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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


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かもめと「私の来た道」

私が初めて聴いた石井好子の歌は「かもめ」(Les Goelands)という歌だ。
両手を広げ、堂々たる貫禄で、語るように叫ぶように歌う石井好子の姿もさることながら歌の内容もまたインパクトがあった。

遠い海原で命を失くした水夫は
袋に入れられ さかまく波間に流される
(中略)
水夫の魂は かもめとひとつにとけ合い
はてない海原 あちらこちらと飛びまわる
だからかもめを殺してはいけない
なぜなら かもめは死んだ水夫の魂だから

(訳:薩摩忠)

やや古風な訳詩だが、それがまた独得の風情を醸し出していて、
今まで観たことも聴いたことも無い歌の内容に呆然としたことをよく覚えている。

以後、石井好子=かもめ、かもめ=石井好子、という図式が脳裏に刻み込まれている。
他の人が歌う「かもめ」も聴く機会があったが、石井好子のそれとはまるで別曲のようで、どこか物足りなさを感じてしまった。

数日前、石井好子歌手生活45周年記念CDアルバム「私の来た道―シャンソン」(1990年)を入手し、久しぶりに石井の「かもめ」と再会する機会を得た。

かもめと「私の来た道」_e0134486_22382919.jpg


やはり屈指の名唱だ。
記憶の美化でも何でも無い。

だが、石井好子の「かもめ」はもっと良かったはずという想いもある。
このアルバムに収められた「かもめ」は亡くなる約20年前の録音。
この歌に限らず、例えば「人の気も知らないで」は、他にアルバム「私は私」(1999年)にも収録されているが、後年の吹込の方が迫ってくるものがある。
この「私の来た道」での録音が悪い訳では無い。歌い手としての技量が上がっているのだ。

永瀧達治の解説によれば、石井は「有終の美を飾りたい」と、このアルバム制作の頃からさらに変わっていったという。
また「石井好子という歌手による『シャンソンの歴史』と『有終の美』はまだまだこれから作られるに違いない」とも書かれている。
納得だ。
このアルバムから20年、確かに石井はさらに凄みを増していた。
記憶や、僅かながら遺しておいた録画テープなどからも判る。

それにしても、このアルバム発売時で既に石井は68歳だ。日本の歌手ならばそれから20年という歳月だと、言葉は悪いが堕ち行く一方だと思う。年を重ねることや老いを逆手に取って、プラスへと転じていったということは、シャンソンというジャンルだからということはあると思うが、並大抵のことでは無いはず。

石井好子という歌い手が、どれだけ凄い歌い手なのか、おぼろげながら、僅かながら判ったような気がした。そのおぼろげ、僅かをもっとしっかりとハッキリさせたい。
そのためにも、石井好子についてさらに知りたい・観たい・聴いてみたい。
by hakodate-no-sito | 2011-01-21 22:41 | CD視聴感想