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年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・


by hakodate-no-sito

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視聴感想「ゴールデン☆ベスト 小畑実」(Disk2)

「ゴールデン☆ベスト 小畑実」
2011.04.27 / VICL-63735~6 / \3,000(税込)

視聴感想「ゴールデン☆ベスト 小畑実」(Disk2)_e0134486_22505234.jpg


本当に良いアルバムである。
声を大にして叫びたい。
歌好きの人にはぜひ聴いてほしい。

小畑実の魅力を余すところなく収めて、それでいて、もう少し追求したくなるような選曲は、絶妙としか言いようがない。そして充実の解説。

声無き声、かもしれないが、精一杯声を出したい。
当ブログの感想・メモで、少しでも興味を持ってくれる人がいたら嬉しい。

Disk2

01 勘太郎月夜唄 (1952年/再録音盤)
02 湯島の白梅(婦系図の歌) (1952年/再録音盤)
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1943

出世作となった大ヒット曲の再録音。
直接原盤へ吹き込む形式からテープ録音へと変わった頃、多くのヒット曲が改めて再録音されている。円熟期・全盛期の再録音なので、昭和40年代以降のやや歳を重ねた音源とは違う、脂にのった歌声を楽しむことが出来るが、あまり復刻には恵まれていないのが現状。
存分に歌い込まれ、人気全盛期ということもあり、安定感すら漂う。
小畑実の魅力を十二分に味わえる、有り難いトラック。

03 アンジェラスの鐘
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1952

昭和27年11月発売のヒット曲。
アンジェラスの鐘というと長崎・浦上天主堂のそれを思い出すが、関連性はあるのだろうか。
当時、修道院入りという選択肢は割合ポピュラーで、また歌や映画、小説などの題材になっていたことを改めて気付かされる。
修道院×歌の代表作は、やはり二葉あき子の「フランチェスカの鐘」だろうか。

04 ああ高原の夢いづこ
作詩:井田誠一 作曲:加藤光男 1953

昭和28年2月発売。
ビクターオーケストラの演奏が、特に前奏部分が素晴らしい。
当時の伴奏者の演奏技術の高さを示している。

05 ナポリの街から
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1953

昭和28年5月発売。片面は「カプリ島の夜」。
流行歌の(良い意味の)軽さに溢れた吉田メロディ。

06 カプリ島の夜
作詩:坂口淳 作曲:吉田正 1953

昭和28年5月発売。「ナポリの街から」は片面。
イタリアの高級保養地・カプリ島の美しい情景を歌った作品。
どうにもイタリアよりはハワイあたりの南国を思い浮かべそうになるが
凝ったアレンジが心地良く、隠れた名作と言っても差し支えないと思う。
おそらく初復刻となる、吉田メロディ。

07 新太郎街道
作詩:吉川静夫 作曲:佐々木俊一 1953

昭和28年4月発売のヒット曲。
股旅モノだが、和のイメージよりも洋楽テイストが濃い1曲。
片面は榎本美佐江の「お俊恋唄」で、こちらも大ヒットとなり、榎本美佐江の
出世作となった。榎本は今夏、待望のベスト盤発売が予定されているという。
期待したい。

08 アカシアの小径
作詩:杉本襄之 作曲:末吉賢次 1953

昭和28年7月発売。
「星影の小径」路線にある作品。
イントロ~小畑が囁くように歌う出だしが秀逸。
この部分だけでも聴く価値があるように思う。

09 花の三度笠
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1953

昭和28年7月発売のヒット曲。
同名映画の主題歌で、いわゆる股旅モノ。
私は小畑は、日本歌謡界のエトランゼと思っている。
勿論、本人の才能や努力があることは言うまでもないが、
エトランゼ的な感覚があったからこそ、日本調・和事のムード溢れる歌も
ソフトに良い部分を小畑一流にピックアップして歌うことが出来たのではないだろうか。

10 東京ブルー・ムーン
作詩:須賀原照夫 作曲:服部良一 1953

昭和28年9月発売。タンゴのリズムに乗せた服部メロディ。
ストリングスの使われ方がとても良く、思わず聴き惚れてしまう。
小畑実×服部良一の作品では「雨のビギン」が秀逸。
このCDへは未収録だが
「東京の屋根の下~僕の音楽人生 1948-1954」(VICL-61066~7)
へ収められている。興味のある人はぜひ聴いて頂きたい。
この2組のアルバムがあれば、小畑実×服部良一作品はひと通り聴くことが叶う。

11 そよ風のビギン
作詩:鈴木譲二 作曲:利根一郎 1954

昭和29年6月発売のヒット曲。
これまで多くのヒットを出してきた小畑実×利根一郎コンビのヒットの最後尾に属する。
1番と2番の間奏にタンゴの名曲「碧空」が挿入されるなど、凝りに凝った編曲も素晴らしい。
今はやや忘れ去られた感があるのが惜しい。

12 長崎の街角で
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1954

昭和29年10月発売。
弾むような曲調が楽しく、まさに流行歌の楽しさが詰まっているように思う。

13 二十の頃
作詩:佐伯孝夫 作曲:吉田正 1954

昭和29年12月発売。
「雨のダンスパーティー」の姉妹編のような1曲。
おそらく初復刻となる吉田メロディ。

14 涙の築地川
作詩:佐伯孝夫 作曲:大村能章 1955

昭和30年1月発売。
消え行く、かつての東京の情緒ある姿と交わされた人の交情が歌われている。
大村能章、小畑実の十八番の日本調流行歌。

15 霧降る高原の駅で
作詩:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一 1955

昭和30年8月発売。イントロ部分が秀逸。
ビクターオーケストラの演奏と編曲が特に良い。
この時期ならではの良さが詰まっているように思う。

16 船乗りシャンソン
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1955

昭和30年10月発売。当時の流行歌でブームだったマドロスもの。
賑やかな編曲・伴奏は聴いていて楽しいが、小畑の歌唱が力みすぎて今ひとつリズムに乗り切れていない。「勘太郎月夜唄」から10余年、さすがの小畑も世代交代の風に押されていたのかとふと考えてしまった。
この年の夏、小畑は結婚。媒酌人は大野伴睦。

17 ただひとりの人
作詩:吉川静夫 作曲:利根一郎 1955

同名映画の主題歌。
メロドラマの主題歌らしさに包まれた、当時の普通の流行歌を知る手がかりとなるような1曲。

18 残菊物語
作詩:佐伯孝夫 作曲:清水保雄 1956

昭和31年2月発売のヒット曲。同名映画の主題歌。
小畑十八番の和事モノなだけあり、さすがの貫禄。
詩も曲も良く、1次キャリアの末期ということで見逃されてしまい兼ねない位置に出された
こういう歌が気軽に聴けるようになったことは本当に嬉しく、有り難い。

19 りんどう日記
作詩:宮川哲夫 作曲:渡久地政信 1957

渡久地政信と小畑は、戦中時代に歌手仲間として苦楽を共にした仲。
ただしタッグを組んだのは小畑の引退もあり、この歌と「こころにユトリが湧いて来た(昭和32年)」に復帰後の
「湯の町しぐれ/流し唄」「星のない渚/はまゆうの道」「青いたそがれ(昭和52年、誰か夢なきB面)」・・・と多くない。
このアルバムでは2曲を聴くことが出来る。
おそらく、初復刻。

20 星のない渚
作詩:西条直樹 作曲:渡久地政信 1977

作詩の西条直樹は、現・山野楽器会長の山野政光のペンネーム。
歌手活動の行き詰まりと家族と共に過ごす時間を増やしたいという想いなどから
一度は歌の世界から引退し、実業家の道を歩き始めた小畑実だが、アメリカ在住中も教会の合唱隊に加わって歌うなど歌への愛着は持ち続けていた様子。昭和40年代に起こった懐メロブームの頃から徐々に乞われて、歌手業を再開。昭和44年「勘太郎いつ帰る」という新譜も発表し、往年の懐メロだけではなく現役のレコード歌手としても活動をし始めた数年後、夫人の実家の紡績会社が倒産する悲劇が襲う。
このことが影響したのか、昭和50年代に入った頃から「もう一度ヒットを出したい」と、みかん箱の上をステージに、街から街へ自らの新曲を歌って売り歩く「歌の行商」を始めるようになった。
ゆるぎない地位を築いている往年の大歌手が、それらを半ば投げ捨て、出たての新人のようなキャンペーンをするということは
当時多くの波紋を呼んだ。そんな小畑の奮闘の甲斐があってか「湯の町しぐれ」は万枚を売り上げるヒットを記録している。
この歌は「湯の町しぐれ」に次ぐ、昭和52年5月発売のシングル。
上質なムード歌謡であり、小畑の歌唱は、その音楽的感覚が過去のものになっていなかったことを示している。
ベテラン歌手のファン向けな定期シングルというようなものではない。
戦前から戦後にかけての歌手のCDアルバムは、長く歌っていた歌手でも昭和40年代に新録音した音源で構成されたものか、ある一定の年代で切られてしまってそれ以降の年代を聴くのはCD-BOXで聴くか中古市場を漁るより他に無い、ということが大半で、全キャリアを統括したベスト盤はなかなか無いだけに、今回の試みは異例。
今後、こういう形がスタンダードとして定着していくことを強く希望する。

21 悲しい芝居
作詩・作曲:なかにし礼 1978

昭和53年10月発売。アルバム「悲しい芝居 小畑実となかにし礼の出会い」との同時発売。
翌54年4月24日、小畑はゴルフ中に急逝心不全で倒れ、亡くなったため、これが遺作となった。
シャンソンの香り漂うムード歌謡に仕上がっている。
「悲しい芝居 小畑実となかにし礼の出会い」に収められている歌謡曲のカバーも、ベテラン歌手のファン向けカラオケというレベルではなく、ファン向け以外へもしっかりと聴かせるだけの内容のものになっている。
このベスト盤には洩れてしまったが、竹山逸郎・藤原亮子のヒット曲をカバーした「誰か夢なき」(昭和52年9月発売)は曲のモダンさを引き出した、カバーを超えたカバーに仕上がっている。駅やCDラックに置かれている7曲入りのOME商品CDに収録されているのでこのベスト盤を聴いて、晩年の小畑へも関心を抱いた人には、ぜひ探して一聴して頂きたい。
NHKの人気歌謡番組「ビッグショー」でも、最後に『良い歌は古くても良いんです』と熱い想いを語り、歌っている。
立川談志兄弟が、その歌唱の素晴らしさに衝撃を受け、何十年経っても、録画テープを見返しているとエッセイに記しているのを読んだことがある。
by hakodate-no-sito | 2011-04-30 23:03 | CD視聴感想