年齢不詳な若人が唄の話を中心にアレコレと・・・
by hakodate-no-sito
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最新の記事
夢で逢いましょう |
at 2021-02-13 10:16 |
むかしひとりの歌い手がいた・.. |
at 2017-08-08 21:05 |
こころに歌を、シャンソンを |
at 2017-05-28 20:48 |
過ぎし日よ私の学生時代 |
at 2017-04-18 20:53 |
サヨナラ私の愛した新派 |
at 2016-11-14 21:31 |
記事ランキング
フォロー中のブログ
♪風のささやき+αないしょばなし
ブック・ダイバー(探求者...
リンク
今だから昭和さ・・・ある男のぼやき
よっちゃんのマニアックなお部屋
レコード狂の詩
コーラスはカルテットがご機嫌です
暮らしの食性活大辞典
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
kozaのブログ
CORRESPONDANCES
立花保子(p.&vo.)の気まぐれブログ
LICHT BURG
だって昭和のWAKAZOUだもの
ちあきの部屋
La famille de iida
よっちゃんのマニアックなお部屋
レコード狂の詩
コーラスはカルテットがご機嫌です
暮らしの食性活大辞典
月影の宵/IN THE EVENING BY THE MOONLIGHT
kozaのブログ
CORRESPONDANCES
立花保子(p.&vo.)の気まぐれブログ
LICHT BURG
だって昭和のWAKAZOUだもの
ちあきの部屋
La famille de iida
検索
カテゴリ
全体つぶやき
歌・唄・うた
テレビ
菊池章子
デュークエイセス
古今俳優ばなし
読書感想
CD視聴感想
未分類
タグ
昭和歌謡以前の記事
2021年 02月2017年 08月
2017年 05月
2017年 04月
2016年 11月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 03月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 05月
2008年 08月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
ブログパーツ
最新のトラックバック
その他のジャンル
法善寺横町
高校の修学旅行、大阪での自由散策時間で、私は法善寺横町へ参りました。
喧騒感たっぷりの道頓堀から、路地へ入るとまったくの別天地。
夕暮れどき。
雨に濡れた石畳に、キラリと反映される、ほの暗い街灯。
全身が苔に覆われた水掛不動。
ひっそりと建てられた「月の法善寺横町」の歌碑。
台風接近というときでしたので、人もあまり居らず、それがなおのこと上方情緒を引き出していたのかもしれません。
本屋で長谷川幸延の「法善寺横町」(タチバナ文芸文庫)を見かけたとき、そんな昔のひとときが、ふと蘇りました。
前の日に、村上元三の「思い出の時代作家たち」(文藝春秋)という本を読んでいて、そこに長谷川幸延についても載っていた、というのも後押しでした。
長谷川幸延。
往年の作家、劇作家で、長谷川伸の門下でもあった人。
「殺陣師段平」「桂春団次」などが代表作。
読んだことはありませんでしたが、名前ぐらいは知っています。
頭の中で、既に芸道に生きる人の人情ドラマが展開されつつあります。
お持ち帰りしまして、読みました。
ちょっと想像とは違いました。
「法善寺横町」という本の題名から、ここを舞台にした短篇が並んでいるものだと、思い込んでいたんですが、これは10篇収められたうちの1篇の題名で、他の作品は別に法善寺は関係ないのです。早トチリでした。
もうひとつ誤算がありました。
この本、昭和17年に発売された短篇集を、平成22年に復刊したものでした。
昭和17年というと戦時中。
本に載っている短篇でも、戦争が話に絡んでいるものが多い。
面食らってしまいました。
では、つまらなかったか、というとそんなことはありません。
ときに興味深く、実に面白かったんです。
関西新派や新国劇などの舞台脚本も多く手がけた人なだけあって、作品が往年の新派や大衆演劇の匂いがあって、それが私にはたまりません。何ともいえない情緒があるんですよね。
それに、戦時下の大衆小説なんて、読めそうで読めません。戦争賛美がどうと問答無用で黒歴史化されていますのでね。大衆小説と戦争がどう反映されていたかを知る、いい機会、資料でありました。
戦争賛美描写も、別段違和感はなく、当時の大衆はこうであったろうという、自然なものです。
それは芸人であったり、職人であったり、役者であったり、少なくとも偉い立場にある人が出てこない、等身大の人間、大衆の想いを描いた作品ばかりであるからなのでしょう。
戦時色はあっても、腕のある作家が、仕立てた小説は、やはり魅力的でした。
泣かせの入った作品もありますし、ややイージーな世話物になっている作品もありますが、総じてレベルは高いです。
機会があれば、長谷川幸延作品、また読んでみたいですね。
著作はほぼ絶版、一部舞台の原作者としてかろうじて名を留めるのみ、というのが現状ですが、古本の森には忘れ去られた名作が眠っているように感じてなりません。
喧騒感たっぷりの道頓堀から、路地へ入るとまったくの別天地。
夕暮れどき。
雨に濡れた石畳に、キラリと反映される、ほの暗い街灯。
全身が苔に覆われた水掛不動。
ひっそりと建てられた「月の法善寺横町」の歌碑。
台風接近というときでしたので、人もあまり居らず、それがなおのこと上方情緒を引き出していたのかもしれません。
本屋で長谷川幸延の「法善寺横町」(タチバナ文芸文庫)を見かけたとき、そんな昔のひとときが、ふと蘇りました。
前の日に、村上元三の「思い出の時代作家たち」(文藝春秋)という本を読んでいて、そこに長谷川幸延についても載っていた、というのも後押しでした。
長谷川幸延。
往年の作家、劇作家で、長谷川伸の門下でもあった人。
「殺陣師段平」「桂春団次」などが代表作。
読んだことはありませんでしたが、名前ぐらいは知っています。
頭の中で、既に芸道に生きる人の人情ドラマが展開されつつあります。
お持ち帰りしまして、読みました。
ちょっと想像とは違いました。
「法善寺横町」という本の題名から、ここを舞台にした短篇が並んでいるものだと、思い込んでいたんですが、これは10篇収められたうちの1篇の題名で、他の作品は別に法善寺は関係ないのです。早トチリでした。
もうひとつ誤算がありました。
この本、昭和17年に発売された短篇集を、平成22年に復刊したものでした。
昭和17年というと戦時中。
本に載っている短篇でも、戦争が話に絡んでいるものが多い。
面食らってしまいました。
では、つまらなかったか、というとそんなことはありません。
ときに興味深く、実に面白かったんです。
関西新派や新国劇などの舞台脚本も多く手がけた人なだけあって、作品が往年の新派や大衆演劇の匂いがあって、それが私にはたまりません。何ともいえない情緒があるんですよね。
それに、戦時下の大衆小説なんて、読めそうで読めません。戦争賛美がどうと問答無用で黒歴史化されていますのでね。大衆小説と戦争がどう反映されていたかを知る、いい機会、資料でありました。
戦争賛美描写も、別段違和感はなく、当時の大衆はこうであったろうという、自然なものです。
それは芸人であったり、職人であったり、役者であったり、少なくとも偉い立場にある人が出てこない、等身大の人間、大衆の想いを描いた作品ばかりであるからなのでしょう。
戦時色はあっても、腕のある作家が、仕立てた小説は、やはり魅力的でした。
泣かせの入った作品もありますし、ややイージーな世話物になっている作品もありますが、総じてレベルは高いです。
機会があれば、長谷川幸延作品、また読んでみたいですね。
著作はほぼ絶版、一部舞台の原作者としてかろうじて名を留めるのみ、というのが現状ですが、古本の森には忘れ去られた名作が眠っているように感じてなりません。
by hakodate-no-sito
| 2013-07-02 13:28
| つぶやき