今後なされていくことを期待したいし、私自身も関心を持って清水作品へ当りたい。

20:長崎のオランダ娘
作詩:吉川静夫 作曲:吉田正 1951

昭和26年9月発売。
異国情緒あふれる、長崎チャイナ歌謡。
平野とチャイナメロディ、長崎歌謡の組み合わせはぴったり。
オリエンタルなムードを醸し出していて、なかなかの作品へと仕上がっている。
もっとこういう作風をこなす平野も聴いてみたかった。

21:長崎物語
作詩:梅木三郎 作曲:佐々木俊一

昭和14年に由利あけみの歌声でヒットし、昭和15年には桜井潔楽団が取り上げたことでも知られている昭和歌謡のスタンダード・ナンバー的1曲。
ビクター新人オーディションの際、平野愛子が歌ったのがこの曲であったという。
昭和40年代に入り、懐メロブームが興り、戦後まもない時期を代表する歌手である平野へも再び光が当り、代表曲「港が見える丘」「君待てども」などと共に録音したのが、この歌でこの音源。
持ち味はそのままに円熟味を増した歌声によって歌われる名曲は、ひたすら心地良く、至福のひととき。この歌の収録は嬉しい。ボーナストラック的1曲。
[PR]
by hakodate-no-sito | 2011-06-03 06:17 | CD視聴感想 | Comments(0)